第29話 敵とは
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誠稜高校近く、建設現場
八「これか、九十九が言ってた建設中のビル」
『とりあえず入ってみよっか』
2人は中に入り、敵を誘き出すのに良さそうな場所を探す。
九《こちら九十九です。八神氏、そちらの姿を確認しました》
八「ああ、俺もこっから近づいてくる奴らを確認できそうだ」
『上から反対側見てくるよ』
八「頼んだ」
名前は軽々と足場を渡り一番上の足場に着いた。
足場の隙間から八神と目が合う。オッケーのサインを出すと八神はスマホを一つ取り出し、桑名に電話をかけた。
少し桑名と話したあと、もう一つのスマホを操作しテープでドローンと繋がっている紐と固定する。
それが終わると今度は八神から名前にオッケーサインが出される。一つ頷くと周りの警戒に集中した。
しばらくすると、遠くの方から車が2台並んで物凄いスピードで走っているのが見えた。
『八神さん、怪しい車2台が猛スピードで近づいてる』
八《わかった。
・・・アタリみたいだな、目の前で停まった。
楠本玲子の電話は盗聴されてる》
名前は上から降り、八神の隣に立って下を見る。
『車から降りてくるよ、1、2・・・6人だね。見た目的にRKかな。
どうする?』
八「とりあえず隠れて様子を見よう」
八神と名前は近くの物陰に隠れ、やってくる人物たちの様子を見ることにした。
やがて男たちが上の階までやってくる。
すると九十九がわざと男たちに見えるようにドローンを飛ばす。
「あ・・・おい、見ろよ!ドローンだ!」
「スマホぶら下げてんぞ!撃てよ、撃っちまえ!」
『銃持ってるみたいだね』
八「ああ。」
『でもなんかぎこちないね』
八「スマホを撃とうとするってだいぶ無謀だな。経験は浅そうだ」
男たちが小さいスマホ、しかもドローンで動いている所を銃で撃とうとしている様子を見て小声で話す八神と名前。
「俺らあのドローンを追わされてたのか?
桑名ってやつはどこにいんだよ!?」
「知らねぇって。こんな急に連絡されて急いで捕まえろって言われてもよ、できるわけがねぇ!」
男たちは桑名がいないとわかると引き上げようとする。
『この状態で引き上げるってどういう神経?
普通ドローンとスマホの件なんとかしない?
どう考えても罠ってわかるでしょ』
八「普通はな。そこまで深く考えるような人員を割いてる時間がなかったとかか?」
銃を持っていた一人は、銃を撃てた高揚感からか他の男が去っても外に向け銃を構えて撃つ真似をしていた。
八「今だな、行こう」
『うん』
八神と名前は銃を持つ男に近づく。
八「6人のチンピラに銃は1丁か」
「あ・・・?ぐぇっ!?」
八神は銃を持っていた男の腕をひねり、投げ飛ばした。
帰ろうとしていた男たちもそれに気づき、八神と名前に向かって怒鳴る。
「な、なんだてめぇらは!」
『桑名さんだけでも返り討ちにできたかもね。
こんな罠なんか張らなくても』
八「だな」
八神は銃を川側に捨て、誰の指示できたのか問う。
臨戦態勢を取りながら。
「桑名を知ってるみてぇだな?
これなら手ぶらで帰らずに済みそうじゃねぇか
よっしゃ、ぜってー逃がすなよお前ら!
ぶちかませ!」
『また八神さん知らない下っ端だよ・・・』
想定通り、喧嘩も弱いチンピラの寄せ集めだったようだ。
名前の蹴り一発でも吹き飛んでいった。
八神も凄い勢いで敵を倒していく。
戦闘が終わると、この中ではリーダー的な男に八神が声をかけた。
八「誰の命令でここに来た?」
「そ、それは・・・RKの、上から・・・」
『相馬?』
「そんな上じゃねぇよ・・・何人もいるマネージャーのひとりだ」
八「そいつは桑名を見つけたらどうしろって?」
「捕まえとけって言われただけだよ。
ただ・・・絶対に殺すなとは言われた」
八神はなにも知らない末端の男にため息をつく。
そして、RKが公安と繋がっていること、早く抜けた方がいいことを伝えた。
なにも知らされずに捨て駒として使われ、取り返しのつかない泥沼にはまるだけだと。
男たちを通りすぎ、九十九たちのところへ戻る八神と名前だった。
第29話 終
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