第21話 晴れる暗雲
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ーーー
数日後
さらに隈が酷くなった沖手河は焦っていた。
発注していた基盤が試合までに届かないかもしれないと。
イライラしている沖手河は、車崎の様子を見て激昂した。
沖「お前・・・まだわからないのか?なんだ、これは?勝手なことするなと言ったろ?」
体力が限界に来ているのか声に力はないものの、責めるような言い方で車崎に詰め寄る。
車崎も反論しようとするがうまく言葉にならず、さらに沖手河に怒鳴られてしまう。
車「僕にだって・・・考えはあるんだ。
僕にだって考えがあるんだ!!」
初めて聞く車崎の大声に驚く一同。
そんなみんなの様子に車崎は部室を出ていってしまう。
『車崎くんっ』
八「追いかけないと」
『私行ってくる。八神さんは他の人のフォローしといて』
名前は車崎を追いかける。
廊下で車崎を見つけ、屋上で話をすることにした。
『珍しいね、あんなに怒るの』
屋上に来ると、名前は話し始めた。
車「・・・部長は正しいです」
『なんでそう思うの?車崎くんにも考えがあるんじゃない?』
車崎はロボ部を辞めようと思っていると打ち明ける。
沖手河はいつも正しいのに、自分は説明が下手でだめだからもう限界だと話す。
『そっかぁ・・・。まぁ、ゆっくり考えよう?
私は車崎くんのデザイン良いと思うな。かっこよさと強さを兼ね揃えてる感じ』
車「ありがとうございます。苗字さんはいつも自分のデザインを楽しみにしてくれて嬉しかったです・・・」
そう言って車崎は去っていった。
『(ふぅ・・・難しいなぁ人の心って)』
名前は部室に戻って車崎が辞めようと思っていることを話した。
すると沖手河は車崎抜きで開発を進めると言い出した。
沖「さあみんな、気持ちを切り替えて続けよう。いない奴のことを考えても仕方がない」
そしてその言葉が決定打だった。
糸「はぁ。なんかあんた見てるとイラつくわ」
高「俺も一抜けた」
糸倉と高森は部室を出ていく。
八「はぁ・・・次は俺が行ってくるよ」
『わかった』
結局、八神の説得でも糸倉や高森が戻ってくることはなかった。
そしてそのままコンテスト2回戦に挑むことに。
なんとか勝利することができたが、試合終了後に機体が動かなくなってしまった。
ーーー
翌日、
沖手河と桜しかいなくなった部室に芥が入ってくる。
車崎ら3人は退部届を出したこと、半グレと沖手河が繋がっていたことを理由にロボ部は活動休止だと伝える。
沖手河は半グレと繋がっていないと主張するが聞き入れてもらえず泣くしかできなかった。
『八神さん・・・沖手河くんをお願い。
桜くん、ちょっと外出よう』
名前は桜と一緒に外に出る。
桜「苗字さん、ロボ部は大丈夫でしょうか。やっぱり廃部に・・・」
『どうかな。みんな次第だと思うよ。沖手河くんはもちろん、他のメンバーも。
ちゃんと話し合えば大丈夫だと思う。
ふふっ、みんな頭が良すぎるんだよ』
桜「え?」
『頭が良いから1人でも大丈夫だと思うんじゃないかな。誰にも頼らずに完結できるから。
でも、そうじゃないんだよ。
1人じゃどうにもならないことは世の中たくさんある。
それを学ぶのが学校生活の意義だって思うよ』
桜「苗字さん・・・」
その時八神から、部室に戻ってきてくれと連絡が入る。
部室の前には、抜けた3人が戻ってきていた。
沖手河と楽しく話しながら。
それからみんなで芥のところに廃部の撤回をお願いしに行き、見事沖手河の土下座で廃部を免れた。
数日後、
日々の開発で疲労が溜まっている部員たちに、沖手河は労いの言葉と早く上がっても良いと話す。
車崎の意見を聞いて機体を変形できる1つにしたことで、作業の効率が上がったことが大きな理由だった。
『雰囲気変わったね』
八「ああ」
みんなが帰った後、沖手河は信頼の証として八神に1つの鍵を渡す。
ひったくりロボットと同じような設計図が入っているとされるキャビネットの鍵だった。
これでロボ部の身の潔白を証明してほしいと。
沖手河も帰った後、天沢を呼び3人でキャビネットの中を見る。
すると、ひったくりロボットと同じ性能の設計図が入っていた。そして紙の端には設計図を作った車崎の名前があった。
『・・・車崎くん』
天「とりあえず話を聞いてみませんか?あくまで参考人としてですけど」
3人は食堂に車崎を呼び、話を聞くことにした。
食堂で車崎と合流し、ひったくりロボット事件の話、キャビネットから見つけたそのロボットそっくりの設計図の話をする。
すると車崎はうつむいて唸っている。
『車崎くん?』
車「僕です・・・
僕なんです!新・京浜同盟に設計図を流したのは!」
あっさり告白する車崎に驚く。
車崎は、自分のアイデアを理解し支援してくれる人を紹介してくれるとプロフェッサーからメールが届いたと話す。
『自分のアイデアが認められて嬉しくなっちゃったんだね』
車「はい・・・でも僕は騙されていたんです。僕の設計図がひったくりに使われていた」
車崎は悲しそうに真実を話した。
八神はその話を聞いて怒りを覚え、車崎を利用していた新・京浜同盟グループのアジトに乗り込むことにした。
次の日、車崎は部員たちにも真実を話した。
部員たちは車崎のロボットへの想いを受け入れ、さらに団結力が高まった。
そしてついに
高「完成・・・だ」
決勝で使用する機体が完成する。
決勝当日
誠稜高校ロボット部はREコンテストで優勝した・・・。
『ここまで長かったね』
八「ああ。」
『でもまだプロフェッサーには行き着かないね』
八「新・京浜同盟のアジトからPCを持ち帰ってきた。今九十九に解析を頼んでるとこ」
『何かわかればいいけどね』
八神と名前はプロフェッサーを追うべく、また次の部活に潜入する
第21話 終