第10話 RK
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名前たちが神室町まで来ると、海藤は顔が険しくなる。
『海藤さん?』
海「いや、なんかさっきからいつもより街がざわついてるような気がすんだよ」
八「なにそれ、野生の勘ってやつ?」
半分冗談で聞いた八神と名前だったが、海藤はずっと難しい顔をしていた。
源田事務所に向かって歩いている途中も、チンピラがちょこまか動いてざわついていると話す海藤。
ふと周りを見ると、スマホを見せながら何かを聞き込みしている柄の悪い男たちがいた。
『そう言われれば・・・』
すると、後ろから数人の柄の悪い男たちが八神たちのもとへ歩いてくる。
男「よぉお前ら!見た顔だ。確かここらの探偵だよな」
八「だったら?」
男はスマホの画面を見せ、この男を知らないかと聞いてくる。画面には、メガネをかけた男性が、女性と一緒に写っている写真だった。
海「みんなしてその男を探してんのか?」
男「そうだよ。で?こいつを知ってんのか?」
海「おー待て待て、今思い出そうとしてるところだ」
海藤は時間をかけて話を聞き出そうとしていた。
なぜこんなに大人数を駆り出してまでその男を探しているのか、と。
男たちは5年前にいなくなった男だと話すと八神も聞き出す。
八「神室町で人が消えるって、まあわりとよく聞く話だけどさ。5年もたってそれをまた探すってなかなかないよね」
『その人の名前は?』
海「誰が探せって号令出してんだ?」
八神探偵事務所の質問責めに不快に思った男たちは、先に聞いてるのはこちらだとイライラしていた。
海藤も八神もそれに食って掛かる。人にものを聞くにはそれなりの態度があるとか探偵からタダで情報をもらうのはどうか、と。
『(まさか喧嘩しようとしてない?)』
男と八神のゴタゴタに気づいた周りのチンピラたちは、八神たちを囲うように近づいてくる。
男「スカしてんじゃねぇぞ、おい!」
男が八神に掴みかかろうとするが、八神に片手でいなされる。それに更に怒りが込み上げ戦闘モードに突入していく。
『喧嘩しないでって言われたじゃん』
八「いや、あいつらが舐めた態度とってくるから。
名前ちゃんは下がっといて良いよ」
『言われなくても』
「女を先にやれ!人質にとっちまえばこっちのもんだ!」
『ダメみたい。参戦しまーす』
痛む腕を庇いながら、応戦していく名前。
八神や海藤がうまくフォローを入れてくれるので安心して闘えた。
『ふぅ・・・ちょっと辛くなってきた』
残り1人になると、八神と海藤に任せ名前は腕を擦りながら少し離れたところで見ていた。
チラ、と周りを見ると金髪のがたいの良い男がタバコを吸いながら八神たちを見ているのを見つける。
『(誰・・・?)』
怪訝そうな目で見ていると相手もこちらを見、目が合ってぞわっと鳥肌が立つ。
ちょうど八神と海藤がチンピラを倒した所だったので走り寄る。
『八神さん、海藤さんっ』
名前は2人に声をかけ、金髪の男の方に目線を向けると2人もそちらを見る。
海「阿久津か・・・阿久津大夢」
海藤の言葉に八神と名前は驚く。
八「知り合い?」
海「元東城会の極道だ」
阿久津はニヤけながら八神たちのもとへゆっくり歩いてくる。
八神は静かに名前を自分の後ろへ隠すように前に出る。
すると阿久津はいきなりスマホを取り出したと思うと、インカメで八神探偵事務所と自撮り写真を撮った。
八「元極道ってのもいろいろだね」
阿「八神探偵事務所・・・いっそあんたらにも仕事くれてやるかな」
阿久津は人探しを依頼したいと話す。
海「お前が音頭とってたのか」
阿「いや、この件仕切ってんのは相馬だ」
相馬は失踪した男を見つけたら大金を出すと言っていて、今神室町中でレースになっているとのことだった。
相馬というのは、元東城会で今は“RK”という半グレのリーダーの相馬和樹のことだという。
八神が東城会にいた連中はみんな半グレになったのかと呟くと、阿久津は極道よりも縛りがなくて居心地が良いと話していた。
阿「気に入らねぇ奴がいりゃあ、ただ後ろからこっそり刺しゃあいい。音も立てずにブスりといく」
阿久津は3人の後ろをとるかのようにゆっくり歩いてくる。八神たちは背を向けないよう阿久津の動きに合わせて向きを変えていく。
阿「背中には気を付けんだぞ、探偵。
それがイヤなら俺らに気に入られるようにしな。
後ろの可愛いねーちゃんを差し出してくれても良いぜ?」
『・・・』
八神の耳元で話す阿久津。
話の内容が聞こえて名前は阿久津を睨み付ける。
阿久津はクククッと笑い「次は警告なしだ」と言って仲間とともに去っていった。
『何か、嫌なタイプ・・・』