第14話 邂逅
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目の前にはゾンビ真島。
桐生は、街中に被害が及ぶ前にケリをつけようと決意し、ゾンビ真島と対峙する。
桐「名前、兄さんは名前もゾンビにしたいと言っていたそうだ。俺から離れるなよ」
『(40前後のおじさんたちが何してんの)』
と思いつつ桐生の後ろに下がっておいた。
ゾンビ真島「噛ませてぇなぁ!」
ゾンビになりきっている真島は、戦いよりもゾンビになることに重きを置いているのか、桐生に何度も攻撃されるとすぐにバテて倒れ込んだ。
桐「っ・・・こっちだ!」
『え、うん』
桐生は名前の手を引いて走り出す。
すると
「ウウゥゥ」
「ウガァ・・・」
『(いやいや、見たことある顔だって)』
桐「くそっ、ゾンビか」
真島組組員がゾンビに扮して立ち塞がってきた。
大量のゾンビは名前にも向かってくる。
『わぁっ!ちょ、待っ』
桐「名前!」
名前の腕をつかみ、噛みつく真似をするゾンビたちを殴っていく桐生。
周りのゾンビを倒していくとまたゾンビ真島が現れる。
さすがの桐生も少し疲労の色が見えたがなんとか勝ち、再度名前の手を引いて行く。
『・・・・』
桐生の大きい背中を見てキュン・・・なんてことにはなるはずもなく、いつまで続くのかとため息をつきながらついていく。
まだまだ現れるゾンビ組員。
桐生に殴られているが、組員たちはこの作戦をどう思っているのだろうか。
『(楽しそうだから良いのかな)』
恥ずかしいとか嫌だとか、面倒などの感情など無く純粋に楽しんでいる様子を見て真島組は平和だと思った。
『はぁ・・・はぁ・・・』
桐「大丈夫か?」
全く鍛えていない一般人の名前は、息切れしている。
さんざん連れ回され、さすがに体力に限界が来ていた。
それを察してか、ゾンビ組員とゾンビ真島が映画のクライマックスのように向かってきた。
『桐生さん・・・』
桐「お前は必ず守る」
ゾンビなのに凄いスピードで向かってくる真島と、名前を庇いながら闘う桐生。
真島を相手しながら、周りのゾンビも少しずつ倒していく。もう立っているのは桐生とゾンビ真島だけだった。
『っえ、きゃあ!』
突然、ゾンビ真島は名前に襲いかかり、羽交い締めにして首筋を噛もうとする。
桐「やめろぉ!」
バキィ!
それがとどめの一撃だった。
ゾンビ真島の顔面に桐生の拳が入り、ゾンビ真島は崩れ落ち膝をついた。
『(痛そう・・・)』
桐「ハァ・・・ハァ・・・」
桐生も息が上がっていた。
どのくらいの時間、何人と闘ったのだろう。
そこへ再び西田から電話が入る。
西《叔父貴、やりましたね!ゾンビを全滅させましたよ!》
桐「ああ、どうやら俺までゾンビにならなくて済んだみてぇだ」
まだ、その設定信じてたんだ、と思う名前。
するとゾンビ真島がスッと立ち上がった。今はゾンビの時のようにフラフラとではなく、姿勢良く立っている。
そして踊っている。
真「ヒッヒッヒ!さすがや桐生ちゃん!」
桐生は立ち上がった真島とまた戦闘するのかと思ったようで臨戦態勢をとるが、あることに気づく。
桐「よく見たらいつもとあんまり変わらねぇな・・・
ゾンビってのはこんなに楽しそうな顔でしっかりと言葉を話すもんなのか?」
そしてネタばらしが始まった。
真「そんなわけあるかい。
俺はゾンビとちゃう。ごっつピンピンしとるで」
桐「ゾンビじゃない?どういうことなんだ?」
『え、桐生さん天然?』
今だわかっていない桐生に名前は驚く。
あんなに落ち着いて、強面で渋い声で、喧嘩が強いのに、天然かもしれないと。
真「桐生ちゃんを驚かしたろ思てな。
真島組総出でお前を担がせてもろたんや。
守るもんがあるとさらに気合い入れて闘うやろ?」
桐生はとても嫌そうな顔で真島を見た。
真島は、桐生と闘うための作戦会議をしている時にたまたまゾンビ映画を見たら閃いたのだと言う。
『会議中に何見てんの』
そしてメイクやエキストラを雇ってパンデミックを起こしたらしい。
しかもカメラも回していたという。
真「名前がヒロインのポジションやのに、むっちゃ嫌そうな顔してるからどないしよ思たわ」
『いや、冗談だって普通はわかるって』
桐「む・・・そうなのか?
本気でビビって損したぜ」
『はい、天然認定』
真「ま、俺は本気の桐生ちゃん見れて大満足やわ。
そしたらまた何かオモロいこと考えとくから楽しみにしとってや」
真島がそう言うと、桐生はため息をついて帰っていった。
『吾朗ちゃん、これが面白いもの?』
真「せや。人生経験が足りん言うから、楽しいことさせてあげよ思ての」
『ふふっ、ありがと、なんだかんだ楽しかったよ。
私も鍛えよっかなって思った。体力ないって改めて思ったし』
真「・・・ちぃと違う方向に行きそうやな」
こうして、Majima of the ENDは終わった。