ハルクの逆襲編③
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まず見張りの人と会話していく。
『ねぇ、なんか話しよ』
「あ?話なんかするか、静かにしてろ」
『お兄さんはハルクに入りたて?古株?』
「関係ねぇ」
『・・・』
若干しょんぼりした表情を作り、同情を誘っていく。
しばらく無言が続くと、見張りの男はスマホをいじりはじめる。
『今何時?』
「・・・20時半くらいだ」
『(マンションに着いたのが19時半過ぎ・・・
長くても1時間程度で行ける埠頭か。範囲が広いなぁ)』
そこへ、ガラガラッと倉庫の扉が開き、違う男が現れる。
「おい、もう交代の時間なんだがあと10分くらい見張っててくれねぇか?
便所に行きたくてよ」
そう言って倉庫を閉めて行ってしまった。
「チッ、休憩時間が減るぜ」
『(見張りはあと10分くらいで交代か・・・動くなら今のうちかな)』
依然スマホに目を向ける見張りの男。
名前は八神に連絡をとる手段を考え、すぐに行動に移した。
『っ・・・気持ち悪い・・・』
「あ?逃げたいからって嘘つくな」
名前は頭を抱えて蹲った。
見張りの男は一瞬戸惑うが逃げたいがための嘘だと疑った。
『はぁっ・・・はっ・・っ・・・』
ガタガタ震えながら息を荒くする。
『はっ、は、お父さ・・・お、母さん・・・苦しっ・・・』
過呼吸やフラッシュバックしている真似をする名前。涙まで流して我ながら名演技だと思っていた。
男は最初はなにもせずじっと見ていたが、あまりのリアルさにとりあえず近づいて背中をさすることにした。
「とりあえず落ち着け」
名前と同じ目線までしゃがみこむ男。
これをチャンスと見た名前は、
『ごめんね』
小声で謝り、男に肘打ちを食らわせる。名前の肘は男の顎にクリーンヒットし、男は突然の衝撃に床に倒れ伏す。
次の見張りが来る前にすべてを終わらせなければならない。急いで次の行動に移った。
伸びている男のスマホを取り、男は倉庫の端に寝かせ近くにあったシートを被せた。
殺人犯みたいだと思いながらも目の前のことに集中する。
男を自然な感じで隠すと、次はスマホを操作する。幸いにも指紋認証だったようで男の指を借りてロックを解除する。
そして八神の番号を素早く打ち、電話をかける。
知らない番号でも緊急事態を察して出てくれることを祈りながら。
八《・・・もしもし》
『(出た!) 八神さん、シッ!』
名前は小声でそれだけ言うと、スマホのマイクを塞がないように気を付けながらTシャツの下、下着と素肌の間に挟むように入れる。
体勢を大きく変えなければバレないはずだ。
ある程度情報を集めて、隙を見てスマホを倉庫内のどこかに隠せば良い。
その間、八神側からはなにも聞こえてこない、通話も切られていない。
ちゃんと意図が伝わってくれたようだ。
次の見張りが来るまで今後の流れをいろいろイメージしていく。
とそこへ、ガラガラッと扉を開けて次の見張りが入ってきた。
若い、組織に入りたての男というイメージだ。
「あ?さっきの見張りがいねぇな。外のヤツはあいつが出たとか言ってなかったぞ」
『さっきお腹痛いって出てった。あっちの扉から』
ここで外の見張りに確認されたら終わり。
男の動向を伺うと、特に疑う様子もなく倉庫内に留まった。内心ホッとする名前。
あとは、気絶させた男がしばらく起きないでいてくれるのを祈るばかりだ。