第21話 監禁
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名前は一度冷静に考えた。
先程朝の10時だと翔は言っていたため出勤時間は過ぎている。
出勤してこない自分を不審に思った花枝が何かアクションを起こさない限り、自分は終わりだ。
花枝を信じて死なないように耐えなければならない。
グリッ
『い"ぁあ!』
先程太ももにつけられたキズを掴まれる。
痛みに涙が溢れてくる。
翔を見ると怒りと楽しさが入り混じった表情をしていてゾッとした。
この男はヤバい、狂っている。
翔「俺に集中してよ。」
『はぁ・・・っ・・・』
翔を睨みつけるが、自分に視線が向けられたことで満足したのか、嬉しそうに笑ってナイフを動かす。
翔「次はこっちの腕にしようかな」
『もう、やめて・・・翔さっ・・・』
イヤイヤと首を横に振るがそれを聞いてくれる相手ではない。
ツー・・・
と軽く赤い線を描く翔。
痛みはあるが下唇を噛み、声は出さないようにしていた。
きっと自分が苦しむたびに歓びを感じている。
少しでも反抗したかった。
翔「声出して良いってば。
こうしなきゃわかんない?」
ドッ
『ぅあぁぁ"あ!!』
手の平に刺さるほど刃を突き立てた。
手の平に血が溜まって溢れ落ち、ロープの色が変わってきている。
翔「そうだよ、良い子。その調子でね」
『も、やめて・・・』
弱々しい声で懇願するも、翔は笑みを深めるだけだった。
翔はその後も小さいキズをたくさんつけてくる。
気絶しないように、出血多量にならないように。
ただ、顔には絶対にキズをつけなかった。翔のこだわりが見えるところにまたゾッとする。
翔「どう?痛い?
そういえば、名前の処女を貰った時も苦痛に耐える名前を見てゾクゾクしたなぁ。
あの時に殺っちゃおうかと思ったけど、待って良かったよ」
翔と初めて身体を重ねたときの話をされる。自分は幸福感を感じていたのに、そんなことを思っていたとは・・・。
名前は今まで感じていた幸せは何だったのかと絶望した。
翔「お互いに記憶あるかわからないまま殺っても、ただ恋人に殺される哀れな女性で終わりだったからね。
こーんな素敵な経験できて幸せだよ。
記憶があるって教えてくれてありがとう」
名前に感謝の気持ちを伝える翔。
それが純粋な感謝なのか、名前を更なる絶望に追いやるための言葉なのかと言われると、確実に後者だろう。
現に名前は自分が思い上がって記憶のことを話したということに後悔し自分を責めていた。
『(こんな私が、人に理解してもらえるかもなんて思ったから・・・)』
ツケが回ってきたのだと。
翔は身体に少しずつキズをつけるのに飽きたのか、言葉で名前を責め立てていく。
翔「世の中にどれだけいるんだろうね。前世の記憶ある人。
前言ったよね?今関わりのある人は前世でも親交のあった人かもって」
名前はビクッと反応する。
前世で名前が何人もの人を殺めた記憶のことが最大の弱点であることをわかっているかのように話していく。
翔「身近にいる人だってそうかもしれない。真島さんとか?店長さんとかも?
記憶はなくても本能で感じてたりね。」
ガタガタと震え始める名前。
頭の中の真島や花枝の影が真っ黒になっていく。
目が泳ぎ焦点が合わなくなってきていることに気づいた翔はさらに追い詰める。
翔「きっと、名前は疎まれてるはずだよ。
自分を殺したのは名前だとか、名前のせいで不幸になったとか心の奥底でどす黒く渦巻いて、知らず知らずのうちに恨まれて敵意を向けられて、憎まれてるかも・・・」
『そんなこと、ない・・・』
翔「ホントにそうかなぁ?
俺みたいに幸せの絶頂を感じさせてから突き落とそうと思ってたかもしれないし」
『いや、いや・・・』
翔「きっと今まで良くしてくれた人、みんな名前が嫌いだと思うよ?
だってそうでしょ?
名前が誰も信じないし歩み寄ろうとしないんだもん。
いくら名前に時間を費やしても何も変わらないんだからね。」
今までに出会った人たちの顔が思い浮かべられなくなる。
全て真っ黒になり、憎悪を感じさせる赤いつり上がった目が浮かび上がってきた。
『はぁ・・・はぁ・・・』
息が辛くなる。
涙も止めどなく流れてきた。
翔「全部お前のせいだよ。
人を殺し続けたのに、穏やかに死んだお前のさ」
ザクッ!
『ぁぐぁあっ!?』
油断していたところに鎖骨辺りに激痛が走った。
目で見える、刃が食い込んでいるのが。
目を大きく開き、痛みに悶える。
『ぁ・・・あ"・・・』
あまりの痛みに気絶した方が楽だと思うほどだった。
翔「お前に殺された人はもっと痛くて苦しかっただろうな。
お前はもう誰にも必要とされてない。」
名前の目はもう何も写していなかった。