第11話 会いたい、会いたくない、会いたい
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
真島がいるという公園まであと少し。
名前は心臓がばくばくしていた。
角を曲がるとすぐ公園。
見えた。
派手なジャケットに眼帯、テクノカットの男。
名前は小さく声をかける。
『・・・吾朗ちゃん・・・』
西「(吾朗ちゃん!?どういう関係!?)」
真「!!」
真島は驚いたように名前を見ると、すぐに無表情になり吸っていたタバコを捨てて歩き出す。
真「行くで、西田。休憩は終いや」
西「え!?」
『え、吾朗ちゃん待って!私だよ、名前!』
西「親父!?」
名前の話を聞かず、むしろ見向きもしない真島に戸惑う西田。
名前も真島が去ってしまわないよう必死に話しかける。
『私、高校も卒業して、施設も出て・・・吾朗ちゃんに、会うために神室町に来たの!』
西「親父・・・」
真「あんな女知らん。行くで」
『吾朗ちゃん!なんで・・・』
名前の目には涙が溜まっていく。
ドンドン進む真島、オドオドしている西田。
西「名前ちゃん・・・ちょっと俺親父と話してみるから」
『・・・・・・』
名前は俯いて何も答えなかった。
去っていく真島と西田。
しばらく名前は放心していた。
そこへ、なかなか帰ってこない名前を心配した花枝がやってくる。
花「名前ちゃん!何があったの!?」
花枝は俯いて立ち尽くしていた名前の肩を掴み揺する。
『・・・は、なえ、さん・・・』
顔を上げた名前を見て花枝は絶句した。
初めて見た名前の泣き顔。
花「名前ちゃん・・・一回お店に帰ろ?」
小さく頷く名前の手を取り、店へ戻る。
店に着くと、看板を“close”にして中に入った。
名前の両方の手を取り、何があったのかもう一度聞く。
『ダメだった・・・』
花「忘れられてたってこと?」
名前は首を横に振る。
『わかってて・・・避けられちゃった』
花「!・・・」
花枝は名前が震えていることに気づき、きつく抱き締める。名前はポツポツと話し始める。
『何を言っても、見向きもしないで、あんな女知らんって』
花「・・・」
『私だけだったのかな?
私だけが、5歳のあの数日を大切だったって思ってたのかな?
あの人にとっては、思い出したくもない記憶だったのかな?』
どんどん感情的になってくる名前。
花枝にすがり付くようにぎゅっと背中を掴む。
花枝は何も言わず名前が気持ちを打ち明けるのを聞いていた。
『あの人は、ホントは私を足手まといだって、邪魔だって思ってたのかな!?
嫌いだったのかなぁ・・・
私だけがっ!私っ、ふっ・・・ぅう・・・』
名前は声を上げて泣き始める。
花枝は名前が小さいときに何があったかわからない。
しかし今聞く時ではないと判断し、落ち着くまで待つことにした。