第20話 ロボ部
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ーーー
予選大会当日、難なく勝利することができた。
みんな予選を突破したことを喜んでいたが、沖手河だけは先を見据え真剣な顔になっていた。
沖「目指すはREコンテスト・・・優勝」
高「ゆ、優勝?」
桜「僕たちが?」
糸「はっ。ポンコツロボ部が優勝?
まぁ、いっか。暇だったし、その遊び付き合ってあげる」
桜「糸倉先輩がいれば百人力です!それに八神さんもいるし!」
八「ああ。力になれるよう頑張るよ」
八神、桜、糸倉が楽しく話す中、高森は面白くなさそうな顔をしていた。
高「チッ・・・車崎、行こうぜ」
車「あ、うん・・・・」
『・・・・・』
なんでこんなに足並みが揃わないんだろうと不思議に思う八神と名前だった。
ーーー
翌日
沖「さて、今日の議題は、本大会1回戦に向けての開発方針についてだ」
トーナメント表を見ながら会議を進める。
武器の開発に重点を置くようだ。
『武器・・・』
八「なにワクワクしてんのさ。そういうの好きだっけ」
『好き』
なんて話をしていると、会議はどんどん沖手河のペースで進められていく。
スケジュールもすでに決められた状態で。
糸「・・・話し合いの余地ないじゃん」
高「おい!沖手河!」
糸倉は小声で愚痴るが、高森は声を荒げて抗議する。
高「もう全部決まってんじゃねぇか!何を話し合うんだよ!?」
沖「意見があるなら受け付けるが?」
高「ああ?なんで上から目線なんだよ!?」
喧嘩が始まりそうな雰囲気に、八神はブレインストーミング、意見の出しあいをしないかと提案する。
ブレインストーミングは、相手の意見を否定しないこと、むしろ乗っかって広げることが大事だと話す。
沖手河はやる意味がないと一度は言うが、八神の説得でやってみることになった。
高「飛び道具とかいいんじゃないか?」
沖「却下だな」
いきなり否定する沖手河にため息を吐きそうになるのを我慢し伝える。
『ほらほら、否定してるよ』
沖「は、はぁ・・・難しいものですね」
八神は今まで黙っていた車崎に話を振る。すると急に振られて驚いた車崎はどもってしまった。
車「・・・かっこいい武器がほしい。青いライトとか付けて光るようにして、変形とかしたらいいなって」
『変形』
そして捻り出した意見。名前も目を輝かせるが沖手河に予算が無いと言われた。
その後も糸倉のマシンガンや高森のショットガンなど様々な意見が出てくると、沖手河は素直にその視点は無かったと認めた。
何だかんだお互いの意見を出しあい、話を進められたことに八神は手応えを感じていた。
ーーー
数日後
高森は沖手河にパーツの改良をしてみてはどうかと意見を出す。また否定するかと思いきや、その改良をしてみても良いと話す。
八「沖手河のやつ、以前より部員の意見を取り入れるようになったな」
『そうだね。アイデア会議のおかげかな』
糸倉と桜もイキイキとパソコンに向き合っている。
そんな中、車崎だけは元気がなかった。
名前は心配そうに話しかける。
車崎と名前が話している時、八神に天沢からメッセージが届いた。ひったくりロボットについて新情報が出田とのことだった。
『私はここにいるから、糸倉さんと行ってきなよ』
八「ああ」
八神は糸倉とミス研の部室に向かった。
しばらくすると桜をお茶に誘い、3人で再び出ていった。
『車崎くんは格好いいロボットが好きなの?』
車「は、はい。苗字さんも僕のやりたいことに反応してくれてましたよね」
『周りに男の人が多いからかな、そういうのの方が好きみたい。』
車「・・・嬉しいです」
小さく微笑む車崎に名前も笑いかける。
その時八神からメッセージが届いた。
ひったくりロボットの設計図が部室のキャビネットにあるかもしれないと。
『(・・・設計図・・・?)』
ーーー
本大会に向け、精を出していると部室に芥が入ってくる。
芥「ちょっといいかな?」
芥の雰囲気にみんな眉をひそめる。
芥は異人町で起きているひったくりロボットの事件のことを知人の警察官に聞かれ、その時見せられたロボットの設計図に見覚えがあったと話す。
そしてまだ警察には言っていない、監督責任になるから悪さをしていたら困る、と。
沖「僕たちはなにも知りません!」
芥「本当かな?正直に言った方が良いと思うけど?」
高「っざけやがって!」
『八神さん、ちょっとよくないね』
八「ああ。」
八神は間に入り芥に質問をする。今後警察に話すつもりはあるのかと。
芥「部員の態度次第ですね」
ロボ部を解散し、例のロボットの設計図を処分するなら警察に言わないでおくと話す芥。
『・・・八神さん今の』
八「ああ。
本気でロボ部が犯人だと思った上で今の発言をしたのなら・・・
先生はロボ部に対して“証拠の隠滅”を教唆したことになりますね」
ニヤリとしながら話す八神。名前は芥先生も相手が悪かったなぁと思っている。
糸「フッ、芥先生。この人弁護士だから下手なこと言わない方がいいと思うけど。
あとこっちの人も見た目の割に知識量エグいから。」
『見た目の割にってなに』
芥「べ、べべ・・・弁護士!?」
芥は驚いて八神を上から下まで見る。
八「元・・・弁護士です。
ちなみに、解散しなければ警察に話すぞ、というのも立派な脅迫です」
芥「と、とにかく!ロボ部は馬鹿なことを考えないでほしいってことです!」
ロボットなんて所詮おもちゃだと吐き捨て、芥は部室を出ていく。
車「僕、悔しい・・・ロボットがおもちゃだとか言われて。
優勝・・・しなきゃですね」
芥に目にもの見せるため、一丸となるロボ部。
糸「ふふ、単純なやつら」
『糸倉さんもなんか楽しそうだよ』
糸「うっさいなぁ」
芥のおかげで団結できたロボ部は、本大会1回戦も勝ち上がった。
ーーー
大会1回戦突破の後
八神と名前は天沢に呼ばれ部室にいた。
八「天沢、話って?」
天沢は、独自にロボ部について調べたところ、スポンサーの件と沖手河の過去についてわかったと話す。
沖手河の地元の商店街は2ヶ月前にスポンサーを降りた。しかしロボ部には多額の予算があると。
『まさか、ひったくりロボットの件・・・』
天「ええ。ひったくりの被害は数百万に及びます。もしその一部がロボ部の予算になっているとしたら?」
沖手河がプロフェッサーと関わっている・・・そうではないことを願うが、額が額だ。そう推測されてもおかしくはなかった。
そしてその沖手河の過去についても話した。
前の学校でロボットコンテストの決勝まで行ったが転校することになり、出場できなかったと。
八「沖手河が大会優勝に躍起になってるのは、そういう事情があったのか」
『教えてくれてありがと、天沢さん。』
2人はロボ部の部室に向かう。
第20話 終