ハルクの逆襲編②
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その頃名前はタクシーに乗っていた。
窓の外を見つめながら、少しだけ後悔していた。
自分もちゃんと聞けば良かった、対話すれば良かったと。
明日しっかり八神たちと話してみようと決心する。
「お客さん、ここでいいですか?」
『あ、はい。ありがとうございます』
気がつくとマンションの前に着いていた。
お金を払い、タクシーを出る。
そしてマンションの入口に向かうと
『ぇ・・・な、なん・・・で・・・』
名前は目を見開いて固まった。
目の前に見知った顔の男が現れたのだ。
レ「久しぶりだなぁ名前・・・」
その男は、ハルクの幹部“レイト”だった。
昔名前の大切な人たちを殺し、名前を拐った張本人。
昔と変わらない、長身で細身、髪は少し長めの黒髪を後ろでひとつ結びにしている。
薄い色のサングラスの奥は切れ長の目がこちらを捉えていた。
『ぁ・・・・ぁあ・・・』
名前はトラウマがフラッシュバックし身体を震わせ声も出せずにいた。
レ「変わってねえなぁ。ちっとは大人っぽくなったかぁ?
ま、俺もお前に思い出してもらうために昔と同じ容姿にしてるがな。
思い出せたろ?な?」
レイトは名前を見下すように笑いながらジリジリと近づいていく。名前は震える足で少しずつ下がる。
蛇に睨まれた蛙、名前はレイトの動きから目を離せずにいた。
レ「そんなに嫌がるなよ。俺たちの仲だろ?
忘れたのか?
殺し、詐欺、強盗・・・色んな悪事を一緒にやったなぁ?
もう一回やろうぜ?俺たちならデカくなれる」
『ぃや・・・来、ないで・・・・・』
その時名前のスマホが鳴り、ハッと我に返る。
『助けっんん!??』
声を振り絞り、周囲に助けを求めようとするが叶わず、後ろから近づいていたレイトの仲間に布で口を塞がれてしまった。
なにか薬品が染み込んだ布だと瞬時に理解し息を止めようとするが、精神的ストレスによる息切れにより薬品を吸い込んでしまった。
『んんっ・・ん!・・・・・・・』
もがこうとするが、意識が朦朧としてきて身体が思うように動かない。
そして遂に意識は闇に飲まれてしまった。
その拍子にドサッと持っていたカバンが落ちる。
カバンの中では未だに着信音が鳴り響いていた。
レイトはカバンを蹴り端に追いやると、ぐったりしている名前を担ぎ上げ近くに停めていた車に乗せ、発車した。
ーーー
その頃八神たちは、名前を探すべく神室町を歩き回っていた。
八「やっぱり名前ちゃん電話に出ないな、怒らせたからなのか・・・
杉浦に連絡してもらうか」
八神は歩きながら杉浦に連絡する。
杉《もしもし》
八「もしもし、八神だ。
杉浦、お前今名前ちゃんに電話できるか?」
杉《は?なに急に》
八神は理由は後で話すと言って、電話をして欲しい旨だけを伝え電話を切る。
数分後、折り返しがかかってきた。
杉《八神さん・・・出ないよ。
メッセージも送ってみたけど既読つかない》
八神は想定していた最悪の事態が起きてしまったことを悟った。
杉《ねぇ、どういうこと?名前ちゃんになにが起きたの?》
八神は昔名前を利用していたマフィアがまた神室町に来て名前に接触しているかもしれないと伝えた。
杉《(八神さんたちはきっと前から知っていて、名前ちゃんに言わなかったんだ・・・。
だからあんなに落ち込んで・・・)》
杉浦は八神たちに怒りを覚えたが今はそれどころではない。
杉浦は名前が家に帰ってなにかしているのかもしれないと話し、名前の家に向かうことにした。
八「助かるよ、俺らはもう少し神室町を探してみる。
奴らのアジトが近くにあるかもしれないんだ」
海藤は名前を探して歩いている時に、幹部がとある廃ビルに入っていった所まで追えたと話していた。
そして杉浦からの報告次第ではそこに乗り込む覚悟でいた。
数十分後・・・・
八神のスマホが鳴る。
急いでスマホを操作すると焦った杉浦の声が聞こえる。
杉《八神さん、かなりヤバいかも。
名前ちゃん家にいなくて、電話をかけながらマンションの近く歩いてたんだけど・・・・
近くで着信音が聞こえたから行ってみたら、名前ちゃんのカバンだけが端に落ちてた》
八「!!」
杉《すぐそっちに合流するから、そこでちゃんと詳細教えてくれる?》
八「わかった」
八神は杉浦との電話を終えると海藤に杉浦に言われたことを伝えた。
海「チッ、やべぇな。
とりあえずさっき見つけたアジトみてぇな所に乗り込むか」
八「そこに連れてこられてればそれで解決だ。リーダーとか幹部がいたら尚良しだ」
2人は海藤が先ほど見つけた廃ビルに急いで向かった。
② 終