第7話 桑名仁
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八神が学校へ向かって数時間が経った頃
海「ぐぉおー・・・」
杉「・・・・・」
休憩で外に出ていた名前が帰ってくると二日酔い+寝不足組はソファで寝ていた。
『はぁ。』
名前は今日何度目かわからないため息をつき、2人に毛布をかけると九十九の所へ向かう。
テイクアウトしてきた九十九のご飯を渡し、声をかける。
『学校は特に変化無し?』
九「ええ。」
そこへ八神から九十九に連絡が入る。スピーカーにしてもらい、2人で話を聞く。
学校では澤先生と話すことは叶わず、御子柴の事件現場に行ってみると言う。
八《名前ちゃんこっち来れそう?やっぱり現場を調べるのには名前ちゃんの力が欲しくてさ。
てか、海藤さんと杉浦は?》
『うん、行けるよ。現場に直接行くね。
海藤さんと文也くんは仮眠とってるから九十九くんに任せるよ』
九「任されました。気をつけて行ってきてくだされ」
八《助かる。じゃあまた後で連絡する》
櫻川沿いの廃ビルの2階
名前が到着すると、既に八神が入り口付近で待っていた。お互いに手を上げて挨拶をすると、立ち入り禁止のテープが貼ってある扉に注目する。
『正面からは無理そうだね』
八「ああ。ビルの脇に行けそうなルートがあるか見てみよう」
2人はビルの裏の室外機やパイプを伝いながら2階の窓に行けるルートがあるとわかると、勢い良く上っていった。
八「こんちはー・・・誰もいないっスよねー?
・・・お邪魔しますよー」
『こっちまで怖くなるからやめて』
八「へいへい。えーっと、死体があった現場は・・・」
2人は矢印の焦げ跡や血痕に注目する。
『ホントにここだね、現場。しかもここで殺されてる』
八「そうだね・・・ん?」
調査をしていると、微かにカチャ、という音が聞こえ、焦る2人。
静かに隠れようとするが、八神が小石を蹴って音を出してしまう。
「今の音・・・誰だ!」
すぐにその音を聞きつけ、階段から上ってきたのは2人の男。八神、名前を見ると怪しむような目を向けてくる。
一度疑われて手錠をかけられたものの、素性を伝えると情報と引き換えに手錠を外してもらえることとなった。
男は神奈川県警の渡辺というらしい。
渡辺に八神しか持っていない御子柴が生きているときの写真を見せると目の色を変えていた。
渡「桜井、御子柴の死体写真を見せてやれ」
渡辺は御子柴の事件に江原明弘が関わっているかもしれないという件で動いているらしい。江原についてさおりとも話をしていたようだった。
また、警視庁と神奈川県警で手柄の取り合いになっており、情報を出し渋ってお互いに足を引っ張りあっているとのこと。
そのため、自分たちが持っていない情報を手に入れていた八神たちを使えると判断し、江原について八神たちと協力する気満々で手の内、情報を出している。
何かあったら自分の責任だと。
八「あ、ちょっと待ってください。彼女には見せないように」
八神は名前が写真を見ないよう配慮して欲しいと桜井と呼ばれるもう1人の警官に伝えた。
渡「?」
八「訳ありでして」
『すみません・・・』
八神だけが死体の写真を見ると、名前に見せなくて良かったと切実に思った。大分酷い写真だったからだ。
それから事件について、お互いに持っている情報を話し合っていた。
話の内容は主に痴漢で捕まっていた江原に犯行は可能だったのかということや死体の状況などだった。
『・・・ちょっと、無理かも』
名前は御子柴が発見された時の様子や致命傷になった傷の話などを聞き、結局今までに見てきた凄惨な現場の様子がフラッシュバックし貧血を起こして座り込んだ。
渡「どうした、大丈夫か?」
八「あー・・・名前ちゃんちょっと特殊な体質で。外の空気吸わせてあげてくれません?」
渡「わかった。桜井、ついててやれ」
名前は桜井と共に窓辺に向かい、外の風に当たろうとする。
『すみません・・・あれ?』
ふと外を見ると何かに気付く名前、八神と渡辺が不思議そうに見る。
『双眼鏡をこっちに向けてた人がいる』
八神が窓に駆け寄り外を見ると男たちは急いで背を向けて歩き始めていた。
八「名前ちゃん、特徴覚えてる?」
『うん、30前後の男の人3人。黒い服とグレーと迷彩。双眼鏡を持ってるのは黒いジャケットの七三分けの人』
八「了解。俺の番号はさっきの名刺にあるんで!」
八神は話を終えるとすぐに窓から飛び降り、男たちを追っていった。
渡「何なんだお前ら・・・」
『・・・フットワークの軽さが売りのいつでもフルスイング探偵事務所です』
違うことに集中できたことで大分気持ちが落ち着き、刑事2人と共に外に出た。
しばらく川沿いで待っていると、八神が先ほど双眼鏡で見ていた男を捕まえて連れてきた。
男曰く冷やかしで事件現場を見に来たとのこと。
名前は赤池、30歳。一緒にいたのは黒河学園という東京の高校の同級生だと。
刑事2人が後から来た男たちの事情聴取をしている間、離れたところで様子を見ていた八神と名前。
冷やかしの男たちが帰った後、渡辺がこちらへ向かってくる。
渡辺はなぜか八神たちを信用したようだった。
「城崎先生によろしく」と言って去っていった。
八「とりあえず九十九課に戻ろう。フラッシュバックは大丈夫?」
『あ、うん。双眼鏡の人たち記憶したときに落ち着いた』
八「なら良かった」
2人は九十九課に戻っていった。
さおりに電話をし、もう少し江原の情報が欲しいという話になった。
そこで、明日星野と一緒に痴漢事件の現場である池袋駅などを見てみることに。
八「明日の現場検証も同行頼める?」
『うん、大丈夫』
八「サンキュー。じゃ、今日はもう解散しよう」
『はーい、お疲れさま』
名前は九十九課を出て杉浦の家に帰った。
第7話 終