第3話 横浜九十九課到着
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事務所では、杉浦と九十九が机の上のパソコンに注目している。
八「よぉ」
『やっほー、来たよ』
八神と名前が声をかけるとすぐに振り返る2人。
九「やぁ、どうもご無沙汰でした、八神氏ぃ!」
九十九が嬉しそうな笑顔で八神に話しかける。
杉「いらっしゃい。
八神さん海藤さん、元気だった?」
杉浦は歩み寄りながら挨拶をする。
名前の近くに来ると笑いかけ頭の上に手を置く。
海「この野郎、連絡もよこさねぇでいつの間にこんな事務所!」
海藤は久しぶりに会えたことを喜びながらもやはりチンピラ、早速掴みかかろうとする。
しかし、ヒラッと不適な笑みでかわす杉浦。負けじと海藤が何度も杉浦に手を伸ばすがどれも届かず仕舞いだった。
八「さすが元泥棒、前より腕上げた?」
杉「泥棒じゃなくて窃盗団ね」
杉浦は泥棒と窃盗団の違いをつらつら話していく。
まぁ、それもずっと前に足洗ったけど、と付け足して。
事務所を見回していた八神は、自分の事務所と似ていることに気づく。
杉「そりゃまぁ、僕らが目指すは八神探偵事務所だから。憧れの先輩ですよ」
そう杉浦が話すと、八神も海藤も嬉しそうな顔になる。
名前もそんな3人の様子を微笑ましく思っていた。
九「ささ、どうぞおかけになってくだされ。さっそく依頼内容のブリーフィングを」
ソファを手で差しながら専門用語を使用しながら話す九十九に八神探偵事務所の3人は頭に?を浮かべる。
海「なんだあ?ブリーフィングって」
杉「状況説明ってこと」
九「まずは今日のアジェンダからご説明しましょう」
海「アジェンダぁ?」
杉「議題のことね」
『はははっ』
久しぶりにこんなやりとりをしている杉浦たちを見て名前は笑いを堪えられずにいた。
杉浦が言うには、九十九は意識高い系の会社を参考にしているらしい。しかし九十九には難しい言葉が似合うと思う名前だった。
さっそく椅子に座り話を進める。
九「・・・というわけで、八神氏たちにご協力賜りたいのは最近探偵業へ増えつつある案件でして」
杉「神室町じゃ、まず来ない案件だと思うね」
海藤は中華街を仕切っている連中のシマ争いと言うがハズレ。
増えている依頼はイジメの調査報告だという。
八「イジメか・・・」
九十九は、イジメの原因になる脳内物質の話や、太古の昔の人の話を交えながら説明をし始める。
群れを作り仲間を想い助け合いながら生存してきた人間。
一見素晴らしい話に聞こえるが、仲間への想いが強くなりすぎると、群れの足を引っ張る存在を裏切り者として制裁するようになったと。
『裏切り者に制裁・・・』
名前は顔を歪ませる。
九「当時、群れが生き残るためにその制裁は“正義”だったはずです」
八「じゃあイジメは、その時の名残ってこと・・・?」
八神は何かに気づいたようで立ち上がる。
テーブルの上を見るとイジメについての本がたくさんあった。
大分勉強したであろう2人に感心する八神。
さらに九十九は追加で、正義をなすとき脳はドーパミンを出し快感を得てしまうと話す。
『正義って・・・人それぞれだよね・・・』
八「ああ。その正義が歪んだものだったら大変だ。暴走して歯止めがきかなくなる」
九「そこで依頼の話なのですが、依頼人はとある私立校の理事長です」
校内にイジメがないか調べて欲しいと。
その高校が結構なマンモス校のため、杉浦と九十九だけでは手が足りず八神探偵事務所に手伝いをしてもらいたいとのことだった。
夜、依頼人と中華街の店、京韵楼で打ち合わせをする予定らしい。そこに八神探偵事務所も同席することになった。
それまでは自由行動となった。
八「じゃあまたこの辺ブラブラしてくるとするよ。海藤さんと名前ちゃんはどうする?」
海「じゃ、俺も行くぜ」
『私はいいや。文也くんたちがここにいるならここでゆっくりさせてもらおうかな』
杉「僕たちは時間まで事務所にいるからここにいて良いよ。」
名前は事務所に残ることにした。
九「苗字氏、何か飲み物でも飲みますかな?カフェオレもありますぞ。インスタントですが。」
『ありがとう、もらおっかな』
立ち上がりカフェオレを淹れに行こうとすると杉浦に制される。
杉「いいよ休んどいて。お客さんだからね。九十九くんはどうする?」
『ありがと』
九「じゃあブラックを」
3人で飲み物を飲みながら談笑していた。
『そういえば海藤さんが、私が横浜九十九課に引き抜かれるかもーって言ってたよ』
笑いながら話す名前。
一瞬杉浦は固まるがすぐに笑い出す。
杉「あははっ、何それ!
まぁ、一緒に仕事できたら嬉しいし色んな意味で戦力アップだけどさぁ」
九「そんなおそれ多いことできませんよ」
杉「ホントに。それに誘っても絶対来ないでしょ?」
『ふふっ、よくお分かりで』
杉「何年一緒にいると思ってるの。名前ちゃんにとって神室町には大切なものが多いからね」
名前は自分の予想が当たっていたことを嬉しく思う。九十九は2人を見て優しく微笑んでいた。
杉「ま、もし名前ちゃんが来たくなったらいつでも歓迎するよ」
『じゃあその時はよろしく』
時計を見ると、もうすぐ約束の時間。
そろそろ京韵楼に向かおうと準備を始めた。
第3話 終