第14話 ピンチ脱出から絶望へ
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九十九課に着くと、九十九は名前が無事だったことを喜んだ。
『九十九くんも色々頑張ってくれたんだってね、ありがとう』
九「仲間のピンチはみんなで助け合うものですよ、気にしないでください」
杉浦はアルバムを九十九に渡すと、もう今日は帰ると九十九に伝え名前の手を引く。
タクシーで杉浦の家まで行くと、2人は大きく息を吐いた。
杉「先にお風呂行ってきなよ」
『うん』
名前はのろのろと浴室へ向かう。
名前が入浴している間、杉浦は八神に電話していた。
杉「八神さん、もう大丈夫?」
八《ああ。今タクシーで九十九課に向かってるとこ。
名前ちゃんはどう?》
杉「今は落ち着いたけどだいぶ参ってる感じだったね。
あんなになるのは久しぶりだよ。なにがあったの?」
八神は、マンションで澤先生を名前に任せたことを伝えた。
自分が相馬にやられたから澤先生が殺されてしまったと自分を責めているのではないかと。
杉「そういうことね。
必要があればフォローしとくよ。
八神さんも今日は大変だったでしょ、ゆっくりしなよ?」
八《ありがとう、助かるよ》
八神との電話が終わり、しばらくすると名前が戻ってきた。
温まってきたはずなのに依然顔色は悪く、震えている。
杉浦は手早くシャワーだけ済ませ、名前のもとへ戻る。
杉「ご飯どうしよっか。食欲ある?」
名前は首を横に振る。
杉「わかった、ホットミルクでも作ろっか?」
『うん』
名前はホットミルクを飲み、杉浦は簡単な軽食を食べながら過ごした。
杉「そろそろ寝る?」
『!・・・・』
名前は一瞬ビクッとし、不安げな顔を見せる。
目を閉じてしまえば澤先生のこと、他の様々なことを思い出してしまいそうで寝るのが怖かった。
杉「大丈夫、僕がついてる。
今は身体を休めなきゃ」
杉浦は泣きそうな顔をする名前の手を引き布団に入り込む。
そして案の定頑なに目を閉じようとしない名前に心を痛めつつ、自分の胸に引き寄せた。
今、澤先生の件を名前のせいではないなど話してもきっと響かないし逆効果になるかもしれないと考えた杉浦。
落ち着いたトーンで気持ちを切り替えられるような話をし、身体を休ませることを優先させることにした。
杉「・・・・・この事件が落ち着いたら何したい?」
『・・・・』
杉「僕はさ、名前ちゃんと動物園行きたいんだよね」
名前からは反応がないが、杉浦は続ける。
杉「あの探偵犬・・・乱歩、だっけ?と戯れてる名前ちゃん見たら行きたくなってさ」
杉浦がそっと名前の顔を見ると、目は開いているものの先程までの表情の険しさはなかった。
やはり眠かったのだろう瞬きがゆっくりになっている。
杉「たくさん触れ合えるとこに行こうよ。
名前ちゃんは何の動物がいい?」
『・・・・おおかみ』
杉「・・・・そっかぁ。触れ合うのは難しそうだけど見に行こう。
で、美味しいご飯食べて、良い景色が見えるところ行って・・・」
杉浦が話をしていると聞こえてくる規則的な寝息。
杉「・・・頑張ったね、おやすみ」
杉浦は名前の頭を撫で、目を閉じた。
翌朝、杉浦が起きると隣には誰もいなかった。
杉「名前ちゃん・・・?」
一瞬不安が過るが、隣の部屋からの香りでホッとする。
どうやら料理をしていたようだ。
杉浦がモゾモゾ布団の中で動くと、音に気づいた名前がひょこっと顔を出す。
杉「(相変わらず可愛い)・・・おはよ」
『おはよ。ご飯いつでも食べられるよ』
顔色が良くなっている名前に安堵する杉浦。
名前は朝御飯の支度をして待っていた。
顔を洗った杉浦が到着すると一緒に食べ始める。
杉「食欲出てきたようで良かった」
『うん。寝たらだいぶスッキリした。ありがとう。
みんな前を見てるのに私だけ立ち止まっちゃダメだから』
杉「そうだね・・・。
今日も朝から九十九課で良いの?」
名前は八神からメッセージが来ていたことを話す。
八神一度学校の様子を見に行くとのことで、他のメンバーは各自情報集めや他の仕事を進めてほしいという内容だったと。
杉「そっか。
じゃあ食べたらゆっくり行こうか」
『うん』
第14話 終