第12話 本心
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真「・・・施設は、辛かったんか?」
真島は、自分が施設の人間に“名前を愛してくれ”と強くお願いしたことを思い出した。
真「また、愛してもらえんかったんか?」
『違う・・・』
名前は誤解を与えないように否定した。
しかし一度応答してしまえばもう話をするしかない。
真「お前らは帰っとけ。事務所に帰ったらたっぷり説教したる」
西「わかりました!!ごゆっくり!!」
真「何でそんな嬉しそうなんや・・・」
走り去る西田たちを見てため息をつく真島。
帰ったらボコボコにしてやろうなんて思っていたが、名前の様子を見ると、西田たちには強く言えないと思う部分もあった。
真「・・・場所、移そか」
『・・・うん』
しっかり話ができそうな雰囲気になった名前に安堵し、ゆっくり歩いていく。
しばらく歩き、真島がよく顔を出しているスナックに入る。
ちょうど客は誰もいなかったため、ママにお願いして少しの時間だけ貸し切りにしてもらった。
カウンターに2人で並んで座る。
真「酒は、まだあかん年やんな」
『うん、まだ19』
真「19か・・・大きくなったのぉ」
真島はウイスキー、名前はオレンジジュースを頼んだ。
お互いの飲み物がすぐ届き、少しの沈黙の後名前が口を開いた。
『・・・施設の人はね、良くしてくれたよ』
真「せやったら、何でそんな顔しとん?
俺よりも施設の人たちの方が長い付き合いやったろ」
『長いから、しんどかった・・・
私が、心を開けなかったから・・・』
真島はそれを聞き、なんとなくその理由がわかり顔を歪めた。
そして先日の自分はそれを理解しきれず、一度突き放してしまったことを後悔していた。
『前世の記憶があることとか・・・殺し屋だったとか、そんなの言えるはずないもん。
自分が大きな隠し事して自分を偽ってるのに、めいっぱい愛情を向けられても、受け止めきれなかった・・・』
真「そんなことも知らずに、前は避けてすまんかったの。
せやけど俺もヤクザに戻った身や。
堅気の人間とあまり仲良うしてたらあかんねん、危険に晒すことになる」
真島も名前も、お互いの気持ちや思いを理解できていなかったことを悔いていた。
『昔は吾朗ちゃんも一応堅気だったもんね。
私の方こそごめん。そういう暗黙のルールみたいなのわかってなかったし、
それに・・・』
言いにくそうにする名前に、真島は「なんや?」と聞くがそれでも名前はまごついている。
真「言ってくれんとわからんわ」
『・・・吾朗ちゃんなら、また助けてくれるかもって思ったんだ。
吾朗ちゃんの事情とか考えてなかった、ごめん』
オレンジジュースを一口飲み、コップを見つめながら話す名前。
反対に真島はウイスキーを飲んでいた手を止め、名前を見た。
真「・・・今は、どうしたいんや?」
『・・・・・・』
名前は困ったように真島を見る。
真剣な表情の真島と目が合った。