第1話 横浜九十九課誕生
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創薬センター事件のしばらく後
今日は名前はお休みをもらい、杉浦と出掛けていた。映画を見たいと意見が一致し、近場の神室町で見ることになった。
映画の前に喫茶アルプスでお茶を飲もうと中に入ると、前の方の席に知り合いを見つけた。
『あれ、八神さんと九十九くん?』
仕事の話だろうか、八神探偵事務所所長の八神と、情報屋の九十九が紙を見ながら話していた。
八「お、名前ちゃんと杉浦じゃねぇか。デート?」
杉「まあね。そっちの人は名前ちゃんたちの知り合い?」
杉浦が聞くと、九十九は杉浦の方を向き答える。
九「ボクは九十九誠一、よく八神探偵事務所に情報を提供している友人なのであります。よろしくお願いいたしますぞ。」
杉「(なのであります?ますぞ?)・・・僕は杉浦文也。よろしく」
九十九の語尾が気になったが自己紹介を始める杉浦。そんな杉浦を見て八神と名前は笑う。
九「杉浦氏ですな。噂には聞いておりますぞ。なんでも苗字氏の彼氏だとか」
杉「(杉浦氏?苗字氏?)ははっ、九十九くんって面白いね!」
『・・・なんか2人相性良さそうだよね』
八「そうだな」
絶対に人を否定しない優しい雰囲気の九十九、物事をズバッと言うこともあるが素直で人を大切にする杉浦。
2人の間には穏やかな雰囲気が流れそうだ。
早速話が合ったようで連絡先を交換している。
ネットゲームの話でも盛り上がっていた。
『・・・』
名前がニコニコして九十九と杉浦の様子を見ていると、「なに?」と杉浦が訝しげな顔で聞いてくる。
『え、いや。文也くん最近表情柔らかくなったなって思ってさ』
3年前の事件の真相を掴むまでは他人と接していてもどこか距離を感じていた。
事件が解決し、大久保と一緒に姉の墓参りに行ったことがきっかけになったのだろうか。
杉「ふっ、なにそれ。
あ、もうこんな時間。名前ちゃん、映画始まっちゃうよ」
『ホントだ!八神さん、九十九くん付き合わせちゃったみたいでごめんね』
九「楽しんできてくだされ」
八「じゃあな」
2人は急いで頼んだコーヒーを飲み干し、店を出て映画館へ向かった。
映画は探偵物だった。
名前は八神に勉強を教えてもらっているときから探偵物の作品にハマっており、杉浦は八神との出会いをきっかけに見るようになったのだとか。
映画を見終わり、感想を言い合う2人。
杉「名前ちゃんって、映画のこういう・・・スプラッタ的なやつは大丈夫なの?」
『一応ね。フィクションって理解してるからかな。でも限度はあるよ?探偵物とか刑事物とかは全然平気』
杉「へー」
『杉浦くんはさ、探偵に興味あるの?』
杉「うーん、どうかな。でも八神さんを見てると格好いいなとは思うよね」
弱い立場の人の味方になり、救おうとする八神が目標だと言う。
『ふふっ、自分のとこの所長を褒められるとなんか照れるね』
2人はその後も食事や買い物を楽しんだ。
ーーー
1年後
名前は杉浦とともに横浜、伊勢佐木異人町の浜北公園のベンチに座りながら話をしていた。
『え!新しく探偵事務所を作る!?』
杉「そう。九十九くんと」
『九十九くんと!?』
杉「しかももう事務所の場所も決めた」
『早っ!』
1つ1つに驚きの声を上げる名前に、杉浦はクスクス笑いながら詳細を話す。
杉「九十九くんとかなり波長が合ってね。
八神さんの話とかしてたら憧れが強くなってきてさ。僕たちもやってみたいね、って話になったんだ。
お互い決断力と行動力がなかなかあってさ。今のところはトントン拍子だよ」
『そうなんだ。でも何でまた横浜に?神室町でも良かったじゃん』
杉「いや、八神さんたちの邪魔になったら嫌だなと思って。神室町と雰囲気が似てるから良いかなーって」
神室町と異人町を頭の中で想像すると、やはりどこか似通っていると気づいた。
街並みはさることながら、異人町にも異人三という極道やマフィアなどの3つの勢力が抗争をしていたことがあったと記憶している。
杉「あ、八神さんとか海藤さんには内緒にしといてくれない?形が出来上がるまではなんか恥ずかしくてさ。
八神探偵事務所に顔出すのも控えようと思ってるし。」
片目を閉じながら人差し指を唇に当て、“シー”のポーズをとりながら言う。
八神探偵事務所に来なくなるというのは寂しさも感じるが、2人の夢を応援することにした。
『わかった。2人なら良いコンビだからすぐに依頼人来るよ!完成を楽しみにしてるね』
杉「ありがとう。」
こうして、神室町、異人町での物語が始まっていく。
第1話 終
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