祭り
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
季節は夏。
名前は杉浦と夏祭りに行くことになっていた。
仕事の都合上、現地で落ち合うことになっていて、名前は今待ち合わせ場所に向かっている最中だ。
そこへ杉浦から“電車が遅れてるからちょっと待ってて”というメッセージが届いた。
了解の返事をして、とりあえず待ち合わせ場所で待機することに。
夏祭り会場から少し離れた公園で待っている。
お祭りを楽しんだ後なのか、バルーンの剣や水ヨーヨーを振り回している小学生くらいの子どもたちが公園を走り回っていた。
ふと1人の大人しそうな男の子と目が合う。小学校の低学年だろうか、ブランコに座り戦隊物のおもちゃの銃を握りしめていた。
よく見ると膝を怪我している。
『えっと、大丈夫?』
「!」
タタタタタッ
『あ』
名前が男の子に話しかけると、ビクッと肩を震わせ走り去ってしまった。
『(不審者だと思われたかな)』
若干凹みながらも心配そうに男の子が去っていった方向を見ていた。
するとそこへ
「お、可愛い女の子はっけーん」
「1人?」
「寂しいなら一緒に祭り行こうか?」
2人の男たちが公園に入ってきて名前に声をかけてきた。
『(またナンパか・・・)彼氏を待ってるんで』
名前がため息をつきながら返事をするとお構い無しというようにズイズイ近づいてくる男たち。
「彼氏なんかほっといて俺らと楽しもうぜ?」
『私の彼氏だいぶ強いけど大丈夫?こんなとこ見られたらお兄さんたちやられちゃうかもよ』
「俺らだって喧嘩超つえーよ?」
シュッ、シュッと拳を突き出す男たち。
その拳はパンチをあまり使わない名前のものよりも遅そうだ。
笑いそうになるのを堪える名前。
「じゃあ彼氏と勝負して俺らが勝ったら一緒に遊ぼうぜ」
杉「誰と誰が勝負するの?」
そこへやってきた杉浦。
『あ、彼氏来た』
名前が男たちに向かって話すと、男たちはじろじろ杉浦を見てニヤリと笑う。
「こんな優男が強いって?」
「すぐコテンパンにしちまうから、その後は俺たちとデートな」
杉「・・・名前ちゃん、説明して」
『ナンパされた。文也くん強いからやめた方がいいって言ったのに聞かなかった。以上』
杉浦はそういうことね、と返事をしている途中いきなり男からヒョロヒョロパンチが飛び出してきたためヒョイ、と避ける。
杉「別に喧嘩が強い訳じゃないんだけどなぁ・・・八神さんたちにはきっと手も足も出ないし」
ぼやきながら男たちの攻撃を避け続ける。
「ちょこまかとうぜーな」
杉「・・・わかったよ」
そう言うと、杉浦は男のパンチを横にかわしそのまま踵を勢い良く振り上げ男の顔面に当たるスレスレで止めた。
「!?」
男は耳元で風の音を聞いたのだろう、目を丸くして固まっていた。
杉「どうする?続ける?」
「いえ、大丈夫でーす・・・」
「お祭り楽しんできてくださーい・・・」
男2人はビクビクしながら公園を出ていった。
『神室町のチンピラの方が10倍強いね』
杉「言えてる」
2人は気を取り直して夏祭りの会場へ向かった。
『うわぁ、すごい人・・・』
会場は人でごった返していた。
杉浦は名前の手をギュッと握りしめ、歩きだした。
杉「迷子にならないでよ?」
『ならないよ!』
杉「信用ならないなぁ」
と話しながら人混みの流れに合わせて動いていく。時々手が離れそうになるも、杉浦が引き寄せてくれ無事歩き続けることができた。
杉「奥まで来ると少し人減るね」
『はぁ、助かったー』
人混みを避け、出店を見て回ることにした2人。
杉「何か食べたいのとかやりたいこととかある?」
『チョコバナナ食べたい。2つくらい』
杉「いきなり甘いのなの?しかも2つ」
杉浦は笑いながらもチョコバナナの店を探し始めた。
チョコバナナを宣言通り2本買うと、混雑を避け脇道で食べることにした。杉浦は焼きそばを買っていた。
杉「一口ちょうだい」
『いいよ、交換こしよ』
2人で仲良く食べ終え、杉浦がゴミを捨てに行っている間
「お姉ちゃん!」
『うわぁ!』
急に後ろから何かに突撃される。
後ろを振り返ると、
『あれ、さっき公園にいた男の子?』
「お姉ちゃん!一緒に遊ぼう!お願い!」
杉浦と待ち合わせ中にいた公園で目が合った男の子が名前にぎゅっと抱きついていた。先程も持っていたおもちゃの剣はしっかり握りしめている。
『ぅええ・・・?お母さんかお父さんは?』
可愛いと思いつつも、迷子かもしれないと保護者はいるのか聞く。
杉「ただいまー、え、誰?」
杉浦も戻ってきて戸惑う。依然男の子は名前の背中に顔を埋めて抱きついている。
『えっと・・・知らない子。ナンパされる前に公園で目が合った』
「お姉ちゃん、遊ぼ!」
『!!』
遊ぼうと言ってはいるが、手が震えていることに気づき杉浦にアイコンタクトを送る。ただの迷子ではないと。
と、そこへバタバタバタ何者かが走ってくる音が聞こえた。男の子がさらに震え始まったため、咄嗟に男の子を隠すような体勢になる。
杉「・・・なに?どういうこと?」
足音が遠ざかっていくと杉浦が小声で聞いてくる。
名前もわからないと返事をして男の子と向き直る。
『えっと・・・名前は?』
「・・・幸太郎」
『こうたろうくん、ね。お父さんお母さんは?』
幸「・・・・・」
バツが悪いのかなにも話さない。
他の話題を試してみることにした。
『誰かに追いかけられてる?』
幸太郎は無言で頷く。何でか分かるかと聞くと首を横に振っていた。
杉「とりあえず追われてるんじゃ、ここはカモフラージュできるもの無いから危ないね。
祭りの人混みに入ろうか、なるべく人が少ないとこだけど」
その時幸太郎のお腹が鳴った。
『お腹空いてる?』
幸「・・・うん」
『じゃあ屋台で何か買って食べながら隠れようか』
少しでもバレにくくするため杉浦が幸太郎を抱っこし歩いている。名前ははぐれないように杉浦の服を握りしめていた。
杉「(子どもができたらこんな感じかな)」
と思い微笑む杉浦だった。