第23話 写真で啓蒙!
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天沢に呼ばれ、今日も今日とてミス研の部室に顔を出す八神と名前。
八「なぁ、これは何をしてるんだ?」
部室に入ると天沢の他に、不機嫌そうな糸倉、そしてカメラを構えた三つ編み女子生徒がいた。
「!!」
天「あ、八神さんと名前さん、ちょうど良いところに」
「あなたが噂の探偵、八神さんですね!
そしてこちらの女性は・・・彼女さんですか!?」
パシャパシャといきなり写真を撮られ驚く2人。
『え、ちょ』
八「うお、なんだ?」
カメラを構えた生徒は、写真部の鳥辺芽依というらしい。
探偵である八神に、同じカメラを扱うもの同士話をしたかったと。
鳥「探偵といえば不倫現場のスクープに盗撮、カメラとは切っても切れない関係ですよね!」
八「はぁ・・・」
『すごい圧』
鳥「美人彼女さんの困り顔シャッターチャンスです!」
再びバシャッと写真を撮られる名前。
どこから突っ込めばいいか、とため息をつく。
『えっと、鳥辺さん?私八神さんの彼女じゃないんで』
鳥「え!」
糸「え?」
『待って、なんで糸倉さんも驚いてんの?』
糸「いや、ずっとそういう関係かと思ってた」
改めて八神と同じ事務所の探偵だと自己紹介をする名前。
糸「へー」
鳥「探偵が2人も!
実はですね!最近写真部は探偵に近しい行為をしておりまして、おふたりにご助言いただきたいのです!」
天沢は、鳥辺は写真家としてプロフェッサーを追っている、そしてプロフェッサーに惑わされ非行に走る生徒たちを写真の力で啓蒙したいと思っていると。
八「はぁ・・・どういうこと?」
とりあえず話をするために椅子に座ることになった。
『糸倉さんはこっち来ないの?』
名前は、離れたところで小説を読んでいる糸倉に声をかける。
糸「興味ないから」
『そうなんだ』
鳥辺は、今非行をテーマに写真を撮っているとのことだった。青春の1ページに非行という汚点を残してほしくないからその現場を写真で撮って啓蒙活動すると。
天沢もその考えには共感できるようで乗り気だ。
鳥「八神さんと名前さんには、探偵として写真撮影の技術を伝授していただきたいのです!」
天「探偵はターゲットに気づかれないように撮影するような機会が多いですよね?」
鳥辺は非行の写真を撮ろうとしているがうまく行かないらしい。
鳥「ですです。不良が相手だったりするので、殴りかかられることもしばしばで」
『え、危なくない?』
天「そうなんです。ですから、八神さんたちの協力というか、保護が必要だと思うんです」
『・・・先生たちはなにやってんの』
天「それに、非行生徒を追っていけば、プロフェッサーについて何か情報を得られるかもしれないでしょ?」
八神は渋々了承する。
部室に行くと、スリを疑われている生徒の話を聞く。
神内駅の改札口付近でよく行われているとのことなので、向かうことになった。
鳥「ターゲットは藤丸上代という3年生の生徒でして、表向きは人畜無害なのですがどうも手癖が悪いようで」
校門前で打ち合わせをしていると、ちょうど藤丸が通った。
八「どんな感じで撮ればいいの?」
鳥辺は、しっかりとスリの瞬間を写すことと、できれば悪そうな顔をしている瞬間を撮ってほしいと話す。
『悪そうな顔って・・・』
八「悪そうな顔か。まぁやってみるよ」
『(え、納得しちゃうの?)』
名前は溜め息を吐きながら、神内駅に向かう2人の後を追った。
神内駅に着くと、すでに藤丸がいてターゲットを決めていたようだった。
『写真を撮る場合は、当たり前だけどある程度距離をとってターゲットの視界に入らないことね』
鳥「ほうほう」
『で、複数人で尾行してる時には時々怪しまれないように近くに行く人を変える。ま、今日みたいな事案は1人でも大丈夫だと思うけど』
鳥「なるほど」
名前は、鳥辺と少し離れたところで尾行や撮影のポイントなどを話しながら、八神と藤丸の動きを横目で見ていた。
すぐに八神は帰って来て狙いどおりの写真を撮ったと報告していた。
鳥「流石ですね。では早速その写真を持って藤丸さんの蒙を啓きに行きましょう!」
神内駅前の柱の陰では、藤丸が財布を見てニヤニヤしていた。そこへ3人が近づき
鳥「目覚めよ!」
と鳥辺が怒鳴った。藤丸も八神たちも困惑する。
鳥「あなたは本来そんな人じゃないはずでしょ!?
高校生の心はまだタブラ・ラサ!無限の可能性を持ったキャンバスなのです!」
『白紙ってことね』
蒙を啓くために捲し立てて話す鳥辺に、藤丸は宗教の勧誘か何かと勘違いしている。八神がわかりやすく説明するように話すと、鳥辺はスリの瞬間の写真を見せ
鳥「己の客体との対峙の中で蒙を啓くべし!
アウフヘーベンしてください!」
『対立する2つから高次の答えを導き出すことだね』
八「名前ちゃん意味わかってんのすごいね。」
藤「さっきから何わけのわからねえこと言ってんだよ!」
藤丸は鳥辺に向かって拳を振り上げる。
その拳は鳥辺には届かず、藤丸は八神によって身体ごと吹き飛ばされていた。
地面に膝をつく藤丸に、鳥辺は再度スリの写真を見せる。
すると藤丸の雰囲気が変わる。
藤「へっ、クソみてぇな顔してんな」
鳥「今回のことをきっかけに悔い改めてください」
藤「・・・ああ、わかったよ。もう懲り懲りだ」
『(・・・八神さんの“力”のおかげじゃない?)』
改心した藤丸を見送り、解散となった。