祭り
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人は多かったものの、屋台近くのテーブルに座ることができた。
幸太郎がたこ焼きを食べている様子を名前と杉浦は微笑んで見ていた。
幸太郎もその視線に気づき、照れながらもたこ焼きを完食していた。
幸「えっと、ありがとうございました」
『気にしないで。奥の人が少ないところ行こっか、そこでもう少し詳しく話し聞かせてくれる?』
幸「うん、わかった・・・」
出店の並ぶ通路から出ると
「!おい、見つけたぞ!」
『!?』
運悪く目の前に幸太郎を追っていた集団が現れた。
杉「逃げるよ」
『おっけー』
杉浦はアゴをくいっと上に向け、上に逃げることを伝えてくる。
杉浦は幸太郎を抱っこしているため先導は難しい。
名前が先に行き、道を切り開いて行く役割を担った。
『(ビルが多くて助かるね) あっち行けそう!』
都会の真ん中での祭りだったため、少し道を行くとすぐにビル街にたどり着いた。
路地裏まで走り、名前の頭ほどの高さの塀に飛び乗る。
振り返り幸太郎を受けとるべく手を伸ばす。隙を見て肩車をしていてくれたらしく、すぐに幸太郎を抱き上げることに成功した。
杉浦は近くに来た男を足蹴にして塀を飛び越えた。
名前は幸太郎も行ける足場を選び、時にはジャンプの補助をしながら路地裏を進んでいく。
幸「はぁっ・・・はぁ・・・」
『(体力ないのかな・・・)文也くん!』
杉「OK」
名前は杉浦に幸太郎を託し前を任せた。
杉浦は幸太郎を抱えながらビルの外階段を上っていく。
「こっちから足音が聞こえるぞ!」
その声が後ろから聞こえると、名前はわざとゆっくりになる。
そして男が見えた瞬間に逃げている風を装い、杉浦たちと反対方面に走った。
「いたぞ!追え!あれを早く回収するんだ!」
『(かかった・・・・“あれ”って何だ?)』
名前はスピードを落とし分かりやすい通路を選んでいく。
ただあまり直線が長すぎると自分しかいないのがバレてしまうため程々に曲がりながら。
走っているとスマホが鳴り、チラッと見ると位置情報の画像だった。ここで待ってるということだろう。
撒いたらゆっくり見ることにし、スマホをしまった。
ある程度杉浦たちの場所から離れると、路地を曲がった瞬間室外機などを使いながら上に登り視線から外れるように移動する。
足音に留意し、少しずつ上に上っていく。
『はぁっ・・・はぁ・・・さすがにちょっとしんどいかな』
ビルの上まで行くとスマホを開き、位置情報を確認しながら息を整える。
杉浦が待っている場所からは少し離れてしまった。
“10分くらいかかるかも、事情聞けたら聞いといて”
とメッセージを送り、追っ手の位置を把握しながらビルの間を跳んで行く。
追っ手は撒いたらしい。路地裏を走り回る人陰は無くなった。
『よし、そろそろかな』
そろそろ画像の場所のはず。
と、杉浦と幸太郎がビルの屋上にいるのが見えた。
杉浦もこちらに気づいたようで手を振っていた。
助走をつけ、ビルを飛び越える。
ダンッ
タタッ
受け身をとる必要もないくらい軽い着地で杉浦たちのもとへ降り立った。
幸「すげぇ・・・」
杉「ごめんね、大変な役割任せて」
『ううん、大丈夫』
名前が杉浦に、幸太郎からなにか話を聞けたか確認すると、本当になぜ追われているか分からないらしい。
ただ、なぜ保護者がいないかは教えてくれた。
家出をした、と。
『そういえば追っ手がさ、早く“あれ”を回収しろって話してたけど、何か身に覚えある?』
幸「・・・?」
幸太郎は自分のポケットや服を見ながら首をかしげていた。
杉「ねぇ、それはどこで手に入れたの?」
杉浦が指差したのはおもちゃの剣。
幸「これは家から持って来たやつだよ」
『じゃあ何を追ってたんだろ・・・』
3人で頭を悩ませていると、
幸「あ、でも、あの人たちもこれと同じ剣持ってたんだ!」
思い出したように言う幸太郎。
剣を持って歩いている男たちにぶつかり、剣をお互いに落としてしまった、男に怒鳴られたから怖くなって1つ剣を取って走って逃げた、と。
転んだりしながら逃げて、公園にたどり着いたら名前に会ったと話す。
ハッとした名前が幸太郎から剣を借り、色々な場所を探った。
カチャ
『!!!』
剣の部品を取ると、空いた空間の中にUSBが入っていた。
『これだね』
杉「それっぽいね」
さすがに今USBの中身を見ることはできない。
『しょうがない、交番行こうか。
交番行くと幸太郎くんの家出のことは言わなきゃいけないけど、いいよね?』
幸「・・・・・・」
『ちゃんと家出の理由教えてくれる?
そしたら私たちも協力できるかもしれないし』
幸太郎は躊躇いながらも小さい声で話す。
幸「嫌なんだ、勉強ばっかり」
杉浦と名前は静かに聞く。
幸太郎は、毎日勉強の習い事ばかりで外にも出られないことが辛くて家を出たと話していた。
『教えてくれてありがとう。それはちゃんとお父さんお母さんと話しなきゃね』
幸「・・・うん。交番行く」
3人は追っ手に見つからないよう気を付けながら交番に向かった。
『こんばんは、私神室町にある八神探偵事務所の苗字と申します』
交番に入り、名刺を差し出しながら警官に話しかける。
警官は不審そうに3人を見ながら名刺を受け取った。
幸「お姉ちゃん探偵だったの?格好いい!」
警「で、どうされました?」
名前はまずUSBを見せ、ガラの悪い集団がこのUSBを狙って幸太郎を追いかけていたことを話し、中をあらためて欲しいと告げた。
冗談だと思うなら街中の防犯カメラ映像にも撮られているはずだと伝えた。
警官は少し疑いながらも奥にいる警官に声をかけ、USBを渡した。
『あと、この男の子なんですが、どうやら家出をしているようで保護していただけないでしょうか』
警「本当かい?」
警官は幸太郎に声をかけると、幸太郎はビクビクしながら頷いた。
警官は幸太郎に連絡先を聞き、家に電話した。電話に出たのは母で、すぐに交番に迎えに来るということだった。
警「ありがとうございました、男の子のことはお任せください。USBの件は何かあれば名刺の連絡先に一報入れさせていただきます」
『はい、よろしくお願いします』
杉浦と名前と別れる雰囲気を悟ったのか、幸太郎は名前に抱きつき迎えが来るまでここにいて欲しいと訴える。
名前が警官を見ると大丈夫だということで、もう少しここにいることにした。