第37話 弁当を作る理由
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『花屋さんっ・・・花屋さん・・・』
葛城が冴島らを連れ去った後、名前は倒れている花屋を起こそうとした。
花屋「うっ・・・」
花屋は名前に声をかけられ意識を取り戻した。
ホッとした名前は座ってひと息つく。
花屋「・・・冴島は、連れてかれちまったか」
『はい・・・ごめんなさい、役に立てなくて』
花屋「お前は一般人だ、何もできなくて当然だ」
銃さえあれば少しは役に立てたかもと言うと、花屋に「馬鹿野郎」と怒られた。
名前が手を汚す必要はないと。
その時、バタバタと走る音が聞こえ、勢い良くドアが開いた。
『桐生さん・・・』
そこにいたのは桐生だった。そしてその後から知らない2人が入ってくる。
「靖子さんは?」
イケメンお兄さんが辺りを見ながら話す。
靖子の知り合いなのだろうか。
花屋「連れて行かれちまったよ、葛城に」
谷「遅かったか・・・」
『・・・えっと・・・?』
名前が声を発するとワインレッドのスーツを着崩している男性が話しかけてくる。
秋「君は?」
『あ、私、桐生さんの知り合いの・・・苗字名前です。冴島さんとも最近知り合って・・・』
谷「君みたいな女性がなんでまた元極道と、脱獄囚と一緒にいるのさ」
秋「ちょっと待った待った、ここでこのまま話すのもなんだから、伊達さんのトコ戻らない?名前ちゃん、だっけ?もいいかな?」
また知った名前が出てくる。
伊達は今、ニューセレナのママの手伝いをしており、代理マスターになっているそうだ。
名前は了承し、一緒にニューセレナに行くことにした。
ニューセレナに向かう途中、お互いに自己紹介をしていた。
イケメンのお兄さんは、警察官の谷村正義。養父の死の真相を探るために動いているらしい。
ワインレッドのお兄さんは秋山駿。金融会社の社長らしい。靖子に惚れ、お金を貸したようだ。
ニューセレナ
秋「へぇ、真島さんに助けられて」
『吾朗ちゃんを知ってるんですか?』
秋山は、以前靖子を探している真島に会ったと言う。
冴島の代わりに守らなければと思っていたようだ。
『そっか・・・』
桐「だが真島の兄さんは逮捕されてしまった」
それも何か作為的なものを感じる。
谷村は、今回の件は極道、警察両方が絡んだ複雑で危険な事件だと話した。
伊「名前、身体は大丈夫か?落ち着いたらタクシー呼ぶから言えよ」
奥から伊達がエプロン姿で水を用意しながら出てきた。
名前はお礼を述べながら、いつでも帰れると話す。
伊達はすぐにタクシーを呼んでくれた。
タクシーもすぐ到着しそうだ。
桐「大通りまで送ってく」
『ありがとうございます。えっと、谷村さん、秋山さん、お気をつけて』
きっと今後も危険な橋を渡るのだろうと思い、そう伝えると、2人は人懐っこい笑みで相槌を打つ。
どこか可愛らしい2人だ。
桐生と一緒にニューセレナを出てタクシーが来る予定の大通りまで向かう。1人でも帰れるのだが、きっと断っても桐生や先ほどのお兄さんたちに怒られるだけだろうとわかっていた。
『桐生さん・・・吾朗ちゃん、戻ってくるでしょうか』
桐「全てが片付いたら戻って来るさ。兄さんは今回は何もしてない」
軽い暴力沙汰は起こしているかもしれないが、と言う。警察のお世話になることはしている、しかし今回の件は本当におかしな逮捕だった。
もしかしたら東城会の会長である堂島大吾が絡んでいるかもしれないと桐生は言う。
『桐生さん、これから戦いに行くんですよね。
桐生さんが負けちゃったら、きっと吾朗ちゃんも帰ってこれない・・・桐生さん、無理はしないでほしいけど・・・絶対勝って』
桐「ああ。俺も守れるもんは守りてぇからな」
『よろしくお願いします・・・吾朗ちゃんと、冴島さんを守ってあげてください』
そう言うと、ちょうどタクシーが来たため乗り込んだ。
タクシーに乗ってしばらく外を眺めていると、西田からメールが届いた。真島が逮捕されてしまったと。
名前はその時たまたま桐生と一緒ミレニアムタワーの前にいて、パトカーに乗せられる瞬間を見ていたと返信した。
桐生に託したから大丈夫だと添えて。
するとすぐに返信が来る。
“きっとすぐ帰ってくるから、美味しいお弁当を用意して待ってて”
クスッと笑ってしまった。
そうだ、今世で出来ることは、極道や警察の抗争に首を突っ込むことではない。
闘って帰ってきた大切な人たちのためにお弁当を作るのが仕事だ。
真島や桐生に冴島、谷村や秋山、その他正義のために闘ってくれた人たちのために精一杯お弁当を作って待っていよう。
あの人たちならきっと大丈夫。