ハルクの逆襲編②
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家に帰ると杉浦に電話をする名前。
数コールの後杉浦の声がしてどこか安心感を覚えた。
杉《もしもし、お疲れさま。なにかあった?》
『お疲れさま。
文也くんあのさ、八神さんたちと最近話した?』
杉《え?話してないけど。なんで?》
不思議がる杉浦に、名前は昨日と今日の八神たちの様子を伝えた。
『なにか私しちゃったかな?』
自分がなにかしたのではないか、自分のせいなのではないかとネガティブに捉え始めていた。
杉《どうだろ、身に覚えはないんだよね?
でも八神さんたちの様子を聞くとやっぱり変だね》
『うん、一昨日までは本当に普通だった。笑顔で別れたし海藤さんに飲みに誘われたし。
昨日の朝出勤した瞬間から変だった・・・』
声が暗くなり始めた名前に杉浦は不安を覚える。
杉《僕からも電話してみようか?》
『ううん、また変に気を遣われたらイヤだもん。
ごめんね急に。もうちょっと八神さんたちの様子見てみる』
杉《・・・わかった。
またなにか変わったことがあったら言って》
杉浦との電話を切ると、本日何度目かわからないため息をつき、気持ちを切り替えようと夕飯の支度を始めた。
ーーー
翌日
今日は名前が出勤した時に事務所にいたのは八神1人だった。
『おはようございまーす』
八「おはよう」
2人は無言で今日の浮気調査の依頼人との話の準備をしていた。
八「(気まずい。海藤さん、はやく来てくれ)」
『(はぁ・・・八神さんは今日も、か)』
途中で海藤が出勤してくると世間話などが増え、気まずさは若干なくなったものの、まだ3人ともソワソワしていた。
昼過ぎ
依頼人との話の時間になると、海藤は3人もいらないだろうと外へ出た。
もちろん、ブラブラしながらハルクの動向を探る目的もあるが。
依頼人が来ると、八神と名前はさすがにその空気を出すわけにも行かず普段通りを意識して会話を進めていた。
依頼人との話が終わり、一息つく八神と名前。
『無事終わったね、ありがとう』
八「お疲れ。一旦休憩入れよっか、海藤さん暇してるだろうし連絡入れるよ」
八神が海藤に連絡をとるべくスマホを見ると、
八「!!」
海藤から既にメッセージが入っていた。
“ハルクの幹部だったヤツを見かけた。
ちょっと追って居場所を突き止めてくる”
『どうしたの?』
八「あ、いや。何でもない、海藤さん外で困ってるおばあちゃんを助けてるから遅くなるって」
八神はずっと嘘をつき続けていることに罪悪感を感じつつも、後少しの辛抱だと心の中で謝罪する。
『(また・・・)そっか』
名前は寂しそうに笑って仕事の続きをしていた。
夜、海藤が戻ってきた。
海「たっだいまー、遅くなっちまったな。」
いつものおちゃらけた雰囲気で帰って来た海藤。
八「お帰り、おばあちゃん大丈夫だった?」
八神と海藤はこっそりやりとりをしていて、設定は共有していた。
海「ああ、助けてくれたお礼に、ってお茶までご馳走になってよ。
今の今までゆっくり話聞いてたらこんな時間だったわけだ」
『・・・嘘』
海「ん?」
『嘘だよ、それ。
だってタバコ臭い。海藤さんはおばあちゃんの目の前でタバコ吸うような人じゃないもん』
名前は海藤から漂うタバコの匂いに気づいていた。タバコの匂いは長くても1時間くらいしないと消えない。
しかも消えかかっているような匂い。
帰り道に吸ってきたらもっと強く匂うはずだ。
海「あ、お、おばあちゃんもヘビースモーカーで一緒に吸ったんだよ!」
一度疑ったらもう止められない。
名前は今までの不信感や不安が爆発してしまった。
『いい加減にして!』
八・海「!?」
突然大声を出した名前に身体をビクつかせる八神と海藤。
『最近2人ともおかしいよ!私に隠し事して、誤魔化して・・・なんでなにも言ってくれないの!?こんな空気のまま仕事なんてしたくない!!』
息をきらしながら自分の思いを訴える名前に、八神と海藤は何と言ったらいいか、と口ごもる。
『・・・わかった、もういい。今日は帰る』
名前は何も話さない2人に痺れをきらし、カバンを勢い良く掴むと事務所から出て行った。
八神と海藤は急いで追いかけた。危険だと知らせるために、謝って真実を伝えるために。
しかし、走って行ったのか名前の姿は見えなかった。
タクシーを捕まえたのか、駅周辺を探してみるも全く見つからない。