第20話 本性
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『それにしても綺麗なお家だなぁ・・・
ふぁあ・・・・』
話す相手もいなくなり、急激に睡魔が襲いかかってきた。
『翔さんが、帰ってくるまでは・・・・寝ちゃ・・・だめ・・・・・・・・』
遂には眠気に負け、ソファにもたれながら寝てしまった。
翔「・・・・・・・」
お風呂から出てきた翔は無表情だった。
ソファで寝ている名前に気づくと怪しい笑みを浮かべる。名前の頬を撫で、全く起きる気配がないことを確認するとさらに笑みを深める。
翔「薬、効いたみたいだね」
翔は懐から小瓶を出し、うっとりするような目で見ていた。
翔「さて、ここからが本番だ」
翔がリビングの床についている取っ手を引っ張ると床が開き、地下へ続く階段が現れた。
翔「お姫様を連れていかなきゃな。」
ソファで固く目を瞑っている名前を横抱きにし、地下へ向かっていく。
地下には無機質な部屋にベッドが置いてあるだけだった。
翔は手際よく作業を進めていく。
ーーー
『ん・・・』
どれだけ寝たのだろう、身体がだるい。
頭がボーッとする。
そして
『・・・・・・え?』
身体が動かない。
いや、動かしているのだが稼働範囲が狭すぎる。
動かそうともがくと手首、足首に引っ張られる感覚と痛みが走る。
『縛られ、てる・・・?』
見ることは出来なかったが、ベッドの柵にロープで手足を結びつけられていることはわかった。
不安と恐怖で頭がいっぱいだ。
翔を呼ぶもこの部屋にはいないようで返事はなかった。
『翔さんっ・・・何が、どうなって・・・』
ガコンッ
『!!』
その時、一階へ続く階段の先が明るくなり、誰かが床下の扉を開けたのだとわかった。
『翔、さん?』
翔「ふぁあ、良く寝た。
名前もおはよう。
ぐっすり寝てたね、今もう朝10時だよ」
階段を下りてきた翔はいつも通りののんびりした話し方だったが、名前は気づいた。
目が笑っていないと。
『翔、さん・・・どういう、こと?
お願い、ほどいて』
翔「ん?俺が縛った。逃げられないようにね」
冷たい笑みを浮かべる翔に鳥肌が立つ。
この目は、雰囲気は、ただの独占欲などではない。
もっとヤバい・・・
『何で・・・』
翔「何で?ははっ!決まってるじゃん。
名前が苦しむ顔が見たいからだよ」
翔の目には狂気が宿っていた。
なぜ、あんなに優しかった翔が。
翔「お前さぁ。
もしかして、前世の記憶あるの自分だけだと思ってた?」
『!?・・・まさ、か』
翔も前世の記憶があるというのだろうか。
だとしたら、自分に恨みがある人物かそれとも・・・
翔「そのまさか。
あの時はすぐに死んじまいやがって。
しかも穏やかな死に顔だし、ムカついたんだぜ?」
翔はナイフを取り出しながら話し、名前の二の腕に刃を当てる。
翔の言葉に、名前は目を見開きゆっくり答え合わせをするように言葉を紡いだ。
『あの日・・・私を、殺した、男・・・』
翔「大正解ー」
シュッ
『っ・・・』
答えると同時に二の腕を軽く切りつける。名前の白い腕に赤い線が入る。
翔「ははっ、その顔。痛がる顔いいねぇ。
俺はその後名前と一緒に死んだ」
『え・・・』
翔は殺されたのに穏やかな顔をしていたのがムカついて後を追ったと話す。
すぐに後を追えばまた同じタイミングで生まれ変われるのではないかと。
翔「思った通りだったわけだ。
顔は変わるらしいけどね。でもお前を見た瞬間俺は確信を持った、あの女だってな」
どれだけ執着心が強かったのだろう。
そんなのわかりっこない、わからないから今自分はこの状況に陥っているのだ。
翔「言ったでしょ?俺はお前を離す気無いって。
だからさ、もっと苦しんでる顔見せてよ」
ザクッ
次は太ももを切りつけられた。
先程よりも深めに。
『っぁあ"!』
翔「いくらでも悲鳴あげられるよ、防音なんだここ。
名前のために作った部屋だからさ」
名前は痛みに耐えながらも翔を睨み付ける。
翔「ははっ、どこまで強情でいられるか見物だね」
地獄が始まった。
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