第15話 好意
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と、そこへ
『あれ、桐生さん・・・と女の子?』
桐生が小学生くらいの女の子を連れて歩いているのを見かける。
『桐生さん!』
桐生は名前に気づき、手を上げて挨拶したあとこちらへ向かってきた。
「おじさん、このお姉さん知り合い?」
桐生と一緒にいた女の子が、桐生と名前を見比べながら話していた。
桐「ああ。ちょっとした、な」
『桐生さんの・・・娘さん?』
にしては・・・と思っていると、違うと否定された。
母を探して神室町を歩いているうちに出会ったと。目的が似ているため一緒に行動しているということだった。
きっと真島と名前のようなものだろうと納得した。
遥「澤村遥です」
『苗字名前です、ここのお弁当屋さんで働いてます』
行儀よく挨拶をする遥に、名前も何故か敬語になってしまう。
『それにしても、大丈夫ですか桐生さん』
桐「何がだ?」
『いや、ほら職質とか・・・』
桐生は、一度警官に声をかけられたが、遥のとっさの判断で乗りきれたらしい。
『凄いね遥ちゃん』
遥「へへ・・・」
『(可愛い)』
真島と一緒にいた自分はこんな風に見られていたのかと思い返す。
『あ、引き止めてごめんなさい、何か用事とかありました?』
桐「いや、かまわない」
今は遥と一緒に街をブラついていただけらしい。
食べ歩きをしたりゲーセンに行ったりしていたそうだ。
『じゃ、気をつけて』
遥「うん、バイバイ」
『バイバイ』
手を振って別れる。
丁度閉店時間になったため、お店を閉める準備を始めた。
『(神室町に来ていろんな人に会うなぁ)』
小さいときよりも、他の人と関わりやすくなったと思えるのは、自分が成長したからか、それとも理解してくれる人たちがいるからか・・・。
『(周りは変な人が多数だけどね。
・・・変だから良いのかな)』
クスッと1人で笑っていると花枝が奥から顔を出してニヤニヤしていることに気づいた。
『な、何ですか?』
花「最近生き生きしてるなぁって思って」
『ふふっ、店長のおかげですよ』
花「またまた~」
ーーー
『今日、ドンキ寄って帰りますね』
花「わかった、気をつけてね」
『はーい』
ドンキで買い物を終えると、店内のBGMにかき消されて気づかなかったが、着信が数件入っていた。
着信は西田からだった。折り返してみることに。
『何だろ、あ、もしもし?』
西《あ、名前ちゃん!?大変なんだ、親父が・・・親父が・・・》
また何か設定があるのだろうか、と思いながら聞いていると
西《腹を刺された》
『え・・・・またゾンビの時みたいに冗談じゃなくて?』
頭が真っ白になり、また冗談だろうと西田に話すが、否定され今病院で治療を受けていると返事があった。
『・・・わかりました、教えてくれてありがとうございます。
何で刺されちゃったんですか?喧嘩?』
いや・・・と西田は口ごもる。
西《桐生の叔父貴と親父が喧嘩してたんだけど、うちの組員が先走って叔父貴をナイフで刺そうとしてさ・・・》
真島がそれを庇って刺されたということだった。
『・・・吾朗ちゃんらしい・・・
心配してるからちゃんと復活してよって言っといてください』
西《わかった、伝えとくね》
そう言って西田は電話を切った。
通話を終えるとふう、と息を吐く名前。
最近は弁当屋で平和に過ごしていたから忘れかけていたが、やはり真島は極道の世界にいるのだと思い知らされる。
どうか無事でいてと願うばかりだった。
数日後、真島が意識を取り戻し回復しつつあると連絡をもらったため、休みをもらって病院に見舞いに行くことにした。
ここ数日、生きた心地がしなかった。
翔が毎日のようにやってきて話をしている時も、真島組の人たちが弁当を買いに来たときも上の空だった。
そのため、真島が意識を取り戻したと連絡を受けたときは名前の周りにいる人もホッとしていた。