第28話 初・賽の河原
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地下に降りると、真島が名前を連れてこなかった理由がわかった。
『ああ、そういうことね』
地下には、ピンク色の空間が広がっていた。
所謂歓楽街だが、きっと合法ではないだろう。
薫「地下にこんな街があるなんて・・・」
桐「驚くのはまだ早い」
そう言うと歩き出す桐生。
それにキョロキョロしながら狭山と名前はついていく。
薫「名前さんは普段何を?」
この空間にあまり驚いていない様子の名前を見て狭山は疑いの目で見る。刑事の勘なのだろうか。
『普段はお弁当屋で仕事してます』
薫「それにしてはこういう所に来ても落ち着いてますね」
『ふふっ、だって桐生さんとか東城会元幹部と面識があるんですよ?』
腹の探り合いが始まりそうな雰囲気の2人。
桐「狭山、名前はただの一般人だ。ただ、極道との関わりが少しあって慣れてるだけだ」
『そういうことです』
間違いでもないし、前世でも違法な遊郭を見たことがあったから、とは言えないためそういうことにしておく。
薫「名前さん何歳なんですか?」
『23ですよ』
薫「落ち着いた23歳ね」
狭山はいくつなのか聞くと25歳だと言われ、あまり変わらないだろうという話になった。
むしろ25歳で警部補、主任という立場はすごいのではないかと名前が話すと照れていた。
そんな話をしていると奥の部屋に通じる入口に着いた。
門番と桐生は知り合いだったようで、用があると言うとすぐに中に通してくれた。
一番奥の部屋の扉を開ける前、桐生は懐から何か取り出す。
『何それ?』
桐「兄さんの武器だ」
『・・・ドス?』
キレイな桜の模様が入っているドス。
真島の極道へのこだわりも見える。
ギギギギギ・・・
と重い扉を開けると、誰もいなかった。しかし真島がこの空間にいると確信し、話しかける。
桐「桐生だ、いるのはわかってるんだ・・・出てきてくれ」
そう言うと、真島のドスを床に放る。
サクッと床に刺さるドスを見て名前はどんな斬れ味なんだと驚いた。
その時、笑い声が部屋中に広がった。
真「待ってたで・・・桐生チャ〜ン!」
コツコツとゆっくりした足取りで出てきたのは真島だった。
真「桐生チャンが堅気になってしもうて、この1年メッチャ淋しかったわ〜」
しかし桐生ならこの街に帰ってくるだろうと思っていたと話す。
真「名前も一緒やったんやな。ここに来るまでの道は見せたくないモンばっかりやったが、大丈夫か?」
『うん、別に。むしろ勝手に来てごめんね』
真「気にせんでえぇよ」
狭山は、何この人と言って不審がる。
桐生は元東城会の幹部だと話す。
桐「久しぶりだな、真島の兄さん」
真島は桐生の横にいる狭山を見ると、桐生の恋人だと思ったようで、このスケコマシが、と言っていた。
桐「誤解するな」
真「照れることないやんけ・・・なぁ姉チャン?」
楽しそうに今度は狭山に向かって話しかける真島。
狭山は真面目に府警であることを話す。
桐生が警察と一緒に行動していることに驚いていたが、それは桐生にスルーされ、ここにいる理由を聞かれた。
ここは1年前は賽の花屋が取り仕切っていたはずだと。
真島は花屋がいなくなったから譲り受けたと話す。
花屋は元警察で、今はミレニアムタワー内にある事務所で、警察の下請けとして監視の仕事を続けているらしい。
花屋が警察関係者になったことで、この“賽の河原”と呼ばれる場所は機能しなくなり、真島建設で譲り受けた、と。
真「ま、俺のホンマの狙いは、それに乗じてこの地下街を丸ごと頂くことやったんやがなぁ」
桐「アンタも意外と頭が回るんだな」
『(桐生さん、吾朗ちゃんを何だと思ってたんだろ。)』
馬鹿な時もあるが、基本的には頭が良く先々のことを見通して動く真島。
それに対して桐生には脳筋天然オジサンのイメージしか湧いていなかった。
そんな桐生に意外と頭が回ると言われる真島はいったい今まで何をしてきたんだとジト目になる。
真「で?今日は何の用や?」
真面目なトーンになる真島。
桐「東城会に・・・戻ってくれ」
『・・・・』
真「かしこまって・・・何アホなこと言うてんねん!?
桐生チャンに冗談は似合わんわ〜」
桐「本気だ」
今の東城会には真島が必要だと真っ直ぐ真島を見据えて話す。
真「お断りや」
頭を下げて頼んでくる桐生に、真島はやめろと話す。桐生が頭を下げているところなんて見たくないと。
それでも東城会には真島組が必要だと言われると、少し考えてドスを拾う。
真「しゃあないのう。
それなら1つ条件があるわ」
真島はトーナメントに出場してほしいと話す。
『トーナメント?』
真「せや。名前にも見せたる。こっちきぃ」
名前は真島に手招きされ、素直に真島の方へ向かう。
対象的に桐生は、狭山にセレナで待っているように伝えていた。
狭山は若干渋りながらもこの部屋を出て行く。