第7話 セレナにて再会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
麗奈と錦山は驚いてその様子を見ていた。
マキムラマコトと名前が一緒にいたのは知っていたが、真島と知り合いだったとは。
名前との様子を見ていた錦山は、真島がマキムラマコトを守ると言っていたことを信用し、マキムラマコトは桐生の元から姿を消したことを話した。
マキムラマコトの兄、立華が殺された直後の出来事だったと。
真島は立華のことは初耳だったようで錦山の話に耳を傾けている。
真「今頃街を出歩いてるかもしれんっちゅうことか?
あの娘はヤクザがぎょうさん狙っとるんやぞ!?」
錦山は、マキムラマコトを守りたいというのであれば、真島も探してくれと話す。
真島は錦山たちがマコトの逃走を許したことに怒りを覚えるが、今はマコトのことを第一に考え、探しに行くことにした。
『私も行く・・・錦山さんが、マコトお姉ちゃんの傍を離れちゃったのは・・・私のせいだから』
真「どういうことや?」
錦山は、マコトが兄と対面した時の名前の様子を話した。
真「そうか、じゃあお前らの責任だとは言いきれんわけやな。
名前のことは助かった、恩に着る。ほな、行くで」
『うん。ありがと、麗奈さん、錦山さん』
麗「ふふっ、しっかりした子ね」
真島と名前はセレナを出ていった。
『どこ探そう?闇雲に探しても見つかんないよね』
真「その“カラの一坪”っちゅう所はどこにあるんや?一回見とこ思うての。
マコトがおればラッキーや」
2人は“カラの一坪”に向かうことにした。
『ここだよ』
真「ここが・・・」
本当に小さい空間。そこに“私有地につき立ち入り禁止”の看板が倒れていた。
コツ、コツ・・・
上の方から足音が聞こえ、真島がそちらを見ると驚いた。
なんと、“カラの一坪”横のビルの屋上にマコトがいたのだ。“カラの一坪”を見下ろしている。
きっと見えてはいないだろうが。
真島は声をかける余裕もなく走ってマコトの所へ向かう。名前もその後を追った。
ガチャッ
勢い良くドアを開ける。
真「お前・・・マコトなんやろ?
そないなトコで何しとるんや」
何も言わないマコトに、真島も名前も不思議がる。
名前は先程のこともあり、話しかけにくく思っていた。
マコトがゆっくり振り返る。
マコトの顔は今までの守られている時の何もわからない不安な表情ではなかった。
何かを決意したような、真っ直ぐの目を真島と名前に向けてくる。
『(あれ?視線が・・・)』
マ「あなたには、また会えると思ってた」
真「・・・・・お前、見えとるんか?」
マコトは、なんとか街を歩ける程度にはね、と答える。
マ「あなたがそこにいるってことくらいは見える」
マコトには人や物がぼんやり黒く見えていた。
マコトは、今日“カラの一坪”で亡くなった兄に触れた瞬間、ずっと見えなかった目が光を感じ始めたと言う。
マ「兄の顔は、どんなに顔を近づけてもハッキリとはわからなかった。
わかったのは・・・ひどい拷問を受けて殺されたこと」
名前は立華が桐生に抱えられていた時のことを思い出し唇を噛み締める。
マ「堂島組のヤクザたちに、兄は・・・
あんな土地のせいで!」
真島はマコトの雰囲気の違いに気づいた。
真「復讐なんて考えんなや、ヤケんなるな。
事情が変わったんや、俺の雇い主はもうお前を殺さん言うとる」
あの土地をマコトから買い取ることが目的だと話す真島。
真「安心せえ。俺が一緒におる。
何があっても必ず守ったる」
マ「私のことなんかどうでもいい!
私には、死んでもやらなきゃいけないことがある」
マコトの決意は固いようだ。
堂島組の3人の幹部と組長の堂島宗兵に復讐するという。
自分を助けると言うなら、その人たちを殺して、とお願いするマコト。
兄はきっと仇を討ってほしいから自分と真島を再会させてくれたのだと。
真「お前の兄貴が、そんな男のわけないやろ」
マコトは真島が了承してくれないとわかると、ゆっくり歩いて去ろうとする。
『ねぇ、待って』
マ「ほっといて。もう1人で平気だから」
しかし、躓いて転倒するマコト。
真「マコト!」
駆け寄る真島に、それでもほっといてと話すマコト。
真島はどうしたらいいのか、と神頼みするかのように上を見た。
そして、蒼天堀で出会ったときのことを思い出す。
真「なぁ、たこ焼き、食い行かんか?
それ食った後で、まだほっとけ言うんやったら、俺はそこで消えたる」
マ「また、お腹がすいてるから落ち込むんだっていうの?」
真「あかんか?」
真島の優しさに、マコトは「いいよ」と返事をする。
マ「でも、食べたらもう私に構わないで」
真「その話は、食ってからにしろや」
3人でたこ焼きを食べに行くことにした。
マコトはもう見えているというが、名前と手を繋いで歩いている。
近くのたこ焼き屋さんまで行くと、行列ができていた。
マ「あ、そういえば私、さっき屋台を見かけた、かも」
マコトは広場にたこ焼き屋の屋台があったかもしれないと言ったため、そちらに向かうことにした。
劇場前広場に着くと、たこ焼き屋が見えた。
真「段差、気いつけや」
マコトが躓いたらいけないと思い声をかける真島。マコトが段差を避けると安心し、たこ焼きを注文する。
店員のおばちゃんが作っているのを見ていると、真島がふとマコトを見て何かに気づいたようだった。
カサ・・・
マ「?」
真島はマコトの頭についていた枯れ葉を取った。
店「優しいんだねぇ」
真「うるさいわ」
『(・・・カップルみたい)』
名前が微笑んで2人の様子を見る。
真島と離れた数日はやはり気を張って生活していた、2人を見てホッと息をついた名前だった。