第25話 捜索、そして
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真「はぁっ、はあっ・・・やっと、見つけたで。
何しとんのや、こんなとこで」
『・・・・・』
聞いたことのある声、
聞きたかった声
ゆっくりと顔を上げる。
吾朗ちゃんの顔が、見えた。
『黒く、ない・・・・』
真「(やっぱり黒、か・・・)」
吾朗ちゃんは私の反応を伺うように静かに見てくる。
しかし腫れ物を扱うようではない。
私のことを待ってくれている。
『吾、朗、ちゃん』
吾朗ちゃんに手を伸ばそうとする。
しかしガタガタ震える。
手の平の深いキズが開き痛いからか、
それとも恐怖を感じているからか。
否定されたら?
手を払われたら?
でも、
縋りたい
寂しい
寂しい寂しい
寂しいよ
『助けて・・・』
必死に震える手を伸ばす。
吾朗ちゃんは私の手をチラッと見た後、両脇を支えて立ち上がらせ抱き締めた。
真「言ったやろ?
お前が寂しゅうて泣かんようにするって。
遅れてすまんのう」
『吾朗ちゃっ・・・吾朗ちゃん、怖いっ怖いの!
全部、全部怖くて、でも寂しくて、
どうしたら良いかわからなくて、
何も、わからなくて・・・・』
吾朗ちゃんの背中に回した傷まない手をギュッと握りしめる。
涙が溢れて止まらない。
『ここに来たら、消えれるかなって・・・
もう消えたい、死んだら楽になるかなって』
真「死にたいとか言うんやない!!」
頬をガシッと掴まれ、大声をあげられる。
ビクッと肩を震わせると「大声出してスマン」と謝られる。
真「死にたいとか、言ったらアカン・・・」
『だって・・・これ以上生きるのが辛いって、思って』
このまま周りの黒い人影に睨まれながら生き続けるなんて自分には耐えられない。
きっと吾朗ちゃんが来てくれなかったら、何らかの方法で本当にこの世界からいなくなっていただろう。
真「俺が一緒におる。全部打ち明けぇ。
苦しいこと辛いこと怖いこと全部聞いたるから」
『・・・』
真「“助けて”言うたのは名前や。
それが本心なんやろ?助けたるから。もう死にたいなんて言うたらアカンよ」
『・・・・・うん』
幼い子どもに諭すように優しく声をかけてくる吾朗ちゃんに寄りかかるように体重をかけた。
私がふらついているのに気づくと「ちぃと堪忍な」と言って横抱きにする。
真「休めるとこ行くで」
移動しようとする吾朗ちゃん。
ということは、また黒い影に睨まれる。
『いや!怖い!!黒い人が睨んでくる!!』
真「・・・目ぇ瞑っとき。で、これで大丈夫やろ」
『え・・・』
吾朗ちゃんの厚い胸板に顔を押し付けられる。
温かい体温、心臓の音を感じる。
そして言われた通りに固く目を瞑った。
今だけは恐怖を感じない。
〈名前sideおわり〉
ーーー
ざわざわしている繁華街。
目をぎゅっと閉じるだけでなく、耳を手で塞いでいる名前を見て心を痛める真島。
真「(松崎の違和感にちゃんと気づいてれば・・・)」
近くのビジネスホテルに着く。
さすがに人を抱いたままチェックインは怪しすぎるだろう。
真「名前、名前・・・」
真島は指で名前をツンツンする。
それに気づいた名前は顔を上げ、耳を塞いでいた手を外した。
真「流石にチェックインの時には降りてくれんか」
『う、うん』
真島の腕から降りると、下を向き耐える。
真島が気を遣ってくれたのか、エントランスには自分達しかおらず、真島と従業員の声だけが響く。
真「おおきにー」
受付が終わったのか、真島が戻ってきた。
そして痛くない方の手を繋いで部屋まで向かう。
部屋に入るとすぐ名前をベッドに座らせ、真島は名前の目の前に椅子を持ってきて座った。
真「で、何があったんや。“黒”って何度か言っとったみたいやが」
最初は言いにくそうにする名前だったが、真島が優しい顔で見ているため打ち明けようと思いポツリポツリ話し始める。
『・・・周りの人がね、みんな、真っ黒に見えるの』
真「真っ黒・・・?」
『うん。影みたいな身体に赤い目と口でこっちを睨んでるの。ざわざわしてる所に行くと全部私を罵る声にも聞こえて』
真「そりゃあ怖いのぅ」
今までは世界が灰色に染まっていただけだった。
しかし、松崎に裏切られトラウマを掘り起こされ、全てがどす黒くなってしまったと話した。
『でも、吾朗ちゃんの顔は見えた』
真「何でやろうな」
『・・・・・きっと受け入れてくれたから、かな。
前世の私のことも』
前世で人をたくさん殺めたことが心に暗雲を漂わせていた。
全ての人が自分を責めているのではないか、憎んでいるのではないかと。
真島は静かに話を聞いてくれた。
真「辛かったのぅ」
『・・・けど、花枝さんたちのことも黒く見えて拒絶しちゃった。私が辛いなんて言える立場じゃないよ』
真島は名前が精神的に参っていて全てがネガティブ思考になっていることに気づいていた。
真「もう少し蒼天堀おるか?」
『え?』
真「ほぐし快館、まだマコトがやっとった。
もうすぐ中国に帰る言うててな。行ってみたらどうや?」
自分は名前も顔も伏せていたから、何も知らない客として黙って施術を受けていたが、名前なら大丈夫だろうと。
『でも・・・マコトお姉ちゃんも黒かったら?』
真「そん時は帰ってくればええ。“すまん!”言うての」
店の近くまでは一緒に行くからと言われると断りにくくなる。
『・・・・行って、みようかな』
真「よっしゃ、そうと決まれば腹ごしらえや。なに食いたい?買うてくるで」
言ってから気づいた。1人にさせるわけにいかないのではと。
しかし
『うどんが食べたいな』
当たり前のように返事をする名前に真島は目を丸くした。
真「・・・行ってきてええんか?」
『ん?大丈夫だよ、待てる』
微笑んで見てくる名前。
裏があるようにも思えず、何かあったら連絡するように伝えて部屋を出、近くのコンビニに走った。
しっかり花枝と真島組員には名前が無事なことも連絡して。