第4話
夢小説設定
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夕飯が終わり、しばらく話をしたりのんびりして過ごす。
五条父「さて、そろそろ名前さんは寝た方が良いんじゃないか?」
時計を見ると21時を回っていた。
『ホントだ・・・おやすみなさい』
挨拶をすると、椿と一緒に先ほどの客室に向かう。
客室の真ん中には、ふかふかそうな布団が敷いてあった。
『・・・あの、椿さん』
椿「何ですか?」
『・・・さとると、一緒に寝ちゃダメですよね』
寂しそうに話す名前に、顔を曇らせる椿。
気持ちはわかるが男と女、さすがに一緒に寝るわけにはと思っていた。
『あ、全然大丈夫ですから!聞いてみただけなのです』
そう言ってもぞもぞ布団に入る。
寝入るまで一緒にいてあげようと思い、背中に手を当てる。
数十分経っても寝入ることができずにいる名前の顔を心配そうに覗き込む椿は息を飲んだ。
椿「名前様っ」
『っ・・・・っ・・・』
静かに、呼吸を乱さないように気を付けながら涙を流していた。
椿「悟様のもとへ行きましょう」
椿は何よりも名前の心の安定が一番だと考え、涙を流す名前と手を繋いで悟の部屋まで向かった。
トントン
椿「悟様、椿でございます。今大丈夫ですか?」
悟「大丈夫」
襖を開けると、悟がラフな着流しで携帯を弄っていた。
呪力で名前も一緒にいるとわかっていたようで驚いてはいなかった。
しかし、椿と手を繋いでいるのと反対の手で涙ぐんでいる赤い目を擦っていることに気づき、少しだけ目を見開いた。
椿「名前様が悟様と寝たいとおっしゃっていて。
一度1人で寝ると横になったのですが、やはり不安で眠れないようで・・・」
『・・・』
申し訳なさそうに俯く名前にズカズカ近づく悟。そしてヒョイっと抱っこすると中庭に向けて歩きだした。
悟「どうせ明日一緒に高専行くから一緒にいた方が起こしやすいでしょ。
このまま預かるから椿さんは名前の布団持ってきてくんない?」
椿「は、はい!ありがとうございます」
中庭に出ると名前を抱っこしたまま縁側に座り、春の夜風を感じていた。
名前は悟に寄りかかりながら着流しをきゅっと掴んでいた。
『ごめんなさい、さとる、ごめんなさい』
悟「謝んなくていいから。ガキはそんな周りの迷惑とか考えちゃダメでしょ」
『・・・父様・・・母様、兄様・・・』
悟の胸板に顔を埋めながら静かに泣く。
頭に思い浮かぶのは家族の顔。
『うっ・・・ひっく・・・』
さすがにこういう時に悪態をついたらマズイということはわかっており、静かに背中をさすり続ける悟。
『なんで、なんでぇ・・・』
悟「・・・・・」
『・・・・わるいこと、してないのに・・・』
悟は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。呪術界にいる身、御三家の次期当主と言われる身として様々な呪術界の裏を見てきたつもりだった。
『何で、嫌われちゃったの・・・』
悟「悪くない、名前たちは何も悪くない・・・」
『ぅう・・・う・・・』
気がつくと、名前は寝息をたてていた。
そこへ布団を持った椿が来て、名前が寝たことをアイコンタクトで伝えた。椿もホッとしていたようだった。
起こさないようにゆっくり立ち上がり、自室に引かれた名前用の布団に寝かせた。
また携帯でも弄ろうとその場から離れようとすると、名前がもぞもぞ動く。
『行か、ないで・・・父様・・・』
悟「・・・」
夢の中でも父の背を探しているのか、右手を所在なさげに動かしている。
悟「(たまには早寝でもするか)
ありがと椿さん。明日起きたらまた呼ぶから」
椿「はい、よろしくお願いいたします。
おやすみなさいませ」
椿が去った後悟は自分の布団に入ると、隣にいる名前の手を握り目を瞑った。
隣からはもう静かな寝息しか聞こえてこなかった。