第24話 プロフェッサーの正体
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杉《え?新・京浜同盟にわざと捕まる?》
『うん。今八神さんと追ってる事件でさ、気になる女の子がいるんだ。助けてあげたい。
八神さんにも了承得てるし』
杉《だからって、危なくない?》
『承知の上だよ。だから文也くんにこうやって言ってるんじゃん』
杉浦は、止めたいのをグッとこらえ話を聞いていく。
杉《僕は何したらいい?》
『八神さんのフォローをお願い。敵のアジトに着いた後の。その女の子と一緒にいられるように交渉する予定だけどどうなるかわからないから。
さすがに2人バラバラにされたら八神さんでも手こずると思うし』
杉《わかった。その辺は八神さんと相談するよ、とりあえずいつでも合流できるよう準備しとく》
『ありがと』
バン!
電話を切った途端、ミス研の部室から糸倉が飛び出してきた。そして部室の扉に鍵をかけ、走り去っていく。
名前は、八神なら扉の鍵くらいどうにでもなるだろうと糸倉を優先させ、走り出した。
持ち前の運動神経で難なく糸倉を見つけると後を追った。桜川沿いに着き、糸倉が新・京浜同盟と話しているのを見ると、八神に「ビンゴ。作戦開始、桜川沿いに糸倉さんいる」とメッセージを送り、糸倉と新・京浜同盟に接触する。
『糸倉さん!・・・新・京浜同盟の、虎牙?』
名前は、糸倉の隣に駆け寄った後、虎牙を見て驚いたような演技をする。
虎「ん?あなたは・・・八神探偵事務所の苗字さんじゃないですか。
ちょうど良かった。あなたもプロフェッサーと一緒に私たちの元へ来ましょう。
あなたの瞬間記憶能力も手に入れられれば百人力です」
糸倉「・・・!?」
糸倉は名前と虎牙のやりとりに困惑していた。困惑しているうち
『(しめた・・・)は?何言ってんの、行くわけないでしょ』
か弱そうにジリジリ後退りすると案の定男たちに囲まれる。
そして後ろにいる男に腕を捕まれた。
『や、離してっ』
我ながらか弱い女性の演技が上手いなと思いつつも、糸倉が心配そうな顔でこちらを見ていたので心が傷んだ。
虎「騒がれたら面倒です。先に事務所に帰ってください」
部下に声をかけると、腕をグイッと引っ張り近くに止めてあった車に名前を押し込んだ。
幸いにも通行人はおらず、誰にも見られていない状況だった。
新・京浜同盟の事務所に着くと、ある一室に入れられた。
「ここで待ってろ。虎牙さんが来たらお前の処遇を決める」
『・・・プロフェッサーと同じ部屋が良い』
少し怯えている感じを出し、1人は怖いし男たちの間にいたら集中して能力を発揮することも難しいと話す。
新・京浜同盟に最近入ったような人たちは、名前の能力について殆どわかっておらず、か弱そうな女性が何かをするとも考えられなかったため、了承しプロフェッサーが使っている部屋に移動する。
パソコンがあり、糸倉が使っているだろう部屋へ通されると、扉を閉められ鍵をかけられる。
『ふぅ・・・とりあえずは作戦通りかな。』
名前は溜め息を吐き、糸倉が来るのを待つ。
しばらくすると糸倉が虎牙と一緒に入ってきた。
部下たちと先に話したのか、名前がいることに驚きもせずに話し出す。
虎「苗字さんもここが良いとゴネたようですね」
『ここじゃないと仕事しないから』
虎「・・・まぁ良いでしょう。
プロフェッサー、苗字さんが何か仕出かそうとしたら即刻私に連絡するように」
糸「・・・わかった」
そう言って虎牙は部屋を出ていった。
『・・・参謀みたいな顔して、相変わらず詰めが甘いね』
糸「え?」
『やっほ、糸倉さん。やっとゆっくりお話できるね。』
糸倉は驚いて目を丸くしていた。
虎牙に連絡する気がない糸倉に、名前はやはり完全に新・京浜同盟に肩入れしているわけではないとわかった。
糸「え、まさかわざと捕まったの?なんで・・・」
『糸倉さんと話したかったから』
糸「はぁ?そんな理由でこんな危険なこと」
きっと近くに待機しているであろう新・京浜同盟の連中に聞こえないように配慮しながらも、驚いて大きな声を出してしまう。
糸倉はとっさに口を手で覆うと、名前はそれを見て笑った。
『ふふっ、危険なことには慣れっこだから。この前なんてアイスピック持った男に尋問されたし』
糸「・・・どんな探偵なの」
『まあまあ。
で、プログラミング能力を買われてハッカーとして犯罪に加担してるんだって?』
糸「っ!・・・それが?」
『いやぁ、仲間だなって』
糸「?」
訝しげな顔で見る糸倉に、名前は目を合わせて話続ける。
『私も周りにはない特別な能力を裏社会の連中に利用されたことあるからさ』
糸「苗字さんも?」
名前は中学時代にマフィアに拐われた話をする。
糸倉はそんな壮絶な人生を送っていたとは思っていなかったようで、言葉を失っていた。
『糸倉さん、ホントは脅されてるでしょ』
糸「!?なんで・・・」
『表情見たらわかるよ。それにホントに新・京浜同盟の仲間ならもう虎牙に連絡してるでしょ?
ここまで来ちゃうとさ、もう自力で抜け出すの無理だよね』
糸「苗字さんはどうやって・・・」
『八神さんの・・・知り合い?に助けてもらった。
糸倉さんも、誰かに助けてもらわないと本当に抜け出せなくなるよ』
糸「・・・・・」
俯く糸倉に、名前は眉を八の字にするしかなかった。
八「お、良かった一緒にいた」
杉「名前ちゃんは無事?」
聞き覚えのある声に反応する糸倉と名前。
ドアの方に目を向けると八神と杉浦が部屋に入ってきていた。
糸「八神さん・・・・・と、誰?」
杉浦はジェスターの仮面をつけており、糸倉は怪訝そうな顔で見つめた。
『まあ話は後。ここから逃げよう、糸倉さん』
名前が手を伸ばすが糸倉は俯いたままだった。
『・・・・・わかった。
八神さん、後はお願い。
私の説得じゃダメだったみたい・・・
行こう文也くん』
杉「うん」
寂しそうな名前を見た糸倉は罪悪感を感じたような顔になっていた。
それに名前も気づいてはいたが、こんなに大人数でずっとここにいるわけにもいかず、八神に任せて杉浦と新・京浜同盟のアジトを後にする。
第24話 終