第16話 セレナでの攻防
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カランカラン
麗「!!!?」
店に入ると麗奈はビクつきこちらを見る。
そして何かを隠した。
先客というのは危ない人なのかもしれない。
麗「名前ちゃん、どうしたの、先に予約してた大事なお客さんが来ちゃう。
早く帰ってちょうだい」
他の客に会わせられないほどの客とは・・・裏の人間だろう。しかもただ飲むだけであればここまで拒絶されない。
『・・・なに考えてるんですか?』
麗「!・・・何にもないわ、早く・・・!」
とにかく早くこの場から立ち去ってほしいと何度も懇願されると逆に心配になってくる。
『錦山さん、ですか?』
麗「!」
錦山さんは麗奈さんの想い人だ。
そして自分の組を持っている。会長になった世良さんが亡くなったと聞いていたから、跡目争いなどで何かをトラブルなどが起きているのではないか。
そしてセレナで会うことにした。理由はわからないが。
そう思って試しに言ってみると図星だったようだ。
何をしようとしているか、何を考えているかわからないが、薄く殺気のようなものが感じられたため止めた方が良さそうだと思い麗奈に話す。
『危ないことは、やめてください。
麗奈さんにもしものことがあったら、いろんな人が悲しみます・・・』
麗「・・・ダメなのよ。私が、責任取らなきゃいけないの。
お願い・・・出てって・・・」
麗奈は俯き、名前の手を取ってお願いする。
その時
カランカラン・・・
「麗奈さん!親父が、麗奈さんが裏切ったことに勘づいて・・・って、その人・・・」
坊主頭のロングコートの男が焦りながら入ってくる。
知らない女性がいたことに驚いたようで固まっていた。
名前も呆然としている。
麗奈はその隙に男に叫んだ。
『な、なに?裏切りって?』
麗「お願いシンジくん!この子気絶させて奥に!」
『え!?ちょ、待っ』
シンジと呼ばれる男は言われたことを瞬時に理解する。
いつ錦山が乗り込んでくるかわからない今、急いで自分達も名前も逃げなければならない。
しかし、状況を説明している時間はないのだ
シ「すみません!」
ドッ
『っぐ・・・』
シンジは名前の鳩尾を殴打する。
体格差もあり、あまり勢いをつけなくても気絶させることができた。
崩れ落ちる名前をシンジは受け止め、奥の部屋の死角に寝かせた。
そして自分達も逃げよう、とシンジが麗奈に声をかけると
麗「私は逃げないわ」
麗奈は入り口を睨み付けるように見ながら拒否する。
シ「麗奈さん!?」
麗「私がやらなきゃいけないの」
そこへ
カランカラン
誰かが入って来たため、麗奈とシンジは身構える。
シ「!!?」
「親父の邪魔してんのはてめぇらか」
入ってきたのは錦山ではなく、錦山組若中の荒瀬だった。
シ「麗奈さん!!」
シンジは麗奈の腕を引き、裏口から逃げようとする。
荒「逃がすかよぉ!」
荒瀬は2人に向け発砲した。
シ「ぐっ!」
麗「ああっ!」
2人に一発ずつ被弾する。シンジは一瞬の隙をつき裏口へ。荒瀬もそれを追っていった。
シンジと麗奈がセレナを出ていって数十分後、桐生、桐生と行動を共にしていた刑事の伊達、遥が入ってきた。
桐生は麗奈の書いた手紙に気づき読んでいる。
そして手紙を読み終わった頃シンジから桐生に電話が入った。
桐生の動きを錦山に流していたのは麗奈だったこと、錦山に消されそうになっている麗奈と一緒に今逃げていることを話した。
シ《あと・・・セレナの奥の部屋に、若い女性が倒れてます。
俺が、危険から守るため、気絶させました》
桐生は急いで奥に向かい女性を探した。女性は桐生の知っている顔だった。
シンジに、自分が行くまで死ぬなよと言って電話を切ると、奥で目を閉じている名前を軽く揺すり起こす。
桐生「おい、名前」
『ん・・・はっ!麗奈さん!?』
目を覚ました名前はガバッと飛び起きた。
しかし目の前にいたのは桐生だった。
『・・・桐生、さん?』
桐「大丈夫か?訳がわからねぇと思うが、俺は麗奈とシンジのとこに行かなきゃならねぇ。」
状況を詳しく知りたいならあっちにいる伊達という刑事に聞いてくれ、遥も一緒だと話す桐生。
『わかりました。
桐生さん、麗奈さんを助けて・・・』
桐生の雰囲気、先程の出来事に、ただならぬ事が起きていることはわかった。今引き止めて迷惑をかけるわけにいかない。
一言、麗奈のことを託す言葉だけ伝える。
桐「ああ」
短く返事すると桐生は急いで出ていった。