第37話 弁当を作る理由
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
奥の賽の花屋のいる部屋まで通してもらうと、そこには花屋の他に冴島もいた。
冴島はどうして名前がここにいるのかと不思議そうな顔をしている。
『吾朗ちゃんが逮捕されちゃったんです。花屋さんなら何か知ってるかなって思って』
真島が逮捕されたという事実に驚き目を見開く冴島。
花屋は特に真島が目立った動きをしているわけではなかったと教えてくれた。
『そっか・・・じゃあ、やっぱり裏で何か行われてるんだね』
東城会、他の組織、様々なものが関わっているのだろうと理解した。
花屋「今回のはお前が首を突っ込むことじゃねぇ。帰んな」
これ以上ここにいても、花屋は何も情報をくれないだろう。名前は踵を返し、帰ろうとした。
その時
バンッ
「ぐっ、ボス・・・逃げて、下さい・・・」
花屋の部下であるホームレスの男がボロボロで入って来た。
『なっ・・・』
冴「名前、下がっとき」
名前は冴島の後ろに走る。するとホームレスの後ろから男たちが入って来た。
花屋「誰だ、お前ら・・・」
冴「お前・・・葛城、か?」
そこにいたのは、上野誠和会の葛城だった。
25年前に冴島が銃殺したうちの一人だったはずと、驚きを顕にしている。
葛「久しぶりだな、冴島。だが、話をするには邪魔者が多いな」
葛城がそう言うと、後ろの男たちが襲いかかってきた。
『冴島さんっ・・・』
冴「黙って下がっとれ」
葛「その女は?」
葛城の鋭い視線が名前に注がれる。
名前は蛇に睨まれている時のような気持ち悪さを感じた。
冴「こいつは関係あらへん。ただ花屋に用があってきただけの女や」
葛「そうか・・・だが、この場にいるということはもう無関係ではない」
『っ・・・』
その言葉に身構える。
こんなたくさんの男たちと戦う力は今の自分にはない。
冴「そいつには手ぇ出すんやない!」
葛「・・・・まぁ、良い。お前とお前の妹に用があるだけだ。代わりにお前が静かに拘束されてくれるのであれば手は出さないと約束しよう」
『だめ、冴島さんっ、連れてかれたら殺されちゃうかもしれないんでしょ?
っあ!!?』
ドッ、と冴島の拳が名前の腹部にめり込む。
意識を失うほどではなかったが、息が苦しくなり膝をついて動けなくなった。
冴「堪忍な、これは俺の問題なんや」
葛「賢明な判断だ」
葛城はそう言うと部下に冴島を拘束させる。
やりとりをしている間に、花屋も葛城の部下の暴行を受け倒れてしまっていた。
冴「葛城・・・何で生きとるんや」
葛「あの25年前の事件、お前は誰一人殺していない」
その言葉には冴島も名前も驚く。
1人で上野誠和会の人間を何丁もの拳銃で殺害したとニュースでも見たし、本人からも聞いた。
葛「俺なんだよ、18人殺したのは。お前は誰一人殺せなかった間抜けだ」
冴島は驚きで絶句しているようだ。
自分と真島が嵌められたのかと。
そこへバタンッと勢い良く長髪の女性が入ってくる。
葛「探す手間が省けた」
冴「靖子・・・」
靖「お兄ちゃん!」
入って来たのは冴島の妹、靖子だという。
脱獄した兄に会いたくて日本中を探し回って辿り着いたようだ。
靖「あなたは・・・」
靖子と葛城は知り合いだった。
葛城は自分が成り上がるために、靖子に収監された死刑囚である兄を助ける代わりに人を殺してほしいと頼んだのだ。そして靖子は兄のために言うことを聞いてしまった。
その殺害された人物は、25年前の事件の真相を知っている人間だった。靖子は口封じの道具に使われていたのだ。
『外道・・・』
極道はやはり真島や桐生のような人たちの方が珍しいのだと思い知らされる。
葛「さて、冴島靖子、お前も一緒に来てもらおうか。兄貴を目の前で殺されたくないだろう?」
靖子は、顔を強張らせながらも兄が大事なのだろう、頷いて葛城の方へ向かった。
葛城は満足そうにすると名前の方に向き直った。
葛「クククッ、女、これ以上首を突っ込まないことだな。今は見逃してやるが、2度目にお前を見たら命は無いと思え」
そう言うと葛城は冴島と靖子を連れて賽の河原を出ていった。