第8話
夢小説設定
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名前が入学して1ヶ月。
全員五条のフォローを受けながら少しずつ簡単な任務もこなすようになっていた。
ただ、真希との関係は相変わらず最悪だった。
名前が一方的に避けていただけだったが。
始業時間が近づき、4人が席についていると五条がやってきた。
悟「おはよー!今日も1日頑張ろう!
早速だけど名前、真希。2人で任務だ」
『!?』
名前は今まで真希と2人きりの任務や実習は初めてだった。
悟「僕も近くまで行くから安心して。
・・・上からの指名なんだよね、名前と真希の2人でって」
『え・・・』
上からの指名・・・?
昔に設けた縛りの効果はもう切れている。
“必ず高専に入学する代わり、入学までは上層部は名前に干渉しない”
もう上層部は名前に干渉できる。
きっとここぞとばかりに危険な任務を押し付けるのだろう。
どんな任務なのか不審に思いながらも向かうしかなかった。
五条の運転で、目的地である山奥の廃旅館まで来た。
悟「ここで心霊スポット巡りをしていた男性2人が行方不明になってる。それに近くを通る車が次々に事故にも遭っていてね。」
その原因となる呪いを祓い、男性を救出することが任務の内容だった。
悟「ずっと近くにいられればいいんだけど、野暮用ができて少し離れるから気をつけて。」
心底行きたくないという雰囲気の五条。
きっと上層部の仕業なのだろうと推測する。
『わかった』
真「じゃ、行くぞ」
五条の話が終わると、早々に名前が一緒にいることを考えていないかのようにズカズカ歩き出す真希。
『あ、ちょ・・・』
悟「名前」
突然五条に呼ばれ、振り向く。
悟「何か嫌な予感がするんだよね。ヤバかったらすぐ逃げろ。今日は僕もすぐに助けに行ける訳じゃないからね。
そして、絶対にネックレスは外さないこと」
いいね?と念を押される。
わかった、と返事をすると五条は帳を下ろすための呪文を唱え始めた。
トプッ
帳が下ろされ、空が黒くなっていく。
名前は真希を追いかけ、廃墟に入っていった。
所々にいる小さい呪霊を祓いながら奥に進む。
真「・・・・」
『・・・・』
気まずい。
真「・・・・・・・」
『・・・・・・・・』
気まずい!
真「・・・おい」
『は、はい!?』
真「お前何で私のことそんなに避けるんだよ」
廃墟を歩きながらどストレートに聞いてくる真希に、名前は何と答えたらいいか分からず黙り込んでしまう。
真「はぁ・・・お前苗字って苗字だろ?
なんとなく知ってるぜ?」
『・・・』
眉間にシワを寄せ、真希を見る。
真希は、禪院家の大人たちがよく話に出していたが、興味がなかったためあまり覚えていないと話す。
真「ただ、出る杭は打つとか、危険だ・・・とかは言われてたな。」
『・・・禪院さんは、どう思う?』
隠し事などしていなそうな真希に、不安を感じながらも質問してみる。
真「苗字で呼ぶんじゃねぇよ。
私はさ、呪力が無ぇから家族に馬鹿にされて生きてきたんだ。
禪院家なんてくそくらえだって、強くなって見返してやるって思ってるからさ、別に家の思想なんか関係無ぇよ。
お前が強すぎるのが何だ、私はお前を同じ1年の仲間だって思ってるぜ?」
真剣な顔で見てくる真希。
名前は、真希を避けていたことを申し訳なく思った。
自分だけが勝手に避けて真希を傷つけてしまっていた。
『ごめんなさい、禪院さん・・・』
真「だから苗字で呼ぶなって、“真希”でいい。
しかも何で敬語だよ。同い年だろ?」
『うん、真希、ありがとう』
真「はっ、じゃあそろそろ任務に集中するぞ」
真希とのしがらみは少し解消された。
先程よりも並んで歩いている2人の距離は近くなった。