第6話 尾田の真実
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ビルを出ると、渋澤組のメンバーに囲まれる。
桐生がマコトと名前を下がらせ臨戦態勢に入った。
桐「俺が守る・・・必ずだ」
マ「は、はい・・・」
「女渡せや桐生!どうせてめえはここで終わりだ!」
戦闘が始まると、マコトが男たちの死角に入るように奥に向かう名前。
桐生が一網打尽にし静かになると、名前はひょこっと柱の影から顔を出す。
桐「助かった」
桐生はそう言うと近くまで来てマコトの手をとり、再び歩きだした。
タクシーで少し進んだところにビジネスホテルがあり、3人で入れる部屋をとり中に入った。
しばらくして渋澤組も追ってこないことがわかると一息つく3人。
桐生はタバコに火をつけていた。
桐「何もしねぇから安心してくれ。目立たねぇところに泊まりたかっただけだ」
マ「わかってます」
『ん・・・』
名前は目を擦り、あくびをしている。
桐「疲れたよな、名前は寝てろ」
マコトの兄についての話など聞きたいことは山ほどあったが、眠気には逆らえずマコトが座っているベッドに潜り込んだ。
マコトは名前の身体にそっと触れる。トントンしたいのかな?と思い手を引いて背中に持っていった。
マコトは一定のリズムで背中を優しくトントンしてくれ、すぐに夢の世界に入っていった。
桐「妹みたいな、って言っていたがどういう関係なんだ?」
マ「・・・私を助けてくれた人と一緒にいたの。ホントにそれだけ。
可愛いよね、マコトお姉ちゃんって慕ってくれて」
桐「ああ」
マ「でもこんな怖いことに巻き込んじゃった、あの人とも離れ離れにさせちゃったし・・・」
桐「あんたも名前も俺が守ってやる、安心してくれ。落ち着いたら大阪まで送り届ける」
マ「ありがとう」
それから桐生とマコトは兄や家族の話をし、桐生に背中を押され兄に会うために神室町に行く決意をする。
翌朝、神室町にタクシーを乗り継いで行くことにした。
朝出発して、神室町に着く頃には夕方になっていた。
『ここが神室町・・・』
マ「相変わらずガヤガヤしてる・・・」
『昔ここに来たことあるの?』
マ「ちょっとだけね」
桐「神室町は堂島組がウロウロしてる、見つかりにくい場所に行くぞ」
そう言って桐生がつれてきたのは、公園だった。
ホームレスが段ボールや木などを使って寝泊まりしているような場所に向かう。
桐「おい・・・いるか?」
桐生が声をかけると、中から1人のホームレスが出てくる。ホームレスは桐生を見つけると嬉しそうに話しかける。
そして桐生の横にいるマコトと名前を見つけると、こんなところに女子どもをつれてくるのは・・・と苦い顔をされる。
桐「悪いが、他に行くとこがねぇ。また少しの間匿ってくれ」
ホームレスは戸惑いながらも了承してくれた。
桐生は立華に連絡がつかなくなったため、直接亜細亜街に行ってくると言う。
マコトと名前をホームレスに任せ、桐生は立華に会いに向かった。
『気を付けてね』
桐「ああ」
『(なんか、吾朗ちゃんと似た雰囲気だなぁ)』
桐生を見送って数時間後、段ボールハウスに帰ってきた。
『桐生さん、と・・・誰?』
マコトと名前はもう一人いることに気づくと不思議そうな顔をする。
マ「もしかして、お兄ちゃん!?」
「お兄ちゃんって・・・?」
桐「こいつは俺の幼馴染みの錦山、順を追って説明するから待ってくれ」
桐生は、段ボールハウスを出てからのことを話した。
立華に連絡がつかなかったのは体調が悪かったからで、立華がいた場所が堂島組に見つかり襲撃されたこと、ここに来ようと外に出た瞬間桐生が撃たれ立華が自ら堂島組に捕まりに行ったことを。
マ「兄が、堂島組にさらわれた?そんな・・・」
『桐生さんは大丈夫なの?』
桐生はとりあえず大丈夫だと話し、今は立華を取り戻すことが先決だと言う。
マ「何で?やっと会えると思ったのに・・・」
桐生は絶対に立華を連れ戻すと言うと、段ボールハウスを出ていこうとする。
マ「桐生さん、兄をお願いします。お願い、お願いだから・・・」
桐「わかった、すぐに会わせてやる・・・必ずな」
そう言うと錦山を連れて出ていった。
桐生が出ていって少しすると、錦山が焦った様子で段ボールハウスに来る。
『えっと、錦山さん・・・』
錦「マキムラさん!お兄さんを救助しました!すごい怪我をしてるから急いで行きましょう」
マ「え、は、はい!」
マコトは驚きつつも兄に会えると思い期待に満ちた顔をしていた。
錦山はマコトと名前を連れ、“カラの一坪”に向かった。
錦「桐生・・・!」
3人が“カラの一坪”に着くと、傷だらけの男、立華を抱えた桐生が待っていた。
『っ・・・』
桐生の顔を見て何かを察する名前は眉間にシワを寄せた。
マ「お兄ちゃん・・・?」
その声に桐生と錦山も辛そうに目を背け、何も答えられずにいた。
マ「お兄ちゃんは!?」
マコトは手を伸ばしながら兄を見つけるべく歩いていく。
桐生が抱えている立華に一瞬触れたとき、
マ「え・・・」
驚いたように手を引っ込め、再度立華の手に触れる。
動かない手、何も言わない桐生たちに全てを理解したマコト。
桐生が立華を下ろすと、兄の顔を手で確認するように撫で、泣き崩れた。
マ「そっか・・・疲れたね」
兄を抱き締めながら優しく声をかけるマコトに、名前は胸が苦しくなった。
マ「大変だったね・・・お兄ちゃん
ただいま・・・お兄ちゃん」
『・・・・』
名前はマコトの様子を見て涙が止まらなくなるが、涙の理由は同情して、というだけではなかった。
名前の頭の中は前世でのことを思い真っ黒に染まっていた。