第15話 セイレーンにて
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バー“セイレーン”前
海「ここだな。桑名の遠縁ってのがマスターをしてるはずだ」
セイレーンに続く階段は真っ暗。
ゆっくり下りていく。
八「すいません、お邪魔しまーす・・・」
3人が店内に入ると、薄暗く若干荒れた様子が見られた。
『慌てて夜逃げした後みたい・・・』
八「じゃあここのマスターも、もうどっかに逃げた・・・?」
この店が今どういう状況なのか調べるべく、店内をぐるっと見て回っていると
ピリリリリリ・・・
「「『!』」」
店の電話が鳴り、3人ともそちらに注目する。
八「ここ、店の名前セイレーンだったよね?」
海「あ?ああ・・・」
海藤と名前は八神が電話に出る様子を眺めている。
後ろから忍び寄る気配に気づかず・・・
海「!!」
グイッ
『きゃあっ!』
グサッ
海藤は間一髪背後の殺気に気づき、名前を八神の方に突き飛ばして振り返る。しかし、肩をアイスピックで刺されてしまった。
刺した人物はRKリーダーの相馬だった。
相「良くよけたな
でも残念。アイスピックは女用なんだ」
相馬は素早い動きで左手に持っていたナイフで海藤の腹部を刺す。
海「ぐぁああ!」
『「海藤さん!!」』
八神と名前は相馬に向かって技を出し、海藤から離す。
しかし、どれも軽々と避けられてしまう。
相「RKが何のイニシャルか言ったっけ?」
ガシャ、ガシャーン!
『海藤さん!』
相馬が話をしようとした時、海藤が崩れ落ちる。
名前は海藤の元へ向かい、傷口を見た。
『(出血が酷い・・・)』
名前は自分が着ていた上着を脱ぎ、海藤の傷口に当て止血を試みる。
相「相変わらず健気だな。
そうだ、RKの名前の話だったな。
“Red Knife”」
海藤の血で赤くなったナイフを見ながらそう話す。
八「なんで・・・澤先生を殺した?」
相馬「まぁ、いろいろ知りすぎちゃったからなぁ、あの先生は。
お前らもそう。もう捨てて置けないとこまできちゃった」
名前は八神と相馬が話している間に通報しようと静かにスマホを取り出そうとする。
『っ!!?』
すると、名前の顔面スレスレに飛んでくるアイスピック。頬がチリチリ痛み、ツーッと血が一筋流れる。
相馬はゆっくり名前に近寄り、アイスピックを拾いながら耳元で話す。
相「苗字さん、動くなよ?あんたが少しでも何かしようとしたら今すぐ海藤にトドメを差す」
『・・・・・』
海藤が人質に取られ睨み付けることしかできなかった。
ぐっと歯を食い縛り海藤の止血に集中する。
相「弱い女を殺るのも良いけど、やっぱ強い女を黙らせるのも良いよなぁ」
ゾクリと冷や汗が背中を伝う。
八「名前ちゃん、大丈夫。俺に任せて」
相「はっ、海藤と苗字さんさえいなきゃお前ひとり。わけないよ」
八神に向けてナイフが振り下ろされ、戦いの火蓋が切られた。
どちらも互角の戦い、八神はナイフを持った相手に負けず劣らず八神流の格闘術で責めていく。
一時、八神が優勢かと思った瞬間、相馬の素早い回し蹴りが八神の頭を直撃する。
『ぁっ!!』
息を飲む名前。八神は脳震盪を起こし、立ち上がれなくなっていた。
相「暴れると痛い時間が長引くぞ」
そう言って八神にナイフを向ける相馬。
ピリリリリリ
その時、バーの電話が鳴った。
相馬は八神と名前にナイフを向けながら電話に出る。
電話の相手はバーのマスターだった。
マスターは八神に電話を代わってほしいと話す。代わらなければ通報すると。
相馬は渋々電話を八神に投げ渡し、去っていった。
相馬が去ると名前はすぐに救急車を呼ぶ。
八神はマスターとの電話を終えると、名前に1人でとあるバーに来いと言われたと話す。
『わかった、私は海藤さんの付き添い行くね』
八「ああ、頼む」
救急車が到着すると、名前は海藤と一緒に救急車に乗り、八神はバーへ向かっていった。
救急車内で簡単な処置をされている海藤を不安げな顔で見ている名前。
名前の頬の傷も絆創膏を貼ってもらった。
救急隊員は、出血は多かったものの海藤の持ち前の身体の強さから、すでに命に別状は無さそうだと話を受ける。
名前は息を吐き、安堵する。
病院に着くとすぐに手術室に入れることになり、名前は外の椅子に座って待つ。
杉浦たちにはすでに海藤が刺されたことを電話で話してある。
「えっと、ご家族の方ですか?」
少しして手術室の中から医師が出て来て話しかける。
『あ、いや、職場の同僚っていうか・・・あ、でもほぼ家族みたいなもので、えっと・・・』
あたふたしていると医師は何か訳ありなのを理解したのか、無理に話さなくて良いと言う。
「命には別状はなさそうですし、一旦ご帰宅されますか?」
帰っても大丈夫なものなのかと思ったが、あと1時間程度で終わるためちゃんと連絡が取れるようにしてくれれば大丈夫だということだった。
海藤も心配だが、他にもやらなければならないことはたくさんある。言葉に甘えて九十九課に戻ることにした。
『じゃあ、よろしくお願いします』
医師に深く頭を下げ、急いで病院を出た。
第15話 終