第18話 弁護士のプライド
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バンの中の2人きりになると、杉浦が話し始めた。
杉「今日はどうする?それぞれの家に帰る?」
『・・・文也くんが良いなら一緒にいたい』
杉「まーたそんな可愛いこと言って。僕が断ると思う?
じゃあ明日きっと源田事務所に行くだろうから、神室町に近い名前ちゃん家にしようか」
『うん』
少し車を走らせると名前のマンションに着いた。
車をパーキングに停めて家に入る。
簡単なご飯を作って食べ、お風呂にも入るとソファに並んで座ってテレビを見ている。
冷蔵庫に入っていたビールとチューハイをそれぞれ持ってきて飲み始めた。
杉「今日はお疲れ」
『うん。間宮さんとの話、しんどかったなぁ。
人の話を聞いてこんなにイライラしたの久しぶりだよ』
苦笑いをしながら話す名前。
特に不安定になっている様子はなく安心する杉浦。
杉「稀に見る責任逃れタイプだったね」
『ね。車の中では止めてくれてありがとう。
酷いことを言っちゃいそうになったよ。
あ、間宮さんにじゃなくて旦那さんとお子さんにね』
杉「うん・・・でも、失ったことのある人にしかわからないことってあるよね」
杉浦は姉を、名前は家族たちを思い浮かべながら話していた。
『法の甘さか・・・やっぱり文也くんもそう思ってた?』
杉「昔はね。でも今は違うかな。
まぁ、法自体に穴はあるし、守れない人もいるのは確かだよ。絵美だってその被害を被ったもんだし。
でも八神探偵事務所とか源田事務所が必死にそういう人を守ろうとしてるのを見ると、復讐に走るのは法だけの問題じゃないんだって思う。
頼れる人がいるかいないかとか、そういうのもあると思うよ」
『・・・八神さん言ってた。法で守れない人を守るために探偵になったって。
裁判が終わっても最後まで事件を追えるからって』
杉「うん。僕もそんな八神さんだから憧れた。もちろん名前ちゃんも探偵としても尊敬してるよ」
『ふふっ、なんか恥ずかしくなってきちゃうね』
話はここで終わり、のんびりした時間を過ごした。
ーーー
翌日
源田事務所
『こんにちはー』
杉「お邪魔します」
杉浦と名前が事務所に入ると、源田が迎えてくれた。
源「お、名前か。さおりくんたちはもうすぐ帰ってくる予定だ」
『わかりました、じゃあここで待たせていただきますね』
少しすると、八神とさおりが帰ってくる。
杉浦と名前は座っていたソファから立ち上がり、疲れているであろうさおりと八神に場所を譲る。
八神は座るとすぐに話をする。
江原は御子柴殺しを非公式ではあるが認めたと。
そのためさおりは控訴の準備をしたいと言う。
しかし源田は難しい顔をしている。
『?』
星「・・・源田先生?」
源田は控訴したときのリスクを考え、さおりのキャリアに傷が付いてしまうことを気にしていた。
城「はっきり言って・・・私はずいぶんみくびられたものだとそう感じています」
星「さおりさん、もしかして怒ってます?」
城「ええ。残念ながら」
星「で、ですよね」
星野はさおりの雰囲気にたじたじになっている。
杉「星野くん、女性が怒ってるときはたじたじになっちゃダメだよ。しっかり話聞いてあげなきゃ」
星「え、えぇぇ・・・」
さらに困る星野。
名前は違う話をしている星野と杉浦に声をかける。
『真剣にやって』
杉「あ、怒られちゃった」
星「・・・・」
星野はさおりに睨まれ、「なんで僕が・・・」と言いながら悲しい顔をしていた。
さおりは本題に戻す。
城「弁護士が法と向き合うとき、自信の保身を気にしてどうするんですか!」
源「ああ、たしかにそうだ、そうなんだがよ・・・」
さおりは、法に縛られた弁護士を馬鹿にしている江原を見返してやらずにはいられないとまっすぐな目で源田に伝える。
源「お前の意見は?どう思うんだ、八神?」
八「全部さおりさんに従いましょう。俺も江原や桑名の行動を理解はできますが見過ごすことはできません」
八神は、江原の罪を暴くことではなく、その過程で触れなければならない桑名が目的だと話す。
桑名を引っ張り出せれば、それを追うRKとその黒幕も動くはずだと。
そしてその黒幕には人を殺してまで守りたい秘密がある、それをつかまない限り澤先生は浮かばれないと。
さおりと八神の熱意に源田は折れ、腹を決めたとのこと。
源「もう諸君を止めるものはなにもない、存分にやってくれ」
一同「『はい』」
八神たちの話が一段落すると、九十九から電話が来た。
八神は九十九に許可をとり、スピーカーにして応答することにした。
九《RKが異人町で数を増やし続けているんです。なんだか異様な雰囲気ですぞ》
八「そうなのか?」
九《それで、どうも相馬や阿久津といった幹部がまだこちらにいるのではないかと思うのですが》
『相馬はさすがに異人町を出てるんじゃない?』
八神もそれにしても同感だと話す。
澤先生の件で警察に手配されているだろうからと。
八「まぁ、こっちもちょうど一段落ついたとこなんだ。これから異人町に戻るよ。情報共有もしたいしな」
ーーー
横浜九十九課
八神たちは九十九に得た情報を伝えていた。
明らかになったことも多いが、まだなぜRKが桑名を追っているのかがわからないことも。
八「そこに澤先生が殺されなきゃならない理由があるはずだ」
『もともとRKって、異人町に来るまでは川井信也を探してたよね』
八「ところが川井が殺されたらしいとわかると、なぜか急に探す相手を桑名に変えた・・・やつらの目的は何なんだ?」
とりあえずじっとしているわけにもいかないからと、八神と名前は街をぶらついてみることにした。
八「うちはフットワークが軽いのだけが取り柄なもんでさ」
杉「またまたご謙遜をー」
九「ええ。八神氏にそう言われては僕らの立つ瀬がありませんぞ」
九十九課の2人にそう言われながら八神と名前は外に出た。
第18話 終