第20話
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《次の結野衆のお題は・・・あーっと、これは厳しい!
“毒針注入”》
「『!?』」
《この毒はものの15分で全身の自由を奪い、死に至らしめるものです!解毒するには、このコースのどこかにある“解毒剤ゲット”のマスを踏むかゴールするか、棄権するしかありません!》
新「そんな!そんな危険なお題っ・・・」
不「っ・・・」
不知火は苦虫を噛み潰したような顔になる。自分のコインの裏表でその毒針が名前に行くかもしれないからだ。
『サイコロでこのマスに着いちゃったのは私のせいだから、気にしないで。むしろごめん』
不知火は震える手でコインを投げる。
表になったのは“主”。
不知火は絶望的な表情になる。
晴「棄権してくれ!そこまでして勝つ必要はない!」
焦り棄権を勧める晴明に、名前は薄く笑って答える。
『あれ、晴明さん、江戸中を式神で見てるんじゃなかったんですか?その中にいませんでした?何があっても江戸を護ろうとする真選組隊士』
きっと晴明はわかっているだろう。名前が真選組の局長補佐で今までどのように江戸を護っていたかを。
晴「しかしっ・・・」
『ゴールすればいいんですよ。私は陰陽道はわかりませんが、侍道はいくらか知ってます。途中棄権なんてあり得ませんよ。不知火も、勝手に棄権したら嫌いになるからね』
不「っ・・・」
新「銀さんっ、どうにか・・・」
新八は銀時に助けを求めるが、銀時は名前をじっと見据え落ち着いた雰囲気で話す。
銀「・・・あいつはそういう奴だ。戦いを途中で諦めるような奴じゃねェ。たとえ自分に危険が及ぼうとな」
《さて、そろそろお題をこなしていただきます!》
ドッ
『!』
箱の外から針が放たれたのだろう。
名前の腕には針が刺さっていた。反射的に瞬時に抜くが、きっともう毒は体内に侵入しているだろう。
クラッ
『ぅ・・・』
さすが15分で命を奪う毒。すぐに目眩がし、立っていられなくなった。
神「名前!」
《さぁ!結野衆にはもう時間がありません!それでは巳厘野衆の番です》
ちなみに遅延行為は認めないらしい。変な所で公平だ。
巳厘野衆は次もくすぐりだった。次は主がくすぐられてしまい、片方の主は大笑い、片方の主は辛そう、という不思議な構図ができあがっていた。
『はぁ・・・っ』
腕が痺れてきた。動かしにくい手でサイコロを持ち転がす。“5”だ。出目が大きいのが助かる。
《次は、残念!解毒剤ではありません!鍛錬用式神に襲われます!》
不「くそ、せめて俺が・・・」
しかし、コインは“主”。
ギャギャギャギャ!!
小さい鬼が名前を襲う。
必死に刀を握り、鬼の攻撃をいなし、斬っていく。しかしすぐに全ての式神を倒せるわけではなく、いくらかダメージを負ってしまった。
不「主!!」
『まだ、平気だよ・・・』
箱の壁に身体を預け、冷や汗をかきながら答える。
晴「っ、もう、棄権を・・・」
銀「ダメだっつってんだろ」
晴明は棄権させようと声をあげるが、銀時によって制止された。
新「でも、名前さんホントに死んじゃいますよ!」
名前が死んでもいいのか、という新八。しかし、銀時の顔を見て息を呑んだ。
いつもの死んだ魚のような目だが、どこか真剣な顔をして見ている。
銀「あいつは棄権したいなんざ思ってねェ。外野の俺たちが手ェ出しちゃなんねーんだよ。それに、あいつがゴールするって言ってんだ。信じりゃいい」
『・・・』
新「・・・名前さん・・・」
辛そうに呼吸に集中している名前にはそのやりとりは聞こえていなかっただろうが、チラリと銀時の方を見て笑った気がする。
新八は武士道を持ち、強い名前を心配しすぎていたことを恥じた。そして応援した。
それからもう一巡を終わらせ、遂に
《巳厘野衆ゴーーール!!》
巳厘野衆の式神がゴールに辿り着いてしまった。
《結野衆の2人は、このターンでゴールしなければ負けです!ゴールまでは・・・6マス!まだ希望はあります!》
6を出せばゴールだ、そして引き分けにできる。
しかし、例の15分は着々と近づいてきていた。
『っ、は・・・ぁ・・・』
不「主っ、サイコロをっ・・・!」
ドサッ・・・
新「名前さん!!」
遂に座ってもいられず、倒れ込む。その拍子に手放したサイコロは振ったと見なされないようだ。見なされても困る、その目は“1”だったから。
『はぁっ・・・ぜぇ、ぜぇ・・・』
息が苦しい。目も霞んできた。
名前は必死にサイコロに手を伸ばす。
震える指。
負けられない、負けたくない。
ガッ
カランカラン・・・
意識が持っていかれそうになりながらサイコロを掴み、投げた。
『っ・・・・・・』
それから先は覚えていない。
『ん・・・・』
新「名前さん!」
不「主!」
神「名前!良かったアル!」
目を覚ますと、万事屋と晴明、不知火が顔を覗き込んでいた。
『あれ、私・・・』
新「最後に名前さん“6”出したんですよ!それで引き分けになって解毒剤をもらったんです」
そして解毒剤を打って様子を見ていたところだという。そういえばもう身体はだいぶいつも通り動かせる。
ということは引き分けだったということ。
『ゴメンなさい、晴明さん。勝てませんでした』
晴「構わない、おぬしが無事であれば」
晴明は申し訳なさそうに答えた。
《さて、そろそろ第3回戦を始めたいと思います!ルールは、2タッグ総勢8人によって行われるガチンコ呪法デスマッチです》
両チームの大将と副将がリングの中に入ることに。
結野衆は、晴明と銀時だ。
『万事屋さん・・・』
名前はずっと静かに様子を見ていた銀時に声をかけた。
銀時は不知火に支えられ座っている名前に目線を合わせる。
銀「後は任せな」
ポン
そして名前の頭に手を乗せた。
『うん』
銀時はその返事を聞くと、口角を上げてリングに向かっていった。
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