第29話 敵とは
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佑天飯店
なぜか鉄爪が料理を厨房から運んでくる。
鉄「よぉ食えよ、ふたりとも。料理冷めちまうだろが
これ作ってくれてんのウチの上の人なんだよ。
なぁ、残したらマズいんだって」
後半は小声で話す鉄爪。本当に残したらマズいことが伺える。
杉「大丈夫、おいしいおいしい」
『八神さんたちが食べないなら食べちゃうよ?あ、私ごま団子食べたい』
杉浦と名前がたくさん食べてくれ、少し安堵する鉄爪。
鉄「ん!うまい!やっぱうまいなぁ!マジうまい!」
『・・・露骨なのもどうかと思うけど』
3人が食べている中、八神と桑名は同じテーブルについてはいるが背を向けて座っている状況。
そんな2人が話し始めた。
八「・・・楠本玲子は公安に狙われてる側の人間だったってことか」
桑「ああ。その公安の指図で警察の一部もRKも俺を捕まえて楠本さんの弱みを握ろうとしてる可能性はある」
『・・・話しにくくないの?てか聞こえてるんだ』
いつまでも意地を張り合っている2人に呆れる名前。
桑「ただしそれは本当に公安が動いてるとしたらだ。その情報を持ってきたのはお前だろ、刑事がそう言ってたって」
八神は、刑事ひとりの口から聞いたことだが、警察の捜査になにか圧力がかかっていることには違いないと話す。
桑「公安っつったら、日本最強の情報機関だぜ?
・・・そんなのに追われたんじゃ逃げ切れやしない」
八「俺もそう思う」
鉄「そうだ、よし。やっと話がそこにたどり着いたか」
一同「?」
急に間に入る鉄爪に全員頭に?を浮かべる。
鉄爪は八神と桑名がいがみ合っても公安が得するだけ、黒幕の思うつぼだと話す。
鉄「だがもしあんたらが・・・手を組んだらどうだ?
お互いに見えないところをカバーしあって、RKより、そして公安よりも先に動き、その奥にいる黒幕を暴くことができるかもしれねぇ」
杉「なるほどね。敵同士が手を組むには、もっと大きい敵がいれば良いわけか」
鉄爪の意見に納得したのか、背中を向けていた八神と桑名は向き合う。
桑「わかった、俺はいいぜ」
八「組むのは今だけだ。公安の方が片付いたら、あんたのやってきたことも見過ごす気はねえからな」
『・・・』
名前は八神の発言にホッとする。
このまま桑名と完全に仲間になってしまったら、桑名のしたことを無かったことにしたらどうしようと思っていたのだ。
杉「OK!じゃ何から始める?
ふっ、もうこの勢いで公安に乗り込んじゃうとか?」
八「いや、まずは本当に敵が公安なのか見極めるところからだろ?」
本当に公安が楠本の弱みを握ろうとしているなら、彼女のすぐそばで聞き耳を立てているはずだと桑名は言う。
桑「盗聴、監視はやつらのお家芸だからな。
・・・そうだ、まずはそれを確かめてみるか」
八「どうやって?」
桑「彼女に直接電話して、だ」
桑名はスマホを出してアピールする。
敵は逆探知してこちらの場所を突き止めてくるかもしれない。
日本でそんなことができるのは公安くらい。敵が誰だかそれではっきりできると話す。
鉄「お前が楠本玲子に電話かけたとたん、敵がどっと踏み込んでくんのか?
絶対ここでやんじゃねえぞ」
『そういえば上の人のお店って言ってたね』
八「・・・桑名、あんたが最後に楠本玲子と話したのはいつだ?」
桑「5年前・・・川井を殺した晩が最後だ。お互いにそれから連絡しないようにしてる」
八「番号は知ってるんだな?」
桑「昔と変わってなければな」
八神は、こっちの位置情報を誤魔化しながら楠本玲子に電話をして罠を張ると言う。
足のつかないスマホを2台用意し、お互いの声を中継して電話する。もちろん桑名がいないところで。
そしてその2台のスマホの場所に送り込まれてくる連中を覗き見できれば敵がわかる。
杉「えっと・・・どういうこと?」
『文也くんスマホ貸して』
杉「え?はい」
杉浦は名前にスマホを渡す。名前は片手に杉浦のスマホ、もう片方の手に自分のスマホを持っている。
『まず前提として、桑名さんは直接楠本さんには電話しない。危ないからね。
だから、文也くんのスマホで楠本さんに電話するでしょ?そして私のスマホで桑名さんに電話する。
そしてこうする』
パタン、とそれぞれのスマホの受話口と送話口が重なるように画面を合わせる。
『そしたら楠本さんと桑名さんは通話できる』
杉「うん」
『相手が公安なら、楠本さんの電話相手が桑名さんだとわかったら逆探知するはず。このスマホを。』
名前は杉浦のスマホを指差す。
杉「うん」
『例えばだけど、誰も来ないような寂れた場所でこの2つのスマホを通話させた時、スマホに近づく人がいたら誰?』
杉「逆探知した人かその仲間だ」
『そう。しかも、敵が来たってことは逆探知されたってこと。さっき桑名さんが言ったこと覚えてる?』
杉「日本で逆探知できるのは公安くらい
・・・そういうことね」
桑「そういうことだ杉浦くん。名前ちゃんも完璧だ」
『・・・・・』
笑いながら誉めてくる喰えない桑名に複雑な心境の名前。
八神は足のつかないスマホ2台は九十九に用意して貰うと話し、今は一時休戦、みんなでテーブルを囲み食事をとることになった。
食事を終えると、八神、杉浦、名前は桑名たちと別れ店を出た。
そこへ杉浦に九十九から連絡が入る。
杉「八神さん、九十九くんがもう電話用意してくれたって。
足のつかない“トバシ”のスマホ2台」
八「さすが九十九課、仕事が速い」
杉浦は誇らしげに八神を見ていた。
そして3人で九十九課に向かう。