第4話 素性
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その時、店の電話が鳴る。
李が出るが、真島への電話だったようで真島に受話器を渡す。
真「かわったで、真島や」
「ワシからのプレゼント・・・受け取ってもらえたか?」
不審な人物からの電話。
その人物は、マキムラマコトの死体を用意したのは自分だと話した。
真「お前何モンや、目的はなんや!?」
「取引したいんや・・・あんたと。
実は今な、あんたの店で飲ませてもろてんねん」
真「お前・・・グランドに?」
真島は電話を切ると、李と話し合う。
自分が公園に捨てた紙袋を拾って犯行に及んだのではないかと。
真「相手はグランドで俺を待っとる。
あんたはあの娘についててやれや。」
『私も行くよ』
真「危険なことしなや」
真島と名前はグランドに向かった。
グランドの前には、ヤクザたちが待ち受けていた。
「どうも、真島さん。
店ん中にうちの組長がお邪魔しとります」
真島と名前は中に通される。
中には店長がいて、真島は名前を事務所に連れていくよう話した。
『・・・怪我しないでよ』
真「ああ」
名前は店長に連れられ、事務所に入っていった。
『店長さん、今日お店なにかあった?』
店「ああ、ちょっとね」
歯切れの悪い店長。子どもの名前に言わないようにしているようだ。
店長はお菓子をテーブルに置いてソファに座るよう促した。そして「ちょっと待ってね」と言って端にある段ボールを漁る。
『それなに?』
店「店のみんなが名前ちゃんにっていろいろ持ってきてくれたんだよ」
中を覗くと、おもちゃ、色鉛筆、絵本などたくさんの物が入っていた。
『ふふっ、みんな優しいね』
あまり面識は無いが、みんな名前の為に、と言ってくれていることが嬉しくてはにかむ。
店長は何かあったら呼んで、と言ってホールへ出ていった。
名前がボーッと絵本を見ていると、
ガチャ、と誰かが入ってくる音がする。
『店長さん?・・・・・!!』
名前が扉の方を見るとそこにいたのは佐川だった。
佐「あれぇ?名前ちゃん、だっけ?
来てたんだ」
佐川は微笑んで名前を見てくるが、名前は鳥肌をたてていた。
『(目が、笑ってない・・・)』
佐「どう?真島ちゃんは」
佐川は名前の隣に座る。
名前は壁側の方に座っていたため逃げ場は無い。
『え?優しいよ!』
当たり障りのないことを5歳児らしく言う・・・
しかし
佐「違う違う、
“ちゃんとマキムラマコト殺しを成功させた後、どうしてる?”って聞いてるんだけど。
わかってるんでしょ?全部」
『・・・なんのこと?わかんないよ』
佐川をまっすぐ見ながら答える。
佐「誤魔化しても良いことないよ。
俺には真島ちゃんの未来を左右する力があるのは十分理解してるよね?
お前を人質にしてもっと辛ぁい目に合わせることもできるんだよ?」
名前を見下すように見る佐川。
もう自分がただの5歳児ではないとバレているかのようだ。
『・・・どうしたら良いの?』
佐「なに、取って食べようなんて思っちゃいないさ。
お前が何者か教えてくれれば良いよ」
『・・・ただ前世の記憶があるから色々知ってるだけ』
急に話し方が大人っぽくなり一瞬驚く佐川だったが、納得したように話す。
佐「なるほどね。
秘密はそれだけじゃないだろ?
極道見ても動じないし、ただ肝が据わってるってだけじゃないでしょ。
前にヤバイ仕事してたんじゃない?
それこそ極道だったとか」
『・・・・・殺し屋』
佐「へぇー。それはすごいねぇ。」
佐川は良いものを見つけたというような表情になる。
佐「俺の下で働く気はない?大人になってからの良い席も用意するよ」
『ない』
佐「・・・残念」
と、そこへ真島が事務所にやってくる。
佐川はいつもの雰囲気に戻る。
真「さ、佐川はん」
佐「よ、邪魔してるよ。
名前ちゃんとも遊んでた、な?」
『・・・うん』
佐川は、店の中が騒がしかったが何があったと真島に問う。
真島は気まずそうに目を逸らした。
佐「それより真島ちゃんよぉ・・・お前仕事終えたら電話しろっつったろ?」
真「仕事・・・?」
佐「マキムラマコトだ。殺ったんだろ?」
佐川は真島に、仕事が終わったあとに連絡してこなかったことにイラつきと不審感を持ったようだった。
真「うっかりしてたんや。これから連絡するとこやった」
佐川はその答えに納得していないように「うっかりねぇ」と言い、タバコの煙を吐いた。
佐「でも妙なんだよなあ。例の女の死体・・・俺ぁ、なんか腑に落ちねんだよ」
真「ちょう待ってください、名前に聞かせる話やない」
佐「え、そう?」
佐川は名前を見る。俯いて黙っている名前に真島は「どないした?」と聞く。
佐「別にいいんじゃない?だって殺し屋だった昔の記憶があるんでしょ?」
真「なんでそれを・・・!」
佐「名前ちゃんが教えてくれてね」
真島が名前を見ると悔しそうに下唇を噛んでいた。
真島はきっと脅されて吐かされたのだと悟った。
佐「じゃ、話もどすけどさ、なんでわざわざ死体の顔潰したの?
そのくせ死体にゃ女の働き先の服着せたままだ」
死体の身元を隠したいのか隠したくないのかよく分からないと話す佐川。
佐「妙だよな?な、名前ちゃん?」
話を振られて、名前は顔を背け壁の方を向く。
真「人、殺したんは初めてやったんや。自分でもよう覚えとらん。
それよりもう仕事は済んだんや。
これで東城会に戻れるっちゅう約束やったで。
嶋野の親父にナシつけてくれるんやろな?」
佐川は、その前にさっき店で暴れていた男と何で揉めたのか聞く。
店に来ていた西谷という男は、近江連合の鬼仁会の1人だと。
真島は西谷が良い酒を飲み慣れていないから酔って暴れただけだと話す。
佐「そっか。西谷のやりそうなことではあるか。
ただ・・・この前からお前の動きが妙でさ。
なぁんか、俺に隠してるんじゃねえかと思ってね」
真「何を隠しとるっちゅうんや?」
佐「そうだよな、お前が俺に隠し事なんかできるわけがねぇ。
もしそんなことすりゃ、どうなるか身に染みて分かってるはずだもんな」
佐川は名前の頭をポンポン叩きながら、嶋野に話しておくと言って出ていった。
佐川がいなくなると、名前は口を開いた。
『・・・・ごめん、言っちゃった』
真「仕方あらへん、佐川が来るなんて思わんかった」
『李さんのとこ行く?作戦会議しに』
真島は了承する。
店のことは店長に任せ、外に出た。
すると、真島に声をかけてくる男がいた。
「あ、支配人さん!待って、ちょうどよかったよ」
見ると、李が撃たれたときに治療した闇医者だった。
「李さん、どこにいる!?私李さんに急ぎの用ある!」
闇医者は、李に薬を届けたいと話す。もうすぐ痛み止の薬が切れるのに取りに来ないと。
真「落ち着けや。ちょうど李と話そう思うとったとこや」
『私たちが届けてあげるよ』
闇医者は痛み止が切れるとひどい痛みに襲われるから、急いで届けてくれと話すと、真島に薬を渡しそそくさと走り去って行った。
真島と名前は不思議に思いつつもオデッセイの倉庫に向かうことにした。
第4話 終