第8話 乱歩
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日
体調が安定した杉浦と朝御飯を食べながら昨日の話と今日の予定を話す。
杉「じゃあ今日は八神さんと東京なんだ」
『うん』
杉「僕も行きたかったなー」
『ふふっ、文也くんは異人町の平和守らなきゃ』
杉「はいはい。まぁ聞き込みとかしようかな」
『頑張ってね。
じゃあ、現地集合だから行ってくるね』
朝食を終え、片付けをすると名前は荷物を持ち、池袋駅へと向かった。
ーーー
八神と名前は、星野と共に池袋駅、電車内、新宿駅で防犯カメラの映像などを見ながら江原の様子を確認している。
今は新宿駅。
防犯カメラの映像には今のところ気になるところは無し。
しかし、計画的に痴漢事件を起こさなければ御子柴の事件に関与することはできない。
今の段階ではこんなものか、と判断し現場検証を終えた。
今はさおりと八神が電話している。
残された名前と星野。名前は気になっていたことを星野に尋ねる。
『ねぇ星野くん』
星「なんですか?」
『最近さおりさんとどうなの?』
星「は、はぁ!?」
名前の質問に星野は狼狽える。予想以上に大きな声を出してしまったようで、八神はもちろん周りの人もチラッとこちらを見る。
星「べべ別に、なんにも、なってませんよ」
『ふーん・・・ま、さおりさんが他の男になびいちゃう前に捕まえといた方が良いと思うけどね』
星「・・・」
シュン、と落ち込む星野。
そこへ八神が電話を終え近づいてくる。
八「なんかあった?」
『え?星野くんが「いやいや関係ないです!気にしないでください!そ、それより、さおりさんはなんて?」
捲し立てる星野に八神は不思議そうにするが、さおりとの電話の内容を伝えることにした。
これからは誠稜高校で御子柴が本当にイジメをしていたのか確認しに行き、明日はさおりと江原の接見に行くようだ。
『また誠稜高校行くの?私は入れないから事務所戻っとく?』
八「いや、昨日の澤先生の様子だと長話なんてできないと思うし、話の内容によってはまた他の場所に行くこともあるかもしれないから、どこかで時間潰して待っててくれる?」
『はーい』
八神と名前は再び異人町に戻った。
神内駅で下り、八神は誠稜高校へ。名前は学校近く、川沿いのベンチに座り情報の整理や休憩をしていた。
『・・・?』
ベンチに座っていると何やら視線と荒い息遣いを感じる。
何だ?と思って周りを見渡すと
『・・・・・・・犬?』
「ワンッ」
こちらを見つめて尻尾を振っている犬がいた。
『可愛い。おいで』
名前が膝をポンポン叩くと、犬は待ってましたとばかりに飛び乗ってきた。
首輪が付いており、自分で咥えてきたのかリードが傍らに置いてある。
『君はどこの子なんだい?』
「ワンッ!」
『お名前は?』
「ワンワンッ」
『そうかそうか』
よしよしと脇腹を撫でると気持ち良さそうに目を細める犬。可愛いなぁと思いながら全身を撫でていく。
と、そこへ
杉「あれ、名前ちゃん。
・・・・何してんの?」
杉浦が通りかかった。
大量のビールが入った袋を持って。
『え、犬と遊んでた。八神さん待ってる間に。
そっちは何?宴会でも始めた?』
冷めた目で見ながら答えると、桑名が来ていて接待してる、とのことだった。
杉「あ、その犬・・・」
『え、文也くんこの犬知ってるの?』
杉浦が言うには、今噂の探偵犬らしい。事件の匂いを嗅ぎ付けると付近の人に知らせに行くとか。
九十九課の事務所にも何度か来たことがあるらしい。
『へぇ、名探偵なんだ君は。凄いねぇわあっ、ちょ、くすぐったいって!』
杉「(・・・今度名前ちゃんと動物園にでも行こうかな)」
凄い凄いと撫でていると、犬は名前に乗りかかり頬を舐め始めた。
笑いながら犬と戯れている名前に心を奪われ、動物と触れ合える所に出掛けようと心に決めた杉浦だった。
『あはっ、ダメだってばぁ。
そういえば文也くん、桑名さんたち待たせてるんじゃないの?』
戯れながら杉浦に話すと、名前に見とれていた杉浦はハッとして手に持っていた袋に目をやった。
杉「あ、そうだった。じゃあ名前ちゃんも八神さんと帰ってきたら飲もうよ。ちゃんとチューハイも買っといたから」
『ありがと』
杉浦が帰っていった後、犬は疲れたのか名前の隣で眠そうにしている。
『八神さん遅いなー』
すぐに終わると言っていたが、なかなか帰ってこない八神に少し不安を覚える。
犬を撫でながらボーッとしていると、遠くから八神が歩いてきた。
八「名前ちゃんごめん、遅くなった。
・・・犬?」
『犬』
名前は杉浦に聞いた探偵犬のことを八神に話した。
八「(なんか天沢みたいな犬だな)」
八神は誠稜高校で知り合ったミス研の天沢鏡子のことを思い浮かべる。
「ワン!」
すると犬が起きて立ち上がり、置いてあったリードの近くでアピールする。
『?どうしたのかな、連れてって、ってことかな』
八「事件の匂いを嗅ぎ付けたのか?しょうがない、行ってやるか」
犬にリードをつけると楽しそうに歩いていく。