第39話 沖縄旅行
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泉「ただいまー」
遥「おかえり」
桐「おかえり」
『あ、遥ちゃんも帰ってきてたんだ、おかえり』
みんなでおかえりを言い合って笑い合うと、他にもぞろぞろ子どもたちがやってきた。
後から帰ってきた子たちだろう。
それぞれ自己紹介をしてくれた。
『さて、じゃあ1回宿題しちゃお。夕飯までに終わらせちゃえば後で楽だし。ご飯のあといっぱい遊ぼ』
「はーい」
子どもたちは素直に返事をし、それぞれの部屋で宿題を始めていた。
名前は、子どもたちがわからないことがあったら教えてあげていた。
遥「ありがとう名前お姉さん」
『いえいえー、遥ちゃんも自分の宿題あるもんね』
1時間ほどすると、夕飯の準備ができたようだ、桐生が全員を呼びに来た。
体育会系の男子は「やったぁ!!」と嬉しそうに教科書を閉じ、食堂へ走っていった。
『元気だなぁ』
笑いながら名前もついていく。
食堂のテーブルには既に名前が事前に作っていた食事が並んでいた。
みんなでいただきますをするとガツガツ食べ始めていた。
宏次「うまっ!」
理緒奈「名前お姉さんが作ったの!?すごい!」
桐「名前は弁当屋で働いてるからな」
遥「そのお弁当も美味しいんだよ」
『私は手伝ってるだけだって』
名前を目を輝かせて見ている女子たち。やはり料理ができるのはステータスに見えるのだろうか。
夕飯の後は、お風呂に入り、子どもたちとトランプをしたりテレビを見たりしてゆっくり過ごした。
『ふぅ・・・』
夜10時半、子どもたちが寝静まった後、桐生と名前はテーブルでお酒を飲んでいた。
桐「こんなに手伝ってもらって、何のために来てもらったかわからないな」
『とっても楽しいですよ。なんか懐かしい感じがしますし』
子どもたちと関わっていると昔のことを思い出す。
その頃に比べて、今はだいぶ気持ちが落ち着いているなぁと自分で思っていた。
『桐生さんは、ずっとここでアサガオを経営していくんですか?』
桐「ああ、そのつもりだ」
『そっか・・・』
桐生は名前の寂しそうな顔を疑問に思い、なぜそんなことを聞くのかと尋ねた。
『吾朗ちゃんが、最近元気がないんですよね』
前に冴島と話していた時のことを思い出す。
もしかしたら桐生が遠くに行ってしまったからなのかとも思った。あんなに桐生を追いかけて楽しんでいたのだ。それが無くなって更に寂しさを感じているのだろうか。
『もし、時間があったらまた神室町に顔出してあげてくださいね』
桐「ああ」
しばらく一緒に飲んでから就寝した。
ーーーーーー
翌日以降もアサガオの手伝いや子どもたちの世話の手伝いをして過ごした。
週末には、子どもたちと一緒に買い物に行ったり海で遊んだりして楽しんでいる。
そして遂に沖縄に滞在する最後の夜となった。
今日は豪勢に手巻き寿司をすることにした。
遥「ホントありがとう、名前お姉さん。
またいつでも来てね」
『うん、またお休み貰って来るね』
子どもたちともたくさん話したり遊んだりしているうちに関係が深まった。
色んな相談にも乗るようになっていた。
エリ「ねぇ、名前お姉ちゃん・・・」
エリがどこか寂しそうに話し始めた。
エリ「名前お姉ちゃんはさ、大きくなってからこういう施設で育って困ったことってある?」
『え?』
エリは昔から、養護施設で過ごしていることに劣等感を感じているようだ。友だちもお金がかかる遊びにあまり誘ってくれないと。
『あー・・・、まぁ、あるのはある・・・』
花枝を含め、施設の職員に心を開けなかったことで困った状況に陥ったこともあったが、それは特別な状況だ。
エリと桐生の関係性は良好な気がする。ちゃんと頼れる大人が周りにいれば大丈夫。
『でも、気の持ちようって言うのかな。ちゃんと真っ直ぐ生きてれば大丈夫だよ』
太一「姉ちゃんは曲がってたのか?」
『いや、そういうわけじゃないけど。桐生さんを大事にね、そうしたら困ってもきっと乗り越えられるよ』
誰か1人でも絶対的な味方がいれば、それだけで困難は乗り切れる。それが養護施設育ちに関することでもそれ以外でも。
エリ「おじさんを?わかった、ありがとう」