第20話 本性
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※暴力、流血表現あります。
翔「やっほ」
『あれ?翔さん。今日会う約束してましたっけ?』
夜、仕事が終わり店の前で花枝と別れると、バッタリ翔に会った。
翔は、1人で飲み屋を探していたところだったと話す。
翔「名前に会ったなら、一緒に家で飲もうかな。
どう?これから予定ある?」
特に予定は無かったため、翔と過ごすことにした。
最近は外食よりも家でまったりとお酒を飲んだりご飯を作って食べながら過ごすことが多かった。
『ううん、無いですよ。
一緒にご飯作ってお酒飲みます?』
翔は「いいね!」と言って神室町の街中に向かっていくのを止めてUターンする。
翔「・・・俺の実家行く?今日はなんかそっちに行きたい気分」
『え?近くなんですか?ていうかご両親って・・・』
亡くなっているのでは、とは言いにくく口ごもる。
翔は、なんとなく家は残してると言っていた。遺産がたくさんだったから、残しても生活には困らない。
そして家が2つあると便利だと。
『どこなんですか、ご実家』
翔「ん?渋谷」
『渋谷・・・』
また人が多いところか、と思ったがそれがわかったのか、
翔「渋谷駅からは離れてるからそんなにガチャガチャしてないよ」
と安心させるように話す。
『じゃあ、お邪魔してみようかな』
電車に乗って渋谷駅まで行く。
『ちょ、待って!人が、無理!』
実家近くは閑散とした住宅街なのだろうが、一度渋谷駅を経由するとなるとやはり人混みは避けて通れない。
もみくちゃにされながら必死に翔の後についていく。
翔「ははっ、ごめんごめん。ほら」
翔は名前の手を引き、自分の近くに寄せた。
名前は安心して歩き出す。
まだまだ人にぶつかるためひたすら謝ってはいたが。
翔「ふふっ、ははっ、子どもみたいだったね!」
人混みを抜けたところで翔に大笑いされる。
名前は口を尖らせ不機嫌になっていた。
翔「ふふっ、ここからは人少ないからさ。大丈夫だよ」
そう言われると、人通りが少なくなった気がする。
ホッとしながら歩き出す。
途中、コンビニで好きなお酒とご飯を買って帰った。
料理をしようとしたが、人混みで疲れてしまった。
ガチャッ
渋谷だとは思えないほど静かな住宅街。
そこにある一軒家の鍵を開けて入る。
『わあ、凄いね』
翔「父母が建てたばかりだったからね」
中はとても綺麗だった。しかし、広すぎず嫌みの無い感じに。
翔「リビングこっち。おいで」
『う、うん』
他人の家に始めて入った時のような緊張感だった。
また翔に笑われる。
『人混みで疲れたから先にお風呂入っても良い?』
翔「いいよ、俺も言おうとしてた。
お風呂案内するよ、あ、俺の服しかないから頑張って着て」
風呂場には翔の服がたくさん積まれていた。
自分が着てもブカブカになりすぎないもの・・・なんて無いのだが、なるべく小さいサイズのものを選んだ。
そしてお風呂に入る。
『ふぅ、お風呂ありがとう。翔さんも入る?』
翔「あー、俺はまだ良いかな。先に飲みたい」
『どんだけ酒が好きなの』
テーブルを見るとすでに先程買ったお酒類が並んでいた。すぐに乾杯できそうだ。
翔「ほら、お酒も注いどいたし」
『手作りのカルピスサワー?』
名前は甘いお酒が好きなことをわかっている翔は、先にお酒を注いで待っていた。
名前が座る場所には居酒屋でもよく頼む白っぽい飲み物が置かれていた。
翔「そ。美味しいかはわかんない、初めて作ったから」
せっかく作ってもらったのだ、飲まないわけにいかない。
『「乾杯」』
乾杯をし、翔手作りのカルピスサワー?を飲む。
『・・・?』
翔「どう?おいしくない?」
名前は首をかしげる。美味しくないわけではないが不思議な風味がする。
何か隠し味でも入っているのだろうか?
『何かカルピス以外に入ってます?』
翔「え?カルピスだけだよ」
自分の気のせいか、と納得しご飯を食べたりお酒を飲んだりしていく。
翔も楽しくなってきた様子だった。
翔「あー、もう名前大好き。誰にも渡したくない」
ギュっと名前に抱きつきながら話す翔に引き気味の名前。酔ってもあまりこうなることがなかったので、珍しいとも思っていた。
『え?もう酔ってる?』
翔「俺は名前に酔ってるよ」
『ドン引き』
翔「ははっ、冗談。
でも名前を誰にも渡したくないのはホント。大真面目」
真面目な顔で見られると恥ずかしくなり目を逸らしてしまう。その仕草にも「可愛い」と言われた。
翔「あー、寝ちゃう気がする。先お風呂行っとけば良かったかな」
『今から行ったらどうです?私もちょっと眠くなってきたし』
翔「・・・・」
『翔さん?』
名前をじっと見る翔。名前が不思議そうに声をかけるとハッとしてお風呂に向かっていった。