第12話 マンションの攻防
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『(狭いとこは不利なんだよなぁ)』
と思いながらも相手との対格差を活かし、懐に飛び込み蹴りを入れていく。
途中何度か捕まれそうになるがうまくかわし、1人ずつ下していく。
そして阿久津1人になると、阿久津は八神に狙いを定め羽交い締めにする。
阿「お呼びじゃねぇんだよ、八神!」
阿久津と八神が揉み合っていると、
『澤先生!』
澤先生が家の扉を開けて様子を見ていた。
澤「今警察を呼びます!」
そう言って急いで扉を閉める澤先生。
桑名は逃げるぞ、と言うが八神は桑名が狙われているのだから先に逃げろと促す。
桑名は「すまねぇ」と一言だけ伝え、下の階へ降りていく。
それを見た阿久津は手下に八神を任せ、桑名を追っていった。
『やっぱり桑名さんが狙いなんだね』
八「ああ、早く片付けて行かねえとな」
残された者同士の第2ラウンドが始まった。
しかし、阿久津もいない下っ端のメンバーは八神と名前に敵うはずもなくすぐに倒された。
『八神さん、私澤先生と一緒にいる』
八「ああ、頼んだ。俺は桑名のところに」
八神は澤先生の家のドアを叩く。
澤「はい・・・!」
八「今から先日学校に伺った探偵の苗字が護衛に付きます。
警察が来るまで鍵閉めて苗字と待っててください。俺は桑名の様子を見てきます」
澤先生はドアを開ける。
名前を見ると小さく会釈をし、中に招き入れる。
『失礼します』
八「よろしく名前ちゃん・・・それじゃ」
澤先生はドアを閉め、鍵をかける。
八神の走っていく音が聞こえると澤先生は小さくため息を吐く。
名前が澤先生を気遣い、背中を擦っていると口元の痣に気づいた。そしてよく見ると部屋中荒らされた後があった。
『澤先生、怪我してますね・・・あの男たちですか?』
澤「えぇ。でも大丈夫です。
八神さんの方が心配です」
『八神さんなら大丈夫ですよ。それより、なんで桑名さんが澤先生のところに?』
澤「・・・・」
押し黙る澤先生。
と、そこへ沈黙を破る音が聞こえる。
ガチャガチャガチャ!!!
「『!!!』」
名前は澤先生を後ろの部屋に下がらせ、ドアを睨み付ける。
『澤先生、出てこないでくださいね。
絶対八神さんじゃないですから・・・』
澤「でも苗字さんは・・・?」
不安そうに話す澤先生。
『下っ端相手ならどうにかなると思います』
そう、下っ端相手なら・・・
カチリ・・・
ピッキングをしたのか、静かに鍵が開いた。
そしてゆっくり扉が開き、入ってきたのは
『相馬・・・・』
相「おや、苗字さんもいたのか」
相手の悪さにギリ・・・と歯軋りをする。
自分だけだったら窓からでも逃げられるが、さすがに澤先生も一緒となると逃走は難しい。
『(やるしかない、か)』
相「澤先生は・・・奥の部屋だよな?」
チラッと澤先生のいる場所を見る相馬。
『澤先生になんの用?』
相「あんたに教える義理はない」
『・・・行かせない』
名前は相馬と対峙する。
相「はぁ。苗字さんには聞きたいこともあるし、一緒に来てもらうから」
相馬はアイスピックを取り出し名前に向ける。
『私に聞きたいこと?』
相「まぁ正確に言えば八神探偵事務所さんに、だな」
相馬は素早い動きで近づきアイスピックを振り下ろす。
名前は寸での所でかわし、アイスピックを持っている手を狙って回し蹴りを出す。
しかし手足の長い相馬には届かず空を切る。
相「狙いは良いが届かなければ意味がないな」
『うるさいっ』
手が無理なら足への攻撃、と思い足払いをしようとするがそれも避けられ届かない。
相「さすが、海藤さんたちと一緒にいるだけあるな。
でもホントは分かってんだろ?1対1じゃあ俺に敵わないって」
『っ・・・』
わかっている、わかってはいるがそれで引いてしまっては澤先生を任された身、立つ瀬がない。
なにより澤先生に危険が及ぶため引くわけにいかない。
相「諦めて澤先生の所に行かせてくれよ。
あんたは阿久津のお気に入りで、記憶力に利用価値があるからなるべく傷付けたくない」
『無理』
相「はぁ。海藤さんもそうだったが、八神探偵事務所の人は強情だな」
名前は諦めずに果敢に攻めていくが、どれもいなされ疲労のみが溜まっていく。
『はっ、はぁ・・・』
相「そろそろ終わりにしよう。辛そうだ」
次に名前が向かっていった時、攻撃をかわし名前の負傷している腕を掴む。
打撲した箇所を握られ激痛が走った。
『っぁあ!』
痛みに喘ぎ動きを止める名前。相馬は満足そうに名前を見下ろす。
相「ずっと庇ってたろ。バレバレだ」
『離、して』
ギリギリと腕を掴む手に力を入れられ痛みに動きが鈍くなる。
そして
ドッ
『っ・・・』
ドサ・・・
名前は首の後ろに相馬の手刀をくらい、意識を飛ばし崩れ落ちた。
相馬は傾く名前の身体を支え、床に寝かせた。
相「さて」
相馬は澤先生のもとへ向かう。澤先生は怯えており、すぐに相馬に捕まってしまった。
ーーー
その頃八神は
桑名と合流し、再び阿久津と戦っていた。
下っ端たちを倒し、残り阿久津のみとなった時、誰にも気づかれず静かに桑名は逃げ出していた。
阿久津をダウンさせ、八神が周りを見ると桑名がいないことに気づく。桑名を探そうと走り出そうとすると
阿「止まれ八神ぃ!」
阿久津が八神に向かって叫ぶ。
八「さすがにタフだな。でももういいだろ」
阿「そりゃお前次第だな」
そう言うと、阿久津はスマホの画面を八神に見せながら近づく。
八「なんだ・・・?
澤先生!」
八神が目を凝らすと、画面には澤先生を捕らえ首にアイスピックを向ける相馬の姿があった。
八「やめろ!!
相馬も来てたのか・・・名前ちゃんはどうした!」
八神がそう言うと画面が動き、目を閉じ倒れている名前を映す。
八「名前ちゃん!
お前らはなにをやってんだ!何が狙いで動いてる?」
阿「名探偵なんだろ?当ててみな
いや、時間切れだ」
ニヤリと笑う阿久津。
八神が一瞬戸惑った瞬間を見逃さなかった。
八「!!」
後ろから来る気配に気付き振り返るも、すでにバットが振り下ろされた後だった。
ゴッ
と鈍い音をたて殴打され、八神も気を失ってしまった。
第12話 終