第39話 沖縄旅行
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1か月後
『じゃあ、明日からお休みいただきますね』
沖縄に行く前日、仕事を終えると花枝に挨拶をして帰る。今日までに来てくれた常連さんや真島組の人には、1週間休みをもらっていることを伝えた。
みんな休みを楽しんでと言ってくれた。
何かお土産を買ってあげようと思いながら家路についた。
翌日、朝早くの飛行機で沖縄に向かう。
桐生が空港まで迎えに来てくれ、車で“アサガオ”に向かうことになった。
『その施設には何人くらい子どもたちがいるんです?』
桐「遥の他に8人いる」
1人で経営するのにはちょうど良い人数かもしれない。
ゆったりと一人ひとりのペースで大きくなれそうだ。
桐「ここだ」
『わぁ、すぐ近くに海があるんですね』
車を降りてすぐ目に入ったのは海だった。綺麗なスカイブルーが広がって、朝の日差しがキラキラ光っている。
遥「あ!名前お姉さん!いらっしゃい!」
広い庭で洗濯物を干している遥が、名前を見つけると嬉しそうにパタパタ走ってきた。
制服姿で可愛らしい。
『遥ちゃんは中学生だよね。今日木曜だけど』
遥「うん、今日もこの後学校。他のみんなも学校行ってるんだ」
『そっか。じゃあ、私がいるうちはゆっくりしなよ、手伝うからさ』
洗濯物を半分受け取ると、ハンガーや洗濯バサミに付け始めた。
遥「ありがとう名前お姉さん、おじさんも、行ってきます!」
洗濯物を干し終えると、カバンを持って挨拶をし走って学校へ向かった。
桐「客なのにすまんな」
『別に良いですよ。泊めてくれると言ってくれたので、そのお礼です』
1週間、アサガオに泊まっていいということになっている。食事や電気代などがかかるだろうが、お金はいらないと言われた。
だからお金の代わりにたくさん手伝いをしようと思っていたのだ。
日中、子どもたちが学校に行っている間は、施設の掃除や買い出しなどを手伝った。
夕方には夕飯作りも。今日は豚の生姜焼きと春雨のサラダ、そしてみそ汁にした。
桐「助かる。そろそろ子どもたちが帰ってくる時間だから、帰ってきたら宿題見たり一緒に遊んだりしてくれ」
『はーい』
遥以外の子はみんなまだ小学生だ。
宿題もたくさんあるだろう。
そんな話をしているうちに、ドタドタ走ってくる音が聞こえそちらに目を向ける。
「ただいまー!」
「ただいま!おじさん、今日だよね、遥おねえちゃんが言ってた人が来るの!」
「あ!もういる!」
勢い良く居間に入って来た子どもたち。
桐生と話している名前を見つけると目を輝かせていた。
『ふふっ、はじめまして、苗字名前って言います。よろしくね』
やってきた3人の子は、太一、綾子、泉といった。
その中の一番小さい泉が、犬のマメの散歩に行くと言うので、散歩が終わったら宿題をしようという話をして一緒に行くことに。
綾子も一緒に行きたいとついてきた。
『みんな犬のお世話もして偉いね』
泉「マメも大事な家族だからね」
意気揚々と歩く泉。
アサガオの中で一番年下だという。自分の弟のように可愛がっているようだ。
『綾子ちゃんはしっかりしてるね』
綾子は遥の次にお姉さんらしい。
泉が危ない動きをするとすぐに声をかけていた。
綾「でも1回困ったことがあったんだ」
お姉さんだから、と年下の子のお世話をしていたという。しかし、頼った子たちはそれでうまくいかなかったことを綾子のせいにしたり、手伝ってもらうのを当たり前だと思ってしまったようだ。
綾「おじさんと遥お姉ちゃんがみんなと話してくれて、それでそれからはみんなと助け合うことになったんだ」
『そう。私もよく小さい子の手伝いしたなぁ・・・。わかるよ、可愛いんだよね、妹弟みたいで』
綾「名前さんもそうだったんだね」
『うん、しかも私はちょっと大人びた所あったからさ、年上のお兄さんたちの喧嘩の仲裁もしたよ』
思い出しながら、遠い目をしていたのか綾子は「大変そう」と苦笑いを浮かべていた。
その後は沖縄の話や東京の話などをして楽しみながら散歩をした。