第4話 素性
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ガチャ
李「よぉ、早速見とるな」
そこへ李が帰ってくる。手にはレジ袋が下げられていた。
真「李、何なんやこの写真」
李「まぁ待てや。言われんでもこれからじっくり説明したる。
さ、飲めや」
李は目の見えないマコトに手渡しで飲み物を渡す。
マコトが受けとると、次は名前にも同じ飲み物を渡した。
李「名前も飲み」
『・・・』
名前が李を見ていると、真島にも飲み物を渡したあと、マコトが飲んでいるのをじっと見ていたことに気づいた。
名前はそっと自分のペットボトルに目を向けた。
蓋が一度開けられた形跡がある。
自分が子どもだから開けてもらったというわけではなさそうだ。
李「どうした、飲まへんのか?」
『え、あ、うん』
名前はどうしたものかと考える。
その間にも李はマコトと名前を交互に見ながら、真島と写真の女性について話をしていた。
『(ごめんなさい)
わぁっ!』
ボトッと手を滑らせる真似をし、ペットボトルを落とした。
李「な!」
真「大丈夫か?」
驚いた拍子に立ち上がったという名目でソファから離れる。
『ご、ごめんなさい!何かふくもの探してくる』
名前は走って倉庫の奥に行った。
雑巾を見つけて真島たちのところに戻ると、マコトはソファで寝ていた。
真島はその話を聞かされていなかったようで、寝てしまったマコトの心配をしていた。
『やっぱり、睡眠薬?』
李「!?」
真「名前!?」
李はバレていたことに、真島は名前の素性がバレてしまうような発言に驚いていた。
李「・・・なんなんや、お前」
李は疑うように名前を見る。
『・・・私、人生2週目だからいろいろわかるの』
李「は?」
『前世の記憶があるから、ただの5歳児じゃないの』
真「言ってええんか?」
李は信じられないというような表情をしていたが、真島の様子を見て事実だと思ったようで、「知ってたんか」と言って睨み付ける。
『寝ちゃったら、吾朗ちゃんに協力できなくなっちゃうと思って』
李「やけど、それにしてもや。
普通の人間は睡眠薬なんか入ってると思わん。
前は何の仕事してたんや」
思った以上に疑い深く勘の鋭い李にバツが悪そうな顔をする。
『・・・・・・・それは言いたくない』
李は真島を見る。
真「それは俺も聞いとらん」
真島も少し気になってはいた。
しかしタイミングがなく聞けずにいたのだ。今がチャンスだと
依然顔を背ける名前に、真島は穏やかに問う。
真「前の夢と関わりがあるんか?」
『え?』
名前は何のことだと真島を見る。
真「・・・魘されながら“もう殺したくない”って言っとったで。
で、起きたお前は“懐かしい夢を見てた”と言いよった」
さすがに寝言は制御できない。
下唇を噛み困ったような表情になった。
『・・・・・』
真「教えてくれんか、教えてくれたら今後の出方が変わるかもしれん」
『・・・・・殺し屋』
意を決し小さく話す名前に、目を見開く真島と李。
真「やから極道とか聞いても、喧嘩見ても動揺せんかったんか」
名前は頷く。
李「・・・後の話は2人でしてくれ。
じゃあ名前が聞いとってもええってことやな」
マコトに睡眠薬を飲ませたのは、これからの話を聞いてほしくなかったからだった。
李は真島もマコトも死なずに済む方法として、写真の女性を身代わりにすることを提案した。
写真の女性を殺害し、マコトの仕事着を着せると。
しかし、極道はそのくらいの小細工にはすぐ気づくと言って真島はその話に乗らなかった。
李は、計画に乗らないのであれば、生きて帰すわけにはいかないと拳を振り上げた。
真島もそれに応戦していく。
苦戦を強いられたが、真島が李を下した。
真島は名前の手を引いて外に出ていこうとする。
李「ま、待てや、真島・・・
このままやったら・・・いつかマコトんとこにお前以外の殺し屋が来る。
それより前に、お前も殺られるで」
真「それやったらそれでええ」
真島は李を振り返りながら答える。
真「俺が、向かってくるモン1人残らずぶっ殺したるわ。
一度黒に染まったモンはどこまでいっても黒や。
そっから抜けることはできん」
『・・・・・』
真「けどな、噛みつく相手選ぶことくらいはできる。
それが俺の流儀や」
そう言うと、真島は李から奪い取った写真を破る。
そして李が持ってきていたマコトの仕事着が入っている紙袋に破いた写真を入れ、拾い上げる。
真「行くで、名前」
『あ、うん・・・』
名前は李にペコッと頭を下げると、真島が差し伸べていた手を掴み歩き出した。