第28話 正義とは
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横浜流氓のアジトまで向かう八神、杉浦、名前。
アジトの近くまで行くと、横浜流氓のメンバーらしき人が声をかけてきた。
「八神の兄貴で?
鉄爪さんからご案内するようにいわれてます」
杉「八神の兄貴だって、ハハ・・・」
『こういう人たちは同志だと思ったら兄弟にしたがるんだよ』
笑う杉浦を八神はスルーし、横浜流氓の男と話をする。
奥に通される八神たち。
周りを見ながら階段を降りていくと八神が鉄爪を見つけ、まっすぐ向かっていく。
鉄「よぉ兄弟、歓迎するぜ」
椅子に座っていた鉄爪もそれに気づき、八神に声をかけた。格好良さげなポーズと共に。
八「鉄爪の兄貴って呼べばいいんだっけ?」
鉄「ククッ・・・まぁ座れよ。そっちのアンちゃんと嬢ちゃんも」
杉「お邪魔します」
『失礼します』
八神、杉浦、名前はそれぞれ丸テーブルを囲うように置かれていた椅子に座った。
そして八神は目の前に座る人物に話しかける。
八「あんたのことはなんて呼んだらいいんだ?
桑名か?それとも喜多方先生?」
鉄爪と名前の間、八神の目の前には桑名が座っていた。
桑「喜多方は社会的に抹殺された名前だよ。
異人町じゃ“愉快な便利屋・桑名さん”で通ってる」
八「警察じゃ“殺人犯の喜多方”だ。
澤先生を殺害して逃走中、少なくとも県警の刑事たちは上からそう吹き込まれてる
あんたの何がそうさせるんだろうな?」
桑名を睨みながら話す八神に、鉄爪はリラックスしろと宥める。
しかし、横浜流氓が最初から桑名に雇われていたのであれば、鉄爪は桑名を知っていたはず。
横浜九十九課が襲撃された時は知らないフリをしていたのかと不信感を抱いていた。
桑「言わなかったか?横浜流氓には匿名で仕事を依頼できる。鉄爪は雇い主が俺だって知らずにいたんだよ。
もう今は隠し事ないけどな」
鉄「そういうわけだ。気ぃ悪くするなよ兄弟」
八神はそれでも桑名と鉄爪を疑う。本当に隠し事無しなのかと。
鉄「こちらはイジメ加害者を殺し回ってる元高校教師。
それ以上の秘密がねえなら全部聞いたと思うがどうだい?」
『・・・・』
八神と名前は目を合わせて頷き合う。
八「・・・ずるいな。
俺はそいつを突き止めるまでにずいぶん苦労したんだけど」
桑「おかげでこっちもなりふり構ってらんねんだよ。
大事な教え子たちもお前に首根っこおさえられてもう動きがとれない」
『大事な・・・ね』
杉「それって黒河学園の卒業生たちだよね?
間宮さんとか」
桑名は、八神たちが真相を知ったことを理解し、腹を探り合う必要はないだろうと話す。
自分たちに秘密はないんだからと。
少しの間八神と桑名は睨み合うが、八神が一服すると言ったことで少しだけ雰囲気が軽くなった。
八神がタバコを吸い始めると、桑名が話し始める。
桑「お前らさっきはコミジュルにいたんだろ?で、そこでRKの連中が俺を探し回ってた。
警察に手引きされてだ」
『誰に狙われてるか分かりました?』
桑「いや、お手上げだ。ますますわかんなくなったよ。俺を狙ってんのは誰だ?」
八神は心当たりはないのか聞くが、桑名は八神の方こそ何か掴んでいるのではないかと眉間にシワを寄せながら答える。
『結局探り合いしてるし』
八「・・・まだはっきりした確証はないけど、あんたを追ってる連中の正体はわかったかもしれない」
桑「へぇ・・・それは?」
八「警察の公安・・・神奈川県警の刑事が言ってた」
渡辺刑事から聞いた話を桑名に伝える八神。
鉄爪はそれに疑問をもった。公安が桑名を追う理由は何だと。
八「公安はたぶん、厚生労働省の事務次官・楠本玲子の意思で動いてる」
桑名が川井信也に復讐する時、楠本玲子にそのことを事前に持ちかけた。
そして楠本玲子はそれを了承してしまった。
桑名が警察に捕まり、それが明るみに出たら事務次官である楠本玲子にも多大な影響がある。
桑「だから口を塞ぎたいってことか?公安を使って」
ただ、公安もおおっぴらに人員を動かすわけにいかずRKに桑名を追わせているのではないかと話した。
桑名は立ち上がり、一応スジは通っているがおかしな点があると告げた。
楠本玲子は間宮たちが桑名の協力者であることを知っているが、間宮たちに公安の手が伸びていない、と。
『そっか。楠本さんが黒幕なら間宮さんたちを使って桑名さんを誘き出すこともできるし、なんなら間宮さんたちだって口封じしたはず・・・』
桑「そうだ。つまり、公安に指示を出しているのは楠本さんではないってことだ」
八「なるほど・・・そうかもな」
じゃあ誰だ?と少しの沈黙の後、杉浦が発言する。
杉「ねぇ・・・ちょっと話それるけど、5年前に川井信也を殺したとき、楠本さんってどうしてたの?」
桑「その場にいたよ・・・俺と一緒に。
彼女はその日からめったにとらない有給を連続で3日とったんだ」
杉「え・・・?」
桑「川井信也を実際にその手で殺したのは・・・楠本さんだ。
彼女自身の手で、川井の胸にナイフを突き刺していった。
ゆっくり時間をかけて、なるべく苦しんで死ぬように」
名前は眉間のシワを深くし唇を噛み締めた。
桑名はそんな名前を一瞥するも話を続ける。