第11話 勧誘
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RKのメンバーにバレないよう中に入っていく。
倉庫から通気口を通り先に進む。
途中、メンバーが海藤がVIPルームにいると聞き、そちらに向かうことになった。
名前は壁際に置かれている段ボールなどの隙間を縫いながら向かえたが、さすがに八神はそうはいかない。
バーテンに扮したり静かに男たちを締め落としたりしながら少しずつ進んでいた。
『(背後から締め落とすのヤバ・・・)』
名前は八神の侵入の仕方が相変わらず野蛮であることに呆れていた。
八神と名前が合流し、VIPルームのすぐ手前まで来ると、ライトの裏に隠れ海藤と阿久津の様子をうかがう。
阿久津はやはり、海藤にRKに入ってもらいたいと勧誘しているようだった。
海藤は煽りながら断り続けるが、阿久津はRKに入れば金になる、その後カタギに戻って悠々自適に過ごせば良いと尚も勧めてくる。
海「だったら俺へのこの勧誘はなんだ?
一度裏の世界に足突っ込んだ奴はそのしがらみから逃げらんねぇ。俺を世間知らずのガキどもと一緒にすんな」
一度裏の世界に入ったら簡単にカタギに戻ることなどできない、海藤は強い眼差しで阿久津と対峙する。
海「お前らがどんな組織立ち上げようが俺ぁ知らねえ。
だが、これ以上つきまとってくるようなら遠慮なく叩き潰す。
もう俺らにかまうな」
阿「“俺ら”ねぇ。もしかして相棒とあのねーちゃんに遠慮でもしてんのか?
なんだったら八神だって入れてやるさ。
あのねーちゃん、名前ちゃんだっけか?もな。」
海「もうかまうなっつってんだぜ?」
少しずつピリピリした雰囲気が強くなってくる。阿久津もいつまでも断る海藤にしびれを切らしてきているようだ。
そして遂に海藤を敵と見なした阿久津。金田に仲間を集めるよう声をかけ、金田が仲間を呼ぼうとすると
八「来ちゃったよ。こんなことになるんじゃないかと思ったからさ」
『時々あるよね、姫ポジの海藤さんって』
出てきた2人に尻込みする金田。
海「俺ぁお前らがここに来ることまでお見通しだったぜ」
八「かかってこないならもう行かせてもらうけど?」
金田はナイフを出しながら行かせるわけがないと言う。
八「あーあー、素人がそんなもん簡単にだしちゃって。知らないよ?」
阿「お前らこそ何にもわかっちゃいねぇ。もうこの街は俺らのモンなんだよ」
低い声で言う阿久津に海藤も負けじと反論する。
海「誰がお前らの街だって?
馬鹿言ってんじゃねぇ。まだ俺の許しが出てねぇだろ!」
戦闘が始まる。
阿久津はソファに座ったまま状況を見ているだけだった。
3人は次々と敵を倒していく。
敵が減る度に阿久津は取り巻きたちを焚き付け、増員を呼ぶ。
『鬱陶しいなぁ・・・』
さすがに最高幹部の周りにいるチンピラを何人も相手にすると体力的に辛くなってくる。
もうこれ以上は無理かも、と思ったところで増員が止まり、立っている者は八神探偵事務所だけになった。
八「頭数揃えたってこのザマじゃな」
海「なにか言いたいことはあるか、阿久津?」
阿「あんたらのスタンスは理解したよ」
海「ならもう俺らにつきまとうな」
沈黙する阿久津。とそこへ、
「ああ、いいよ。わかったわかった!
それでいい、な?阿久津」
軽い声が聞こえ全員そちらに目を向ける。
阿久津は驚いたように話してきた男に声をかけた。
阿「なんでここに?いつからいた?」
「来たのは今。ああ、こりゃ滅茶苦茶だ」
コツコツとゆっくり近づいてきたのは、鼻にハンカチを当てた男。海藤はこの男をRKのリーダーの相馬だと話す。
阿「お前“わかったわかった”ってなんだよ?
なんにも状況わかってねぇだろが」
相「海藤さんに勧誘断られたんだろ?
で、そちらは八神探偵事務所の所長さん。
何年か前までは弁護士、今は海藤さんの相棒だ。
そして、苗字名前さん。八神探偵事務所の所員で、松金組に可愛がられていた瞬間記憶能力の持ち主」
『(そんなとこまで・・・)』
淡々と話しながら阿久津に近づく相馬に不気味さを感じながら、目で追っていく。
阿久津と相馬が話をしている。
途中で相馬が鼻を啜るのを見て「風邪かい?」と声をかける八神。相馬は埃っぽいとこうなると返事をしていた。
相「いつかあんたらに“入っとけばよかった”と思われるようにRKをデカくする・・・見返してやる。
だけど当面そっちにはおかまいしない。
これでいいか?」
海藤は了承し、去っていく。
八神と名前はその場に残りコソッと話をする。
『(そういえば・・・)八神さん、昨日の人探しのこと』
八「ああ。聞こうと思ってたよ。
今日は街であの写真の男は探してないの?
ガールズバーのマネージャーだっけ?」
八神が聞くと相馬は、その男が死んでいるというところまでわかったと話す。
返事に満足した八神は名前とともに出口へ向かっていった。
人通りの多い道までくると3人はRKについて話し始める。
八「なかなか侮れない感じだね」
『かなり人数いたしね。ちょっと体力的にきつかったよ』
海「主要メンバーだけなら50、だが一度でも関わりをもったやつを全部カウントすりゃ2000は越えてるらしい。」
そこへ八神にさおりから電話が入る。
痴漢の被害者の間宮由衣の住所とプロフィールを見つけたとのこと。
さおりは間宮由衣のマンションにアポ無しで行くと言う。八神はそれに付き添いに行き、海藤は自分が出る幕はないと帰ろうとする。
『私は文也くんの所に顔出してくる、昨日心配かけちゃったから』
八「わかった、よろしく言っといて。
RKには気を付けて」
『うん、じゃあまた』
ーーー
八神たちと別れ、一応周りを警戒しながら歩く。
横浜九十九課に着くと、九十九と杉浦は椅子に座りこちらに手を振ってきた。
事前に行くと連絡していたため、殺人動画を見ていたパソコン等は他の画面に切り替わっている。
杉「いらっしゃい。頭痛と気持ちは落ち着いた?」
『うん、また心配かけちゃった、ごめんね。
九十九くんと文也くんは大丈夫?』
九「まだ指は痛みますが変わりありませんぞ」
杉「僕も安定してきたかな」
良かったと笑っていると、杉浦はジーっと名前の顔を見てくる。
『な、なに?』
顔を赤くしながらも何故見られているか分からずどぎまぎする。
杉「・・・喧嘩した?」
『・・・シテマセン』
杉「嘘。傷増えてる」
お見通しの杉浦に素直に謝った。
杉「喧嘩しないでって言ったのに・・・。
まぁ、八神さんのことだから不可抗力だと思うけどさ。もっと名前ちゃんのことも考えてほしいね」
『痛みが酷くなってる訳じゃないから大丈夫だよ!』
杉「そういう問題じゃなくてさぁ・・・」
九「まぁまぁまぁ。お茶でも飲んでゆっくりしましょう」
杉浦と名前の間に入り、お茶を持ってくると話す九十九。
『あ、九十九くん指痛いでしょ!手伝うよ』
九「いえいえ、小指だけなので」
杉「名前ちゃんも腕怪我してるから、僕がやるよ」
『文也くんだって頭怪我してフラフラしてた』
手負いの3人は譲り合い手伝い合いながら仲良くお茶の準備をし、のんびりした時間を過ごした。
第11話 終