ストーカー騒動
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また次の日
名前が1人で外に聞き込みに出ているときは明るく人の目が多かったからか、特に動きは無かった。
『ただいまー、なんともなかったよ・・・って、何で東もいるのさ』
名前が帰ってくると、杉浦だけでなく東まで事務所で待機していた。
東「兄貴から話聞いてよ。別に心配とかいう訳じゃねぇけど、様子見に来ただけだ」
『ツンデレだ』
ツンデレの東に癒されつつ、今後の作戦を練った。
帰り、わざと人の少ない暗い路地を1人で通る。杉浦たちは離れたところから様子を見、もしストーカーが接触してきたら出ていくという流れになった。
『じゃあ、お疲れさまでーす』
夜、1人で事務所を出る名前。しばらく歩くと
杉《名前ちゃん、聞こえる?杉浦だけど。》
『聞こえてるよ』
付けていたインカムに杉浦から、ストーカーらしき男が動いたかもしれないと伝達が入る。そして自分たちもさりげなくその男についていくと。
わざとらしくならないよう気を付けながら暗がりの路地に入っていく名前。
杉《名前ちゃん、男が接近してる。気をつけて》
『了解』
答えるが早いか、後ろから足音が響く。
名前が止まると止まる。
後ろを振り替えると、そこには帽子を深くかぶり冴えない感じの男が立っていた。
『えっと、どちらさまで?』
名前が聞くと
男「ああ・・・やっぱり生で聞く名前さんの声は素敵だ・・・」
と恍惚の表情になる男。ドン引きの名前。
『え、えっと、何の用でしょうか?』
男「神聖な名前さんを守りに来たんだよ、悪い奴らに狙われているからね」
お前のことじゃないのか?と名前は思いながらも冷静に返事する。
『悪い奴ら?』
男「名前さんが首をかしげる姿、まさに天使のようだ・・・そうさ、いつも一緒にいるじゃないか。ゴロツキみたいな男どもが」
『(気持ち悪い・・・けどゴロツキは否定できないな。)
えっと、私の彼氏と同僚のことですかね。』
男「そうだ、あの男どもは名前さんを穢してしまう。」
どういうこと?と顔をしかめていると男は名前に近づき肩を掴む。
避けたり反撃したりできるが、ストーカーは現行犯で対処するのが基本だ。きっとみんなが対策を講じてくれるはずと信じ、そのまま掴まれることにした。
『っ・・・放して』
男「名前さんは神聖なんだ!穢れちゃいけないんだ!俺が守ってあげるから!だから俺と一緒に・・・」
と男が興奮気味に話すと、男の肩にポンと置かれる手。
杉「はーい、そこまで」
海「どーも、悪い奴らでーす」
男の後ろには、みんなが勢揃いしていた。
杉浦と東は怒った顔、海藤は笑いながら、八神は動画を撮りながら男を見ている。
男「そうだ!お前らだ!お前のせいで神聖な名前さんが穢れるんだ!」
海「神聖な、だってよ」
『うるさい海藤さん。
ていうかもう手、放してください、痛いです』
男「ダメだ!放したらあの男どもの手に渡ってしまう!このまま一緒に俺の家に帰るんだ!」
男は感情的になってきたのか、肩を掴む手に力が入ってくる。
『痛っ・・・放してってば・・・』
男「見ろ!あの悪そうな顔つきを!
彼氏だという男は茶髪だしチャラいし他の女も誑かしているはずだ。
その他の男はただのチンピラじゃないか。どうせ反抗期から母親を泣かせてきたんじゃないか?」
鼻で笑うように言う男に名前は俯いて固まる。
そんなことは知らない男はさらに続ける。
男「自由気まま、自分勝手に生きて苦労も知らないような社会から嫌われてる不良どもに名前さんはあげられない!!
はあうっ!??」
叫んでいる男がいきなり膝から崩れ落ちる。
よく見ると、名前が男の股間に蹴りを入れていた。
『黙って聞いてれば・・・あんたにこの人たちの何が分かるって言うの?
そりゃあ一見ただのゴロツキだよ。
でも、色んなもの背負って生きてんの!
人一倍辛い思いをして這いずり回って生きてきたずっとずっと凄い人たちなんだから、それを馬鹿にしないで!
人を見た目で決めるあなたの方が最低だよ・・・』
半分泣きながら話す名前の近くに寄る杉浦たち。
杉浦は名前を守るかのように自分の身体に寄せる。
杉「というわけだから。帰ってくれる?」
にこやかに威圧する杉浦。
八「女の子が嫌がってるのに掴みかかってる映像撮れたけど、どうする?あ、ちなみに俺こういうの持ってるから」
スマホと弁護士バッジを見せながら話す八神。
海「今の名前ちゃんの蹴りの100倍痛い鉄拳を味合わせなきゃな!」
東「そうっすね、兄貴」
元極道の威厳で睨み付ける海藤と東
そんな3人を見、男は
男「もう名前さんには近づきません!だから命ばかりはお助けを!!」
と言って去っていった。
『・・・・・』
男が去っても名前は杉浦に身体を預けている。
杉「名前ちゃん?」
まだ自分達が侮辱されたことを気にしているのか、と3人が慰めようとすると
『・・・しい・・・』
「「「?」」」
『恥ずかしい・・・』
いくらムカついたからとはいえ、普段は胸の奥にしまっていて面と向かってなど言えない言葉で啖呵を切ってしまったことに照れていた。
杉「ありがとう名前ちゃん。やっぱり名前ちゃんて優しいね」
頭を優しく撫でてくる杉浦。
海「お熱いこって」
と言いつつも優しい兄のような視線を2人に送る八神、海藤、東だった。
こうしてストーカー騒動は幕を閉じた。
おわり