第34話 銃
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ーーー
西田「名前ちゃん、はい、温かいお茶」
『・・・ありがとうございます』
真島組の事務所内。
来客用のふかふかのソファに名前は座っていた。
真島は今、今日の出来事を東城会本部に電話していた。
その間、西田は温かいお茶を用意したり毛布を用意したりと、名前が落ち着くように気遣ってくれた。
『花枝さんは?』
放心状態で気づかなかったのだろう。やっと周りの状況を把握しようと西田に声をかけていた。
他の車で帰った、今頃家に着いた頃だと伝えるとホッとした様子だった。
西田「救急箱持ってきたよ、ちょっと傷見せて」
『ふふっ、お母さんみたい』
傷口に絆創膏や湿布を貼ってくれる西田。面倒見の良いお兄ちゃんと言ってほしいと言われた。
西田に治療されているうちに真島が戻って来る。
西田と笑みを浮かべながら話している名前に安堵した。
西田「あ、親父。壺井組の件は・・・」
真「今はよしとき。名前、気分はどうや」
西田が電話の内容を聞こうとしたが、それは遮られ名前に話を聞いた。
ドカッと名前の対面のソファに座る真島。
『もう大分落ち着いたよ。ゴメンね、迷惑かけて』
真「迷惑なんかかけとらん。むしろ巻き込んだのはこっちの方や」
事務所には他の組員たちもいるが、組員たちは会話に混ざること無く様子を見ていた。
余計なことを言って真島に殴られるのも嫌だが、それ以上に地雷を踏んで名前の心が壊れてしまうのを避けたかった。
そのため、今は真島に任せておこうと思っていた。
『吾朗ちゃんは怪我無い?』
真「・・・・ホンマお前は他人のことばっかりやな。お前よりボロボロの奴は組の中にはおらん」
『あはは、強いんだね』
真島は、名前が笑っていても少し雰囲気がいつもと違うことに気づいていた。
真「・・・拳銃、まだ使えたんやな」
『!?・・・うん、一か八かだったけど』
拳銃の話をした瞬間、肩を震わせたためマズイかとも思ったが、名前が話をしてくれたため話を続けることにした。
真「車ん中でも言ったが、助かったわ」
『・・・・人を、アレで救ったの、初めて』
名前は自分の震える手を見つめながら話す。
真「ちょっとはトラウマ克服できたんちゃうか?」
『・・・・ちょっと、ね』
微笑みながら話す名前。
それでも前進したことが嬉しかった。
真「今日はこれからどないする?もう終電も無いやろ」
時計を見ると、もう深夜の2時になるところだった。
『・・・ちょっと、1人は怖いかも』
今日はいろいろありすぎた。
今は真島もいるから落ち着いていられるだけなのかもしれない、1人になった時に不安や恐怖が押し寄せて来たらと思ってしまった。
しかし、真島は頼られたことが嬉しかったようで元気に踊りながら話を進めていった。
真「オッケーや!じゃあ真島組の事務所使い。俺も西田もずっとおるし」
西田「俺もっすか!?」
真「何や、文句あるんか?」
西田「い、いえ!」
『ふふっ』
名前が笑ったことに喜ぶ2人。
西田も何か着替えが無いか探してくると言って嬉しそうに出ていった。
他の組員も、帰って良いとは言われたものの、名前の様子が気になって残っていた。
『何から何までごめんね』
真「気にせんでええ。みーんなお前のために動いとんのや。お前が安心して過ごせるようにのう」
もはや真島組は一般人よりも優しい集団なのではないかと思い始めてきた。
ただガラが悪いだけ。
真「このソファ使うてええからな。
そういや、弁当屋少し休む言うてたから、明日はゆっくりせえよ」
花枝から、数日間弁当屋は休もうという話が出ていた。
真島もそれには賛成だ。壺井組の報復があるとは思えないが、2人の心身が落ち着くまでは休んだほうが良いと思っていた。
むしろ、今日の出来事のせいで神室町が怖くなり店を閉めてしまうのではないかと心配している。
『明日花枝さんに連絡入れてみる』
西田が持ってきてくれたTシャツに着替えてソファに横になった。
真「手ぇ握ろか?」
『ふふっ、大丈夫』
真島は名前の返事を聞くと、まだ仕事があるのか、事務所の半分だけ電気を消し、自分は明かりの点いている方へ向かって行った。
『・・・・・』
ふぅー、と息を吐くとすぐに襲ってくる睡魔。
今日は疲れた。
睡魔に逆らわず、静かに目を瞑った。
ーーー
5日後、弁当屋“晴れ屋”は通常営業を開始しようとしていた。
『おはようございます』
花枝「おはよう、今日からまたよろしくね」
花枝は事件前と同じ様子だった。
大丈夫なのか聞くと、家にいるほうが落ち着かない、はやく仕事がしたかったと話す。
名前にも休みが必要かと思って長めに休みをとったという。
『強いですね、花枝さん』
花枝「まぁ、神室町にいたらそうなるわ」
『そうかもですね』
笑いながら弁当の準備を始める。
久しぶりの開店なので食材も限られていて弁当の数は少なめの予定だ。
しかし、
『え、花枝さん、お客さん並んでますよ』
開店の時間が近づいてきたので店頭の準備も始めていると、常連客が既に並び始めていた。
「なんで休んでたの?寂しかったよー」
『あー、色々ありまして』
並んでいる客と話しながら準備を始めた。
今日は限定30食のみになり、開店して1時間で売り切れてしまった。
その後明日のために買い出しに行ったり掃除をしたりして過ごした。
その時
「もう売り切れか?」
「残念っすね」
聞いたことのある声が響き、そちらを見ると
『千葉さんと、山口さん!』
壺井組の2人がいた。
壺井組は解体することになったようで、自由に過ごすことにしたと話す。
千葉「真島組にお世話になろうかとも思ったけど、俺は極道から足を洗おうと思う。実家の文房具屋でも継ごうかな」
山口「俺も何かのんびりやりたいこと探すよ」
花枝「そう。まぁ、神室町にまた来たときにはお弁当買っていってちょうだいね」
まだまだ弁当屋は続けるつもりだからと話す花枝に、2人は「逞しい・・・」と感想を述べ笑っていた。
『お元気で』
千葉「ああ。真島さんにもよろしく言っといて」
『はい』
名前が返事をすると満足そうにして歩いていった。