第5話 イジメの実態
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歩きながらさっきの場所から離れていくと丁度2階の体育館近くに着いた。
体育館に入ると杉浦と九十九がすでに到着していた。
『ふぅ・・・ごめん、手間取っちゃった』
名前が入っていくと杉浦が駆け寄ってきた。
杉「大丈夫だった?」
『うん、大丈夫だよ』
九「おふたりとも、念のため上に行きましょう」
体育館のギャラリーに着くと鞄に入れていたパソコンを開く。
九「・・・19、20・・・全機設置できましたね」
『うん、ちゃんと映像も撮れてる』
そこへ八神と海藤が入ってきた。
杉「お疲れさま。カメラは全機正常に作動中」
九十九は、八神たちが仕掛けた教室に注目する。何か理由があるのかと。
八「昨日俺らが街で“指導”した連中がいたんだ。要注意の問題児だと思ってさ」
『ああ、あの子たちね・・・』
お昼休みの時間、体育館にも生徒が来るかもしれないと屋上に移動する。
八神、海藤が一服している間、九十九と杉浦、名前はパソコンとにらめっこしている。
『うわ、これ・・・』
杉「おっとぉ・・・
マジかぁ、もう見つけちゃったよ・・・」
その声に八神と海藤もパソコンを見る。
八神たちがカメラを仕掛けた教室で、女子生徒が席に着いたまま数人に囲まれ俯いていた。
杉「うわ、何か手に落書きしてるよ・・・油性マジック?」
海藤はいじめている生徒を殴りに行こうと言うが、ちょうどイジメっこグループが満足して出ていくところだった。
それでも現場を見ておきたいと八神と海藤は2年2組の教室に向かった。
九「では、我々は理事長室へ向かいましょう」
九十九は依頼人である理事長に報告しなければと話す。
残念ながらイジメはあった、と。
理事長室に着き、理事長に2年2組の映像を見せながらイジメの事実を突きつける。
奥「そうですか・・・じゃあ担任の先生とも話した方が良いですね。今呼びます」
理事長が内線で2年2組の担任を呼ぶ。
担任の澤陽子先生が入ってくると、不思議そうな顔で見てくる。
奥「こちらは澤先生、例のクラスの担任です。
で、こちらの方たちは私が雇った探偵の方たちです」
理事長がそれぞれ紹介し、みんなで会釈をする。
澤先生が座って落ち着いたところで、探偵が呼ばれた事情を説明する。
そこへ八神と海藤が戻ってきた。
澤先生とも映像を見ながらイジメの様子を確認した。
イジメられているのは香田真美さん、
イジメているのは香田と同じバスケ部だということも判明。
杉「その仲間内でいざこざがあったのかな」
『先生もイジメに気づいていたんですか?』
澤「香田さんの元気がないことは、もちろん」
イジメている生徒たちに何か処罰を、と思うが隠し撮りした映像を証拠にするわけにいかない。
そして加害者もまだ子ども、将来があると理事長は言う。
澤「すぐに手を打たないと!香田さんがどれだけ追い詰められているか誰にもわかりません。それこそ・・・今日自殺する可能性だってあるかもしれない」
八「(熱心な先生みたいだな、少し感情的になりすぎてるようだけど・・・)」
九「理事長、イジメは被害者と加害者を物理的に遠ざけない限り、当事者だけでは解決しないそうです。第三者が入っていかないと」
しかし九十九の知識を理事長は今までの経験で否定して答える。
八「要はおおっぴらにしないでイジメをなくせばいいんだろ?あのクラスん中で解決させるんだ」
今まで冷静にお互いの意見を聞き、対策を考えていた八神が話す。
杉「何か勝算があって言ってるの?八神さんは」
映像を再度確認しながらクラスで解決させる方法を探る。
『周りの子たちは?』
イジメの周りで傍観している生徒を指差す名前。
庇いたくても、下手に庇ったら次は自分が標的になる、そのため傍観者にならざるを得ない。
八「そう、無関心や気づかないフリ、それが一番安全だからね。けど本当は見てて気分が悪いはずなんです」
それをはっきり口に出せば、いじめている連中に気づかせることが出来る。
クラスの中で自分たちこそが和を乱す“裏切り者”だと。
すると次は彼らが“群れの制裁”を受ける身になる。
制裁を受けてまでイジメを続けないのではないかと。
九十九の教えてくれた知識と織り混ぜながら説得する。
言い分はわかるが、具体的に何をしたら良いか分からずみんな混乱する。
『誰かが第一声をあげる、とか?』
八神のやりたいことがわかった名前は呟く。
杉「どういうこと?」
杉浦は八神と名前を交互に見る。
八神は急ぎで小型スピーカーを九十九に手配してもらうよう伝えた。
放課後までには手配できるとのことで、それまで一度解散になる。
澤「探偵さんたちが何する気か知りませんけど・・・いいですか、理事長」
澤先生は、真剣な顔でこのままイジメを見過ごせないことを理事長に伝え、理事長室を出ていった。
『(いい先生だな・・・)』
名前はそんな澤先生を目で追っていた。