第8話 銃声
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーーー
同日夜
堂島組事務所
六本木からヘリで逃走した5人は再開発計画について話していた。
そして渋澤は、次に邪魔になる風間組を始末する計画をたてていた。
宗「・・・で?渋澤、このガキはどうするつもりだ?」
堂島の視線の先には、ソファの上で手を縛られて眠っている名前。肩は手当てされ、包帯が巻かれていた。
渋「こいつぁ、真島が逆襲しに来たときに使えます。
それに、以前桐生と一緒にいたのも見ました。桐生や風間組を潰すのにも使えるかと」
てっぺんとるために風間組を1人残らず始末すると話す。
堂「今度の若頭は・・・血の気が多いぜ」
そう言うと、それぞれ自分の戦うべき相手のもとに向かっていった。
ドコォ・・・
ドン!
『ん・・・・』
激しい物音と地響きに目を覚ます名前。
『ここは・・・っ』
急に身体を起こすと痛む肩。
宗「起きたか」
『堂島、宗兵・・・』
未だに鳴り響く戦闘のような音。すぐ近くの部屋で誰かが戦っているような。
『なに、この音・・・?』
宗「真島が乗り込んできたらしい。
今阿波野が戦ってんだろう。老鬼・・・お前も行け」
堂島は老鬼に命じると、老鬼は部屋を出ていった。
老鬼が危ないヤツだということはわかっている。
『吾朗ちゃん・・・死なないで・・・』
名前は堂島組に乗り込んできた真島の無事を祈っていた。
老鬼が2つ先の部屋の扉を開けると、真島と阿波野が対峙していた。
老鬼は真島に銃口を向けるが、発砲すると血を流していたのは阿波野だった。
阿波野は真島を庇い、銃弾を受けたのだ。
阿「なにやってんだ、てめぇは・・・
男2人、腹割ってるときによ。
部外者が、余計な真似してんじゃねぇぞおらぁ!!」
阿波野は老鬼に向かっていく。
しかし老鬼の武器は銃だけではなかった。
アイスピックのような刃が数本、阿波野の身体に刺さる。
阿波野が崩れ落ちるのを見た後、真島は老鬼に目を向ける。
老鬼はマコトと名前を撃った張本人。
怒りを真っ正面から向け、戦っていく。
怒りが頂点に達している真島は、老鬼を叩きのめした。
殴り飛ばすと老鬼は堂島が待機している部屋まで飛んでいく。
宗「なんだと・・・?」
『・・・吾朗、ちゃん』
真島は名前を見つけると、一度目を合わせるがすぐに老鬼の頭を掴み、顔に膝蹴りを入れていく。
真「まだ終わっとらんやろが、ボケ!」
『っ・・・』
今までの優しい穏やかな真島ではないことに驚く名前。
堂島も焦り、テーブルの引き出しから銃を取り出すと名前の腕を引っ張っていく。
『痛っ!』
そして真島に向け一発威嚇射撃をする。
真島はピクリとも動かず堂島に話しかける。
真「おとなしく待っとれや。
こっちはもうすぐ済む。
そん次がお前や」
宗「っ・・・このガキがどうなっても良いのか!?」
『くっ』
堂島は名前の頭にゴリッと銃口を押し付ける。
真島はそれでも無反応だ。
堂島は無反応で煽られた苛立ちと恐怖に、名前ではなく真島に銃口を向け引き金を引こうとする。
宗「真島ぁああ!」
パァン!!
宗「ぐぅう!」
弾き飛ばされる堂島の銃。
真島も来た人物が予想外だったようで目を見開く。
宗「世良ぁ・・・!」
世良は銃を堂島に向けたまま名前にアイコンタクトを送る。
それに気づいた名前は隙をついて走り、世良の方へ向かった。
世良は名前の腕を拘束していた縄をほどき、真島に話しかける。
世「そいつらを殺すのか、真島?」
真「当たり前や、こいつらがおる限りあの娘はいつまでも狙われるんや。
全部しまいにするには・・・
ここで殺すしかないやろが!!」
『・・・やめて・・・殺しちゃ、ダメ』
真「何でや!?こいつらはマコトも名前も傷つけた!!
そんな奴らを庇うっちゅうんか!!?」
背中に彫られた般若のような顔に一瞬怯むも、名前は引かなかった。
『違う!この人たちのためじゃない!!
吾朗ちゃんのために言ってるの!
吾朗ちゃんは手を汚しちゃいけない・・・こっち側に来るべき人じゃないんだよ』
真島はそれでもマコトの代わりに堂島と老鬼を殺すと言い張る。
世「名前さんの言うとおりだ。
それに、彼女がそれを知ったら苦しむだろうな」
世良は、真島がここで復讐を果たしたらマコトはいずれ苦しむと話す。
兄弟分である冴島大河が18人殺した罪を背負った時のお前と同じ苦しみを与えることになると。
世「彼女は、自分の手がキレイなままなのは、お前が代わりに手を汚したおかげだと、そう気づく。
自分のために人殺しになった者へ償う方法は・・・この世にない。
お前はあの娘に、償いきれない貸しを作る気か?」
真島は話を聞き終わると、ドスを取り出す。
『吾朗ちゃん・・・お願い・・・』
そして老鬼に向かって振り下ろした。
名前は目をぎゅっと瞑る。
真「くそボケがぁ!!」
振り下ろされたドスは、老鬼の顔スレスレに刺さる。
真「せやったら俺はどないしたらええんや!
こいつらを殺してもあの娘を救うことにならんいうんやったら、
どないせえっちゅうんじゃ!!」
真島の悲痛な叫びが木霊する。
『吾朗ちゃん!もう、いいよ!もういいの!』
名前は真島に駆け寄り抱き締める。
今まで自分が前世の記憶のせいでパニックを起こした時にみんなにそうしてもらったように、少しでも冷静になるように。
世「・・・
マキムラマコトは意識を取り戻した」
真島は驚き目を見開く。名前も安堵する。
そして驚いていたのは堂島も同じだった。マコトが死んでいると思っていたようだ。
そんな堂島を見て、世良は“カラの一坪”は日侠連が所有者になったと話す。
世「堂島組の時代は終わったってことです」
堂島は諦めたように座り込んだ。
世「よくこらえたな、真島」
真島は不服そうな顔をしているが、名前が震えながら自分にしがみついているのを見、目を閉じる。
世「マキムラマコトにとって堂島組はもう脅威じゃない。
お前が彼女を救った」
真「フンッ、行くで名前」
真島は名前を連れてその場を去ろうとすると、世良に止められる。
世「まだ片付いてないことがある」
世良は、真島の親父である嶋野に東城会を裏切ったケジメをつけさせるために伝言を頼みたいと、真島に拳銃を渡しながら話す。
世「もちろん、その間名前さんはこちらで預かる」
真「わかった、終わったら迎えに来る」
『うん、待ってる』
真島は最後の仕事を片付けるため、嶋野の所へ向かった。
第8話 終