ハルクの逆襲編④
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無事警察署での話を終え、署を出る杉浦と名前。
警官に今回のことと数年前の檜山組の事件のことを話すと、レイトは本拠地のある国に送還され、そこで裁きを受けるだろうとのことだった。
そうなればハルクは解散、罪を償って釈放されても地元の警察に監視され国から出ることは叶わなくなるだろうと。
2人は帰り道でご飯を食べ、名前の家に帰ってきていた。
夜も遅かったため、シャワーだけ浴びてベッドに2人で寄り添いながら座って話をしている。
杉「本当に無事で良かった」
『うん、助けに来てくれてありがとう』
杉「気持ちは大丈夫?」
『落ち着いてるよ。全部終わったんだっていう安心が強いかな。
八神さんたちがおかしかった理由もわかったし』
杉「あれは酷かったね。
もう八神さんに掴みかかって怒っちゃったよ」
『フフッ、そんなに?』
クスクス笑いながら話す名前に、杉浦は真剣な顔になる。
杉「当たり前だよ、今何よりも大切なのは名前ちゃんだから」
『いやいやお父さんお母さんを一番にしてあげて。
そういえば・・・私のお父さんお母さん、檜山組の人に報告しなきゃな』
少し嬉しそうな表情になった名前に杉浦は安堵する。
杉「明日、行かせてもらおうか」
『そうだね』
少しの沈黙のあと、名前は杉浦を見つめる。
杉「?」
『私さ、レイトに連れていかれそうになった時、文也くんにもう会えないかもって思ったら・・・
レイトのものになるくらいなら・・・
死んじゃったほうが良いかなって思った』
杉「!」
杉浦は眉をハの字にし、辛そうな表情になった。
『だから本当に・・・本当にありがとう』
ギュ・・・
名前は杉浦の背中に腕を回し、ギュっと抱き締めると杉浦もそれに答えた。
『ずっと離さないでね』
杉「うん」
『文也くん、愛してる』
杉「僕も愛してる」
見つめ合った2人の唇が重なる。
お互いの存在を確かめるかのように。
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翌日
八神探偵事務所
杉浦と名前が事務所に入ると、すでに八神、海藤、そして東がいた。
八「名前ちゃん、ホントにごめん。
自分たちで解決しようって名前ちゃんにも杉浦にもハルクが来てたこと言わなかった」
八神と海藤が苦渋の表情で謝罪する。
『もういいよ、気にしないで。2人だって必死に頑張ってくれてたんでしょ?
でも、もう隠し事はしないって約束して』
海「わかった」
3人は和解した。
もう謝るのは無し、楽しい話をしようということになった。
八「あの俺のスマホに電話をかけるやつはどうしたんだ?」
『あー・・・見張りを気絶させてスマホを拝借した』
ちゃんと八神たちが意図を汲み取ってくれて良かったよ、と話す。
『レイトにバレたときは終わったと思ったよ。
すぐ来てくれたから良かったものの間に合わなかったらヤバかったね』
杉「こっちの音が漏れないようにマイク塞いですぐに行動に移してたからね。
その時はもう埠頭近くでドローン飛ばして場所確定させてたよ」
八神たちの行動力に脱帽だ。
お互いの咄嗟の判断でできた救出劇だったようだ。
東「それにしても、なんで名前は変な男を寄せつけちまうんだろうな。
前のストーカーもだし今回のヤツも」
八「創薬センターの木戸にもだいぶ気に入られてたしな」
『・・・思えば高校の時にしつこく告白してくる人もちょっと変態っぽかったな。』
海「蹴り入れた奴らか」
『そう』
海「まぁ、見た目はかなり男に好かれる容姿してるからなぁ。見た目は」
『は?蹴られたい?』
海藤は瞬時に謝った。
八「まぁ、喧嘩が強いってだけで別に性格に難があるわけでも無いし、むしろ誰にでも優しい傾向があるから信者を作りやすいのかもな」
杉「はぁ。今後も色んな変態から名前ちゃんを守らなきゃだね」
話が一度途切れると、名前はそういえば、と八神に話しかける。
父母と檜山組の人たちにハルクのことを伝えてきたいと。
八「いいよ、行ってきな。杉浦も一緒?」
杉「うん」
『ありがとう、お昼過ぎには帰ってくるよ』
名前と杉浦は事務所を出た。
タクシーで父母のお墓に向かう。
檜山組の組長も近くに眠っていた。
『天気良いね』
杉「うん」
父母のお墓の前に来ると、道中買っておいた花を供え、しゃがんで手を合わせる。
『(お父さん、お母さん・・・みんなを襲った人たちはみんなもう逮捕されたよ。だから安心して眠って。
私は色んな人に助けてもらいながら元気にしてるよ。
まだまだそっちには行けないけど、みんなで仲良く気長に待っててね)』
目を開け、隣を見るとまだ杉浦は手を合わせていた。
杉浦も話を終えたのか名前の視線を感じたのか、目を開け名前を見た。
『何話してたの?』
杉「ん?これからも名前ちゃんを守るから安心してくださいって」
『ふふっ、お父さんお母さん、私今幸せだよ。
文也くんと、大切な人ともっと幸せになるから見守っててね。
わっ・・・・』
微笑んでお墓を見るとザァアーーッと風が吹き、持ってきた花の花びらが何枚か空に舞い上がる。
『・・・・じゃあ、また来るね』
杉「名前ちゃん」
すでに立ち上がっていた杉浦に呼ばれそちらを見ると、手を差し出していた。
名前はニコッと笑って手を重ねるとギュっと握ってくれた。
2人は同じ歩幅で歩いていく。
ハルク編 完