第32話 壺井組
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翌日
兄貴「よぉ、今日も来てやったぜ」
『あ、昨日の。焼肉弁当どうでした?』
昨日と同じ時間、お昼のピークを過ぎた頃に昨日やってきた柄の悪い2人組がやってきた。
兄貴「美味かったからまた買おうと思ってよ」
『わぁ、ありがとうございます!』
兄貴分の男は次は唐揚げ弁当を頼みたいと話す。
2人が来ていることに気づいた花枝も近くにやってきて2人に話し始める。
花「あら、良い口説き文句考えてきました?」
兄貴「そんなんじゃねぇよ。弁当が美味かったからまた買いに来ただけだ」
舎弟「ふん・・・」
『弟分さんは買わないんですか?
私的には、この海苔弁当もオススメですよ』
そっぽを向いていた舎弟の男に声を掛けると、チラッとこちらを向いてから「じゃあそれで」と言っていた。
『ここらへんでお仕事してるんですか?』
兄貴「いや、たまたまこっちに少し用事ができただけだ」
『大変ですね、極道さんも』
2人「・・・・・」
2人は、労われたことに驚いていた。
極道だと知ったら普通の人は怯えて離れていく。しかし、ここの2人はそれをしない。
そんな一般人、ましてや若い女性を見たことがなかった。
兄貴「っはは、本格的にあんたたちを口説きたくなってきたぜ。一緒に飲んだら楽しそうだ」
花「たくさんお弁当買ってくれたら考えるかもしれませんね」
兄貴「いいぜ、任せとけ」
兄貴は嬉しそうにお弁当の入った袋を振りながら、舎弟は気まずそうに小さくお辞儀だけして歩いていった。
花「また不思議な極道が来たわね」
『はい、色んな人を笑顔にできるお弁当屋になっていきたいですね』
花「ふふっ、そうね」
弁当を買って幸せ気分で歩いていた極道2人は、車道に停めてあったバンに乗り込んだ。
兄貴「ただいまっす」
「おう、帰ったか千葉、山口」
すでに車に乗っていた40代くらいの人が、兄貴分のことを千葉、弟分のことを山口と呼んだ。
「どうだ、神室町は」
兄貴「いやぁ、わかんねぇっすね。柄の悪ぃ男ばっかり歩いていやがるから」
千葉と山口は弁当を広げながら男に返事をした。
「例の奴らの動きさえ掴めればこっちのものなんだがな」
千葉「そうっすねー」
焼肉弁当を頬張る千葉。
「うまっ」と呟いて勢い良く食べ進めていた。
「ったく、臭えな」
男は千葉と山口が広げた弁当の臭いに、車の窓を開けた。
千葉「どうっすか、親父も。美味いですよ。
神室町で人気の弁当屋で買ったんすけど」
親父「はっ、そんな安っぽい弁当なんぞ食えるか」
男は焼肉弁当を見て呟いた。
千葉「親父はもっと庶民の味を知った方が良いっすよ」
親父「俺は高い飯、高い地位、良い女しか興味ねぇ」
親父と呼ばれた男は、そう言いながら窓の外を眺めていた。
千葉と山口は、その話を聞くのは慣れっこだったため、スルーして弁当を食べ進めていく。
その時、車の隣でタバコを吸いながら携帯をいじっている男たちの声が聞こえた。
「腹減ったなぁ。今日も名前ちゃんと花枝さんの弁当屋に行こうぜ」
「お、いいね。最近親父行けてねぇみてぇだから何か買ってってやるか?」
「ああ、真島の親父も喜ぶかもな。
名前ちゃんの客を呼ぶ笑顔に癒されたいって何回も呟いてるもんな」
千葉・山口「(真島・・・・親父・・・、まさか)」
千葉と山口は、自分たちの親父の顔を見る。
すると口角を上げ、ニヤリと笑っていた。
親父「くく・・・おい、山口、車出せ。
組に戻るぞ」
山口「・・・はい」
窓を締めたバンは、神室町を去っていった。