第6話 周囲の力
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ーーー
翌日、メンバー全員で学校へ向かう。
人目につかないように理事長室へ入り、八神から作戦を聞く。
2年2組でイジメが起きた時、八神たちがイジメっ子たちを糾弾する言葉をスピーカー越しに話す。
それに焚き付けられた周囲の傍観者の生徒たちもイジメっ子たちに文句を言えば完璧だ、と。
みんなでパソコンのカメラ映像を見ながらイジメが起きるかどうか見守っていると、
八「始まったな」
お昼休み、昨日八神にやられた松井が香田さんの近くに行き、乱暴な言葉を掛けていく。取り巻きのバスケ部たちも椅子や机を蹴るなど見るに耐えない様子だった。
『もうやっちゃう?』
八「そうだな」
八神はマイクを持ち、話しかける。
八「あーあ!気分悪りぃなあ、メシが不味くなるよ」
八神の声が2年2組に響いたようでみんなキョロキョロしている。自分じゃないと傍観者の生徒は手をブンブン振っている。
杉「ちゃんと聞こえてるね。じゃあ次僕ね」
《気分悪りぃって俺たちのことか?》
カメラの映像から怒りの声が聞こえてくる。
杉「そんなの当たり前じゃん、ほかに誰がいんだよ」
海「あー、俺もそう思ってた!だよなぁ!」
八「毎日毎日女の子ひとりにご苦労さん!」
『自分より弱い人にしか行けない弱虫集団だよね』
海「あれでいい気になってんだから、めでてぇよなぁ」
チンピラ探偵集団の煽り文句に、焦り始めるイジメっ子たち。しっかり周りの傍観者たちが話していると思い込んでいるようだった。
《なにみんな?ちょっとこいつ香田だよ?エロ女に味方すんの?》
杉「香田さん大丈夫?そんなやつら無視しなよ」
八「馬鹿っぽい悪口だよなぁ、エロ女だってさ」
海「いよっ!清純派はご潔癖ですなぁ!」
《なんなの!?ねぇ!》
杉「ヒステリーはみっともないなぁ。それじゃモテないよ?」
『香田さんの方がモテそうだよね』
《はぁ!?》
今までは自分が言っていると疑われないよう必死だった傍観者の生徒たちだったが、じっとイジメっ子たちを真っ直ぐに見つめている。
《なに見てんだ?何か言いてえことでもあんのかよ?》
八「あるに決まってんじゃん。まだ気付いてねぇの?」
と、その時
《たしかにさ・・・お前ら、いい加減にしろよ》
八「そうだよ、それそれ!ほんと何様だぁ!」
《なぁ、もう香田に構うなよお前ら》
杉「そうだ!香田さんに近づくな!」
教室にいた生徒たちはジリジリイジメっ子たちに近づき、自分の思いを話し始める。
イジメっ子たちはそれに耐えられず教室の外に出ていった。
澤「すごい・・・あの子たちがこんなにまとまるなんて」
一部始終を見ていた澤先生が驚いている。
八神は、九十九課でチラッと見たイジメの本の中にあった傍観者効果の話をしながら今回の作戦のことを話した。
八「これでイジメが解決したかはわかりません、けどそのとっかかりにはなるのかも」
後は生徒たちに任せ、大人から下手に手を出さないようにと澤先生に声をかける八神。
澤先生は不服そうにしながら理事長室を後にした。
奥「しかしお見事でした、八神さん」
理事長に認められ、九十九課の2人からもまた称賛される。
八神が嬉しそうに笑うと、スマホが鳴ったことに気づいた。
八「すいません、ちょっと」
八神が電話している様子を見る他のメンバー。
さおりの名前が出てきたことで、源田事務所からの電話だとわかった。
海「なんの話してんだ?」
『・・・何か込み入った話?』
八神の表情や返事の声色、内容で何か深刻なことが起こっているのではないかと考える。
杉浦に話しかけると、「さぁ」と言うように肩をすくめている。
“殺し”や“死体”“復讐”など物騒な言葉も聞こえる。
本格的に話がわからなくなってきたが、さおりから八神に依頼があるということは理解した。
『とりあえず後で聞き出すしかないね』
海「だな」
大分長い電話を終え、海藤が電話の内容を聞こうとするが、まずは理事長と話をしたいと言われる。
『(詳細を話さないの珍しいな・・・何か大変なことが起こってるみたいだね)』
奥「あの・・・八神さん、なにか?」
困ったように八神に話しかける理事長。
八神も何から話したら良いか迷っているようだった。
八神は言葉を選びながら、失踪した教育実習生御子柴弘の話を聞いていく。別件の調査と言って。
理事長は御子柴に何かあったのではと察するが、八神は答えられないと話す。
『(言えない、ということは何か捜査妨害かなにかに当たりそうな案件・・・まさか、亡くなってる?)』
想像で色々決めつけるのは良くないと思い、今は理事長と八神の会話に集中することにした。